虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

破綻の程度を考える(「そごう」と「夕張市」)/超おおまかな試算


(あけましておめでとうございます。新年初のブログです。
あんまりめでたい話題ではないですが。。。。)



 ここでとり上げるのは破綻(倒産、破産)にまで至った組織です。
「そごう」は、天皇とまで呼ばれた水島廣夫さんが中興の祖ですが、西暦2000年の破綻の際の指揮者であり続けました。このお方、法学のプロで、かれの書いた論文で法律が出来上がったという人です。「そごう」に興銀から派遣され、この会社の主に納まりました。
 彼がやったユニークな点は、東京などの場合、環状線に沿って店舗を展開し(レインボー戦略)、新しく作った店舗は、そごう本社とは別の組織とした点です。
 ただ、この方式、拡大するときにはいいのですが、ガードが弱い戦略です。一度独立させて、各店舗の自由にさせると、齟齬が生まれることまでは水島さんの考えが及ばなかったという点です。

 さて、2006年財政破綻した夕張市の場合はどうでしょうか。ここの場合、観光客を当て込んで30施設近いテーマパークをどんどん作り、肝心の観光客が来なかったというトホホな状態でしたね。



 以下、破綻の程度を数量化してみます。データが足りないのであてずっぽだとは思いますし、この道の専門家から笑われるかもしれませんが。要点は、施設1平米(m^2)ごとの負債を計算し、それを経常収支とか財政規模を示す指標で割ることです。煩雑なので、項目はアルファベットに対応させて記します。求めたいのは「平米あたりの破綻のダメージ」です。



(1)そごう  1兆8700億円   A(Wikipediaより)
       倒産22店舗  B
      売り場面積4万m^2  C(1店舗あたり:心斎橋そごうの売り場が4万平米から、他の店舗も同様としました。
      経常収入 200億円  D
  Dは「ドキュメントそごう解体」(日本経済新聞社)から拾ってきました。
  売り場一平米(m^2)あたりの負債総額
 A/(B*C)    2125000円/m^2  E
  さらに、経常収支でEを割ると
E/D=1.06*10^(−4 )/m^2 ←これが「平米あたりの破綻のダメージ」を示す。



(2)夕張市  文献より負債総額は292+187+120=599億円  A
  (この文献は失念しましたが、いろいろなブログで確認すると、この値でほぼ順当であると思われます。)
    閉園したテーマパークの個数  29   B
   敷地面積   1テーマパークが2000平米(m^2)とする  C**
       (**これについては全く資料がないので、本当にあてずっぽです。)
   税収が住民からのみ徴集されているとして一人5万円徴収するとして財政規模 5億円   D
 A/(B*C) 1032758   円/m^2)   E
  E/D=2.06*10^(−3)/m^2 (平米あたりの破綻のダメージ)



こう見てくると、同じ破綻でも、そごうより夕張市の方が一桁ほど酷い破綻であると思われます。
「平米あたりの破綻のダメージ」の単位は、円/円/m^2 であり、円は単位に含まれず、m^2(平米)で割るというディメンション(単位)になります。

$$今回のブログはあくまで、いい加減な試算ですので、この結果を持ってどうのこうのしようというわけではありません。$$



今日のひと言:なぜ、人は限度というものを知らないのでしょう?「足るを知るの足るは、常に足る」。(老子


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