虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

ナスタチウム    お奨めのハーブ1

iirei2005-12-15

 *ナスタチウム    お奨めのハーブ1
       (写真・葉と花→ )
 別名「金蓮花(きんれんか)」。お年寄りの方には、むしろこの名のほうがなじみがあるでしょう。葉がちょうど「蓮」のような形態をしていて、「何で陸上に蓮が生えているの?」と思われるような、ほんとにミニチュアの蓮みたいなのです。このユニークなつる性植物は南米の海なし国・パラグアイ原産の多年草です。一説にはペルー原産とも。ただし、寒さに極めて弱いので、日本では一年草として扱います。「ノウゼンハレン(凌霄葉蓮)」とも言います。ノウゼンハレン科の植物は、私の知る限り、ナスタチウムだけです。また、花は非常に美しく、黄色、オレンジ、赤など、多彩な彩りです。
 そんなことから推察されるように、もともとは鑑賞用として導入されました。ナスタチウムが別の顔を見せたのは、80年代のハーブブームからでした。な、なんと!葉も花もサラダとして食べられるのです。しかも、ワサビのような辛さを持ち、ピリッとしているんです!!これなら、サンドイッチにはさんでもいけますね。寿司を食べる際にも、ワサビの代用品となること、間違えなしです。また、ちょっとだけ楕円形の丸い実(種)も食べられ、ヨーロッパ料理の付け合せハーブ「ケッパー(ケイパー)」の代用のピクルスにもできます。特に花は香りもよく、エディブル・フラワー食用花)の代表選手です。
 成分的にはビタミンC、鉄分、硫黄(イオウ)分が豊富で、昔から壊血病の治療に用いられてきました。薬用植物でもあるんですね。イオウ分が多いというのは、アブラナ科の植物と共通で、ワサビやカラシなどもアブラナ科であることも考え合わせると、「南米のワサビ」と言ってもいいでしょう。そう言えば、ヨーロッパにも、「ホースラディッシュレホール)」(アブラナ科)というローストビーフには欠かせないハーブがあって、これもワサビ味です。ちなみに、刺身についてくるワサビパックは、実はホースラディッシュの根なのです。身近ですね。ちなみに、私の庭にもホースラディッシュが植えてあります。なに、スーパーで根を買ってきて、上下間違えずに植えれば育つのです。強いので、庭の端っこに植えるのがベストなのですが。神様は、どんなところにも、おなじような性質を持つ植物を分布させているのですね。
 さて、ナスタチウムに戻って、栽培法ですが、容易です。弱アルカリ性を好み、リン、カリ中心としてチッソ分を抑えた肥料を与えます。そうすると、花と実の付き方がよくなるのです。乾燥気味がいいです。夏の強い日差しには弱く、鉢植えなら移動させ、地植えなら半日陰になるところに植えます。秋には日当たりの良いところに。ただ、私の経験では、地植えのほうがよく育ちます。種の入手は簡単で、園芸店、ホームセンターなどで、「金蓮花」の種を買えばいいんです。なお、「コンパニオンプランツ」としても有名で、いろいろな植物と相性がよく、一緒に植えるとお互いいい影響を与え合うともいいます。ただし、逆の例が私の体験上あります・・・「ヤロー」を枯らしてしまいました!!
 なんともお得なハーブ、一回お試しあれ!!


今日のひと言:ナスタチウムは、万能選手。トライアスロンなら、間違いなく優勝です。


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