虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

邯鄲の夢など、「・・・の夢」とつく故事成語

以前、「@@の法則」と銘打って、自然科学の法則ではなく、社会科学の法則を並べたことがありますが、今回は「@@の夢」と表現される文言を挙げてみます。思い出すままに・・・(より正確に言えば、「の夢」というキーワードでググったのです。大抵は記憶にありましたが。)


http://d.hatena.ne.jp/iirei/20150915#1442267344

 :「@@の法則」〜色々な分野での「定理」



(@を文頭につけて、そこから引用を始めるという印にします。)



@邯鄲の夢


【読み】 かんたんのゆめ
【意味】 邯鄲の夢とは、人の世の栄枯盛衰は、はかないものであることのたとえ。
【邯鄲の夢の解説】
【注釈】 「邯鄲」とは、中国の戦国時代の趙の都市のこと。
盧生という貧しい若者が、邯鄲で呂翁という道士から不思議な枕を借りて一眠りしたときに、紆余曲折を経て立身出世を極めるという体験をした。
しかし、それは実際には店の主人が炊いていた黄梁もまだ煮え切らないような、ごく短い間の夢にすぎなかったという伝説に基づく。
【出典】 『枕中記』
【注意】 −
【類義】 一炊の夢/邯鄲の枕/邯鄲夢の枕/黄梁一炊の夢/黄梁の夢/南柯の夢/盧生の夢


http://kotowaza-allguide.com/ka/kantannoyume.html



@南柯(なんか)の夢


はかない夢。また、栄華のむなしいことのたとえ。槐夢(かいむ)。槐安の夢。
[補説]昔、中国で、淳于棼(じゅんうふん)という人が、酔って古い槐(えんじゅ)の木の下で眠り、夢で大槐安国に行き、王から南柯郡主に任ぜられて20年の間、栄華をきわめたが、夢から覚めてみれば蟻(あり)の国での出来事にすぎなかったという、唐代の小説「南柯記」の故事から。

https://kotobank.jp/word/%E5%8D%97%E6%9F%AF%E3%81%AE%E5%A4%A2-590367



胡蝶の夢


【読み】 こちょうのゆめ
【意味】 胡蝶の夢とは、現実と夢の世界の区別がつかないことのたとえ。また、人生のはかないことのたとえ。
胡蝶の夢の解説】
【注釈】 「胡蝶」は蝶の美称。
中国、戦国時代、思想家である荘周が胡蝶になった夢をみた。
自分が夢の中で蝶になったのか、それとも夢の中で蝶が自分になったのか、自分と蝶との見定めがつかなくなったという故事から。
荘子・斉物論』にある「荘周夢に胡蝶となる。栩栩然として胡蝶となり、諭びて志に適う。周たるを知らざるなり。俄然として夢から覚むれば、すなわち、遽遽然として周なり。周の夢に胡蝶となるか、胡蝶の夢に周となるかを知らず」とあるのに基づく。
胡蝶の夢の百年目」は、晩年に人生を振り返ってみて、夢のようであったと思うことをいう。
【出典】 『荘子
【注意】 −
【類義】 荘周の夢/南柯の夢

http://kotowaza-allguide.com/ko/kotyounoyume.html



@華胥の夢


読み方 かしょのゆめ
意味 良い夢のこと。
または、昼寝のこと。
「華胥」は夢の中にある理想郷。
中国の伝説の聖天子の黄帝は、昼寝をしていると華胥という国に行く夢を見た。
華胥では、人民に不満などが何も無く、理想的な政治が行われていた。
夢から覚めた黄帝は、その国を見習った政治をすると、自国をうまく治めることができたという故事から。
出典 『列子』「黄帝
類義語 華胥之国(かしょのくに)


