油団(ゆとん、ゆたん)の優雅:和紙の応用の多様さ
油団(ゆとん、ゆたん)の優雅:和紙の応用の多様さ
2019年8月13日、テレビ朝日系のスーパーJチャンネルで取り上げられていたこの物体、和紙の用途の広さを物語るものでした。どういったものかをwikiで引いてみると、
油団(ゆとん、ゆたん)は、日本の伝統工芸品の一つで、敷物として使われる。
幾重にも貼り重ねた和紙の表面に荏胡麻油を、裏面に柿渋を塗って作られる(漆が用いられることもある)。
暑さをしのぐため、夏場に畳の上に敷く(俳句の夏の季語にもなっている)。100年以上使い続けることができる場合もある。手や裸足で触れると、ひんやりした感じがある。汗を吸収する際の気化熱の作用が冷感をもたらすのではないかと推測されている。幕末にイギリスの駐日公使を務めたハリー・パークスが興味を抱いて持ち帰った切れ端がヴィクトリア&アルバート博物館に保管されている。
秋になると巻いて、土蔵などに仕舞われる。1枚の油団を仕上げるのに上質な和紙を15~20層分使い、和紙を1枚貼る度に打ち刷毛で叩く。8畳のもので約1万回叩かれ、3~4ミリメートルの薄さになる。作っているのは福井県鯖江市の表具店「紅屋紅陽堂」のみである。
・・・とありました。私自身、紙漉き屋(かみすきや)さんになりたかった時期があり、それは情けなくも叶わぬ夢でしたが、「和紙」に関することにおいては、いまでもアンテナを立て続けています。石州半紙(島根県三隅町)の西田さんが開発した、和紙にコンニャク粉を塗って表面を強化して、座布団にした作品にはたいそう感動し、購入しました。(そう20年以上前、西日本の紙漉き屋さんを巡るツアーを自分で企画し、3軒の紙漉き屋さんを訪ねたのです。)
:油団(FNN)
油団の場合もその伝で、大層興味を持ったのです。私自身、山暮らしをしていた頃、紙の原料:コウゾと、杉の皮を混ぜ、簾の子の上に、五角形とか六角芒星の形にくりぬいた表面が平滑なベニア板を乗せ、その形にのみ簾の子上に紙料が集ることを利用して、それらの形を漉き、何枚か貼り付けてコースターにしたことがあります。買い手もついたんですよ。
透かし入りの半紙も漉いたことがあります。龍とか牛とかの動物をあしらいました。ただ、透かしが凸状になるものは法律で禁止されていますから、全て凹状のものでした。
紙漉きの様子(ハガキ)
最近は、良い乾燥板の手配が出来ず、思うように乾燥させられないので、紙漉きはやっていませんが、年賀状には愛媛県四国中央市の紙漉き屋さん(宇田秀行さん)の製品を取り寄せ、植物の水彩画をPCに取り込み、加工してプリントしています。評判は良いです。
油団について補足すると、紙に塗る油・・・荏胡麻油(えごまあぶら)は、室町時代くらいには、燈明用の油として重宝されたものなのです。戦国時代の斎藤道三は、美濃の大名となる前には油売りをしていて、売っていたのが荏胡麻油でした。現在では、健康志向の世相もあって、食用オイルとして人気があります。
今日のひと言;以前、紙漉きについて拙ブログで取り上げたことがあります。3話で、列挙してみます。
https://iirei.hatenablog.com/entry/20060331
紙すきとチャーハン
https://iirei.hatenablog.com/entry/20060406
紙すきと環境科学分析
https://iirei.hatenablog.com/entry/20060414
紙すきの精神的側面
以上です。
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今日の一品
@ナスとオクラの煮物
この2つの野菜を煮合わせました。どっちも加熱すると、美味しい風味があります。特にオクラは粘りが保持されていて美味しいです。チキンコンソメ2個、塩で30分ほど茹で、仕上げにオレガノを振ります。(ナスはあらかじめ水に漬け、アクを除きます。)
(2019.10.09)
@アズキスプラウトのオジヤ
スプラウト(もやし)
オジヤは、すでに炊き上がったご飯から作り、カユは生米から作ります。アズキスプラウトは、農薬不使用と明示してある種から「おうちでベジ」(タキイ種苗)で育成。鍋にスプラウトを入れ、昆布だし(ヤマサ)と水を合わせて、20分くらい煮たところに炊いたご飯を入れ、5、6分加熱しました。まあまあかな。
(2019.10.10)
アクセントとして、普通のカルボナーラに、間引き菜のすぐき菜を軽くゆで、混ぜました。ソースは市販品。
(2019.10.13)
徳島産のサツマイモ。オーブントースターで美味しい石焼き芋ができます。入りやすく切ったサツマイモを標準240度、60分を目安にトースターに入れます。(我が家の機械は最大30分なので、2回に分けます。イモの大小、機械の具合によって、温度設定、時間設定は変わるかも知れません。美味しいですよ。
(2019.10.14)
今日の詩
@雲南百薬(うんなんひゃくやく)
中国原産に思えるが
中南米がふるさと。
その栄養価は
モロヘイヤをも上回る。
秋に白い花が咲くが
香りはジャスミンに似る。
ところが種からは増えず
実る零余子(ムカゴ)で増える。
ああ、面白き
この植物。
(2019.10.11)
今日の三句
門扉にて
佇む白き
蛾ありけり
(2019.10.11)
二階にて
♪威風堂々
台風後
なんとか台風19号をやり過ごしました。必要な物ともども二階に持っていき、夜が明けました。
いまだ浸水の危険性があるとはいえ、さわやかな気分で、エルガーの威風堂々(第一番)を聴きました。
(2019.10.13)
外出し
見たぞ畑が
池となり
持ち主、可哀そうですね。
(2019.10.13)
今日の雑感
それにしても、国土交通省は酷いものです。ダムには水を貯めて利用する(利水)ことと、洪水の調整をする(治水)ことの、おおきく2つの役割があり、現実の運用は、利水を優先する場合が多く、いざダムの水がたまりすぎてやっと「緊急放流」と言って、大量の放水をして、下流の水が過大になりすぎ、洪水、浸水の危険に晒されることが起こります。今回も、相模川上流の城山ダムなどで実施されました。私が都市工学科・衛生工学の学生のころから、かれこれ40年も変わらない水運用です。気象庁も管轄省庁が国土交通省であり、洪水を招く行為をする役所が、天気を予報すると言った矛盾を感じます。
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(2019.10.13)