虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

危険な人工甘味料・・・チクロからスクラロースまで

私は以前、人工甘味料スクラロースについてとり上げましたが、
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20091207:Slat(スラット):人工甘味料の落とし穴(スクラロース
私のブログに、これを含む飲料を飲んだら、下痢になった、という書き込みがありました。また、最近、この下痢の件でアクセスも増えたので改めて人工甘味料について見直してみます。7種の甘味料を挙げます。


 まず、下の一覧表をご覧下さい。(ここに、C:炭素、H:水素、O:酸素、N:窒素、S:イオウ、また、六角形はおおむねベンゼン環です、炭素は表示を省略されることが多い。)


次ぎは順番に――

1)チクロ  砂糖の30−50倍の甘さ。すっきりした甘さ。FDA(米国食品医薬品局)の調査で発ガン性、催奇形性が確認され、1969年、アメリカ、日本で使用禁止に。ただ、EU、中国、カナダなど50ヶ国以上は、現在も使用している。


2)サッカリン  1878年、ジョンズ・ホプキンス大学がコールタールの研究中に偶然発見。砂糖の500倍の甘さ。ただ舌がしびれることが難点。発ガン性を証明したという研究一例は否定されているが日本では食品への添加を制限している。動物実験あるいは実験の結果を過大評価してはいけません。実験は、ほぼ実験者の思い通りの結果が出ることが多く、サッカリンの毒性については、いまだ未解決だと思います。(データの捏造をしなくても、結果の最終判断で思い通りの結果になることが多いのです。)


3)アセスルファムK   1967年ドイツ人科学者カール・クラウスが偶然発見。
砂糖の200倍の甘さ。いろいろな条件について安定しているので、最近はアスパルテームに代わって使用される。2000年4月、食品添加物に指定。


以上3つは、構造がよく似ています。(一覧の赤字参照)「S(硫黄)を中心に酸素(O)が2つ、またチッソ(N)がくっ付いた」形で、同じような作用(体内にて)が想像できるではありませんか。チッソを分子内に含んでいるから、毒物である仲間が多いアルカロイドにも分類されるでしょう。
危険な物質であることの証です。おおむねベンゼン環を持つ点も共通しています。なかでもアセスルファムkは、6員環のなかにSとNが含まれ、相等「特殊な」化合物です。それに対し、想像力、類推力がないのが厚生労働省の官僚たちです。はたして化学をマジメに学んだのでしょうか?それとも、業界から賄賂を貰った?「火のない所に煙は立たない」です。

4)ソルビトール   バラ科植物の植物から発見された糖アルコール。砂糖ほど甘くない。

5)キシリトール   カバの木から発見された。砂糖と同程度の甘さでカロリーは60%。
虫歯の予防になることで有名。


まあ、以上2つはあんまり問題がないでしょう。


6)アスパルテーム   アミノ酸2つを合成したもの。「フェニルアラニンのメチルエステルと・アスパラギン酸」のペプチド結合。砂糖の200倍甘い。分解するとメタノールアスパルテームの10%発生することが問題だと思いますが、問題にしないのは過小評価だと思います。メタノール劇物です。・・・体を素通りするとされているこの物質に代謝の問題が起きるとは・・・
 また、レーガン政権になって、それまでアスパルテームを認可していなかったFDAの長官を解任し、ラムズフェルドの息の掛かったアーサー・ヘイズを長官にして、直ぐ認可して・・・という話があります。(タミフルといい、薬屋ラムズフェルドは商売が上手い。)この例のような利益優先の戦略をとる悪党が跋扈(ばっこ=うろうろたむろす)しているのですね。(ラムズフェルドは、イラク戦争当時のアメリカ国防長官。)
メタノールについて

日本ではエタノールを混合していないメタノールは医薬用外劇物であり、購入には毒劇物譲受書への署名捺印が必要である。 メタノールの致死量に関しては様々な報告があり、個人差が大きいと考えられるが、ヒト、経口での最小致死量は0.3-1.0g/kg程度であると考えられている。ヒトを含む霊長類の場合、メタノールはアルコールデヒドロゲナーゼによってホルムアルデヒド代謝され、さらにホルムアルデヒドヒドロゲナーゼによってギ酸に代謝される。ホルムアルデヒドの体内半減期はおよそ一分であり、ホルムアルデヒドからギ酸への代謝は迅速に行われるため、ホルムアルデヒドによる毒性はほとんど問題にならない。メタノールの毒性はギ酸による代謝性アシドーシスとニューロンへの毒性によるものである。ギ酸の代謝能力は種によって異なっており、げっ歯類に比べてギ酸の代謝能力に劣る霊長類はメタノールの毒性が強く出ることが知られている。
メタノール中毒による症状としては、目の網膜を損傷することによる失明がよく知られている。これは、ホルムアルデヒドがスコトプシンと結合してしまう(本来は同じアルデヒドであるレチナールがスコトプシンと結合してロドプシンを形成する)ことによって、桿体細胞を破損するためである(ギ酸が原因ではない)。また、ギ酸がミトコンドリアの電子伝達系に関わるシトクロムオキシダーゼを阻害するために視神経毒性が現れるとする意見もある。

