虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

1ユーロ貨幣で思ったこと

iirei2007-06-01

 *1ユーロ貨幣で思ったこと
 今、私の手元に「1ユーロ貨幣:コイン」があります。知人にいただいたものですが、この通貨を日本の通貨と比較をすると面白いことがわかります。
 右の写真の右の小さく赤い通貨が「1ユーロ貨幣」です。銅を中心に、亜鉛とかニッケルを合金にしたものと見られます。この貨幣、直径が1.6cm、質量が0.6グラムでした。
 さて、最近の円相場では1ユーロ=160円となりますから、この価格につりあうためには 100円硬貨1枚、50円硬貨1枚、10円硬貨1枚用意しなければなりません。
そこで、写真には右側に1ユーロ貨幣、左がわに日本円を配置しました。参考までに日本の硬貨は銅、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウムを用いていますが、160円分の3枚の硬貨の質量は1.7gとなり、これだけ集めてやっと1ユーロに相当することになります。ほぼ3倍の質量の金属をつかわなければなりません。(ちなみに10円硬貨は2.2センチ、50円硬貨は2cm、100円硬貨は2.2cmの直径で、どれも1ユーロより大きいのです。)この圧倒的な差別は、「同じ」経済的価値をもって比べているので、絶対のものでしょう。どう見ても、1ユーロ硬貨より10円硬貨のほうが、純・金属的に価値が高いと思われるのです。
 この現象はどう解釈するべきなのでしょうか?通貨の世界では、もしかしたら当たり前の事象なのかもしれません。つまり、国家間の力関係によって決まるのではないか、ということです。私は、通貨としては、紙幣よりコインを実用性という意味から評価しています。いざとなれば武器に転用できるからです。そのコインを3:1の割合で交換するという状況は、いかにも理不尽です。
 また、逆に考えれば日本に金属がふんだんにあることの査証なのかもしれません。
 どなたか、この現象にお詳しいかた、教えてください。


今日のひと言:かのアイザック・ニュートン大英帝国造幣局の長官を勤めたこともあるそうで、造幣という行為はなかなか奥が深いのかもしれません。

通貨燃ゆ―円・元・ドル・ユーロの同時代史

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なお、今回のブログは、「これが1ユーロだよ」として受け取った貨幣が、実際には、
0.01ユーロであることに気付かずに書いてしまいました。本ブロガーの不明に恥じ入る次第です。ご容赦のほどを。コメント欄だけではなく、本文に訂正文を挿入します。
  (2008.01.20 森下礼)