虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

各種事象における空と色:神秘主義の仮面を剥ぐ+ミサイル防衛の虚妄(随想録―51)

各種事象における空と色:神秘主義の仮面を剥ぐ+ミサイル防衛の虚妄(随想録―51)



以前、このブログで仏教の「空」と道家の「無」の比較をしましたが、ここではもう一段認識を深めて、これら抽象的・神秘主義的な仮面を剥がしてみようと思います。




iirei.hatenablog.com


iirei.hatenablog.com




一覧表を見れば、解るかと思いますが、まずは人間(生き物全般でもある)の2大本能、食欲と性欲について。食について、「お腹の減っている状態」は、「即」です。テーブルの上の料理に「即:食らいつく」状態です。食欲に、全面的に縛りつけられています。そして、その本能に従い、「食べて食べて」、「もう腹一杯になると」、「もういいや」、と料理を見るのも「嫌になる」、これは「既」の状態です。それぞれが「色」「空」の状態であると言えます。性欲も同様で、相手に性的興奮を抱いている状態は「SEX前」で、さんざんSEXして、相手に飽きる状態になるのが「SEX後」です。やはりそれぞれが「色」「空」に対応します。
(ちなみに、「色」という漢字は、ずばり男女が絡み合ったセックスそのものを意味します。)


仏教の般若心経で有名な「色即是空、空即是色」というセンテンスで取り上げられた「色」と「空」は、対立概念ですが、仏教という宗教の装いのなかでは、とても深遠でとっつきにくいものだと思われがちですが、上の食欲・性欲のカテゴリーで取り上げた解釈で、きっきりと現実的な意味が掬い上げられるのです。一方、「無」の哲学、老子荘子老荘思想)の場合、「色と空」の概念は、「有と無」の概念に相当すると思われます。荘子的には、「無」は「物化」という概念で説明できます。「今の私の姿は仮のもので、それは他の生物・無生物にいつでも転化できるもの」であるとされます。


もっと、自然科学の面でも考えてみましょう。電気・電子工学的には「色」は「on」、「空」が「off」です。たんにスイッチの開閉を意味するのです。スイッチがオンになれば、電子機器は作動して、人にさまざまに働きかけますが、スイッチをオフにすれば、機器は作動を止めます。


数学的には「色」が「1」であり、「空」は「0」です。この2つの記号で表される2進法の原理でコンピュータは構成されるわけで、コンピュータの基礎は、極論すれば「般若心経」ないし「老子荘子」にあると言っても過言ではありますまい。


 (2022.10.03)





ミサイル防衛の虚妄:自民党のバカどもはなにを考えているのか?


吉外の独裁者:金正恩とか、神と呼ばれたいむくみ顔:習近平とか、ロシア帝政を目指す:プーチンとかに囲まれて、日本が対ミサイル的に無防備であるとの理由で、日本もミサイル武装しなくては、という議論が、自民党とか維新などから、にわかに巻き起こり、防衛費を国家予算の2%にするべく、増税をするというお話が、国民を巻き込んだコンセンサスもないままに強行される勢いだ。


ところで、私は7、8年前に興味深いニュースを聞いた。「アメリカ軍が、レーザー光線を使って、飛んでくるミサイルを打ち落とす実験に成功した」、というのだ。私は、このニュースを聞いて、スゴイな、と思った。最近のミサイルは高速化が進んでいる。マッハ10なんて高速のものもあるくらいだ。(ロシアは、この高速ミサイルを誇っている。)マッハ10とは、秒速3000mで、たぶんイージス防衛システムも対抗できないだろう。


でも、所詮は音速、レーザー光線の秒速30万kmに比べれば、「止まっている」ようなものだ。赤子の手をひねるように撃墜できる。そのニュースを聞いてもう7年、聞くところによると、アメリカ軍は、すでに日本にもこの兵器を実戦配備しているそうだ。起爆装置を無効化して、撃墜する。


それにしても、アングロサクソンは、戦上手だ。先が読める。ミサイルの高速化を見越し、どう高速化しても無意味になる手段を開発してしまう。プーチン金正恩習近平がバカに見えて仕方がない。


それはそうと、中国が中距離ミサイルを千数百発持つのに、アメリカ軍=日本軍は一発も持っておらず、軍事バランスが傾くなどと、この前のNHK日曜朝のテレビ討論で言っていた者がいたが、それは防衛大臣経験者(複数回)の小野寺五典だったか。まあ、数はスゴイとは思うが、所詮は「時代遅れとなった」ミサイルの話である。この男、素人の私でさえ知っているレーザー光線について、「知らない」のであろうか?


軍事バランスが傾くというのなら、レーザー光線を開発するなりアメリカ軍にたのんだりして、台湾周辺に配備すれば済むことだ。この兵器は、飛んできたミサイルをピンポイントで撃ち落とせるから、敵基地攻撃ということも考えずとも済む。そして、比較的安価に出来よう。


それではなぜ、自民党とその亜流の維新は、ミサイル防衛=敵基地攻撃能力にこだわるのだろうか。それは、やはりアメリカの「イエスマン」だった安倍晋三負の遺産だろう。このバカは、「アメリカの言い値で、高価な兵器を買いまくった」ということで有名だ。その延長。アメリカは、軍需産業で名高い国だ。自分では優れた兵器を開発しても、イージスシステムなどの陳腐化した兵器を、日本に売りつければ、それはそれで儲かるからね。


日本の政治家には、以上のような認識に立った上で、真に日本に貢献できる者はいないのだろうか?

 (2022.11.30)





今日の7句


シャリンバイ
皆刈られてぞ
姿なし



コンビニの空きスペースに密植された車輪梅、完全に刈られました。また芽生えるとは言え。

 (2022.10.12)



野バラなり
何者かがや
刈り取りぬ



公道に面していたとは言え、私は刈り取りを頼んだ覚えはない。

 (2022.10.12)



ハゼラン
幼生ひょっこり
生えにけり



これは嬉しい。

 (2022.10.12)



濃い目にて
咲くやコスモス
冬を告げ




 (2022.10.12)



アワダチソウ
見るも鮮やか
黄花かな



 (2022.10.13)



この寒さ
これから開く
菊の花



 (2022.10.13)



やり過ぎの
感ある土手の
除草かな



工作機械、パワーショベルで一網打尽。

 (2022.10.13)