   Wikipediaより

致死量は、だいたい一人当たり50gで、実際に飲まれる飲料・食べられる食品から摂取するレベルよりは相等高いが、危険な物質をあえて摂取する必要はないのではないかと思います。また、連日摂取して、代謝を止める機構が働けば、蟻酸ギ酸が体内で蓄積することにならないでしょうか?また、酒(エチルアルコール)にも微量のメチルアルコールが含まれ、これが限度を超えて摂取された時が命の終わる時。酒飲みもエチルで身を削る・・・「明るいチベット医学」(:大工原弥太郎・情報センター出版局:1988年初版)では、このような考察が出ています。(また、これは未確認情報ですが、他の食品でも、「アミノ酸含有」とあれば、アスパルテームである可能性が高いようです。歯磨き粉にも入っているとか。ただし、我が家の歯磨き粉をチェックしたところ、「サッカリン・ナトリウム」が配合されていました。食品でないから、混入されているのかも。)


7)スクラロース  1976年、イギリスのテイトアンドライル社が砂糖をもとに開発。砂糖の600倍の甘さがある。この分子100g中に塩素が26.7gも含まれ、加熱して138度になると、塩素系ガスを発生する。
 日本では1999年に食品添加物として認可、現在世界80カ国以上が使用している。

ただ、この物質が「有機塩素化合物」であることを忘れてはなりません。自然界に炭素原子(C)と塩素原子(Cl)が直接結合した化合物はほとんど存在しない。それが有機塩素化合物です。ダイオキシントリハロメタンDDT、PCB など禍々しい化合物たちの仲間なのです、このスクラロース
また、以前共産党の人が「スクラロースを実験動物に投与したところ、9匹の実験動物のうち4匹が流産した」との記録があるとし、そのひとは下痢が流産を促進するのでは、と厚生労働省に質問しています。(2003.6.23  しんぶん赤旗

 「♪思えば遠くに来たもんだ」(武田鉄矢海援隊)ですね。毒物を作る塩素を、わざわざ砂糖に添加して砂糖の600倍も甘い物質を作るのですから。スクラロースも、アスパルテームと同じく「体を素通りする」とされています。


ついで(有名なのに洩らしていた甘味料)
8)ステビオサイド  ステビアは、パラグアイなどが原産の、キク科の植物。現地では長いあいだ薬用植物とみなされていて、この植物からとれるのがステビオサイドなどの甘味料。砂糖の200−300倍の甘さがあります。糖尿病、高血圧などに効果がある。ステビオサイドは体内でステビオールに分解されますが、これが最終生成物質で、そのまま体外に排出されるようです。また、ステビオサイド発癌性を持つという噂がありましたが、いまでは否定されているらしいです。構成元素は、ソルビトールキシリトールのように、C、O、Hだけです。
http://www.chemicalbook.com/ChemicalProductProperty_JP_CB6469397.htm ←構造式はこのサイトから。



今日のひと言:思えば、飽食の時代の人類は、運動不足になりがちで、普通の砂糖(スクロース)を大量摂取して太るならと、カロリーゼロの飲料にひきつけられるのでしょう。でも、それは諸刃の刃、いつ新たな、甘味料がもとで健康障害がおきるかわかりませんよ。砂糖、特にブドウ糖という物質は脳の栄養として唯一のものであり、それを何の役にも立たないし、危険かも知れない甘味料に置き換えるのは、「愚か」なことです。これを、「文明病」と呼ばずになんと呼ぶのでしょうか? 今回のブログは、おおむねwikipediaを参考にしました。


また、ことし、2010年のノーベル化学賞に輝いた鈴木章さんと根岸英一さんの業績「クロスカップリング」が、アスパルテームの合成法につながった可能性もあるかも知れません。自然界にない物質を作るということは、健康障害を起こす物を作ることかも知れません。ノーベル賞の負の側面です。




今日の一首



カササギ
休むに見えし
ボロ傘か
広き田圃
突き刺さりおり