http://yoji.jitenon.jp/yojih/3937.html



@巫山の夢


読み方 ふざんのゆめ
意味 男女の交わり、情交のたとえ。
「巫山」は中国の四川省湖北省の間にある山の名前で、女性の神が住んでいるとされている。
中国の戦国時代の楚の壊王が昼寝をしていると、夢の中で巫山の女性の神と情交して別れ際に、「朝には雲となって、夕方には雨になってここに参ります」と言ったという故事から。
出典 『文選』宋玉「高唐腑」

http://yoji.jitenon.jp/yojif/2504.html


かれこれ5つの故事成語を挙げましたが、どうもこれらの故事成語は、儒家儒教)的というより、道家道教)的なもののように思います。「ああしなければならない・こうしなければならない」とするのが儒教的だとすれば、ここで挙げた5つの「夢」は「ああしなくても良いんだ、こうしなくても良いんだ」という道教的な境地を指すものと考えます。実際、5つの故事成語のうち、2つの夢ははっきりと、「荘子」「列子」と道家の教本が出典です。



今日のひと言:「夢判断」といったフロイトの著作、かなりエロティックな描写があるのでしょうね。私は読んだことがありません。


(なお、今回の引用は、元の資料が表のような感じでしたが、ブログの表示に変換すると、普通の文字列になりましたので、そのまま掲載することにしました。すなわち転載ではないと。)



胡蝶の夢 全4巻セット

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邯鄲の夢―中国―詩と歴史の旅

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通俗巫山夢

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熱血! 故事成語道場1 (朝日小学生新聞の学習まんが)

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中国古典名言事典 (講談社学術文庫)

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故事成語で読み解く 中国経済

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今日の一品


@高野豆腐の煮物・セリ添え



高野豆腐を膨らせ、昆布だし(ヤマサ)と醤油で煮て、セリを入れて風味の足しにしました。

 (2017.03.13)



カルボナーラ風セロリ



弟作。風味のきついセロリ。市販のカルボナーラ・ソース、塩、カツオ節で、セロリを煮ました。きつい風味がマイルドになりました。

 (2017.03.14)



@まろやか豆乳たっぷりスンドゥブ



朧豆腐のような市販の韓国料理。相模屋製。「ひとり鍋」。醤油、コチュジャン、味噌、砂糖その他の調味料入り。問題のある人工甘味料は不使用でした。レンジで温め。ふわふわ・あつあつで美味でした。


http://d.hatena.ne.jp/iirei/20101102#1288654476

  :危険な人工甘味料・・・チクロからスクラロースまで

 (2017.03.17)





今日の詩(3編)


@あの頃、国分寺


私は大学を出たが 就職しなかった
国分寺市にあった有機農産物を売る
八百屋でアルバイトしていた。


ウイークデイの他日曜日は私一人で詰めていた
一日店番していると色々な人が来た
そこから広がる世界は大変面白かった。


オシャレな八百屋の店主。
朗読会を開く世界を旅する詩人。
凄腕の鍼灸師


シチズンに勤めるデザイナー。
武蔵野美術大学卒の芸術家の卵(女性)。
呑み屋の空恐ろしい話術の天才マスター。


・・・それぞれ一癖も二癖もあった人達
今は日本各地に散り散り
あの熱気は何だったのか?

 (2017.03.15)





@尋常高等小学校



自転車で街を見ていたところ
目に入った「太田尋常高等小学校」。
おお、なんと古めかしい石碑。


この名称は戦時中なら「国民学校」で
それ以前には現在の中学校1、2年生が
学ぶ学校だったという。


校舎も瀟洒
生徒は思う存分勉学に励んだのだろう。
現在は普通の小学校だ。

 (2017.03.16)




@五感


良く視るなら 目を凝らす
良く聴くなら 耳を澄ます
では良く嗅ぐなら なんと言う?
沈丁花の匂いを満喫したい私。

 (2017.03.19)

付記:あとで気付いたのですが、嗅覚は「鼻を利かせる」「鼻が利く」あたりが妥当ですね。
  (2017.03.22)






今日の一句


山削り
建てたる墓や
参り兼ね



車窓からの景色。急坂にある墓の群れ。

 (2017.03.18)