虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

化粧するご飯〜光沢剤・精米改良剤・炊飯改良剤

以前、テレビを見ていたら、古紙を使ったトイレット・ペーパーについて「汚そうだから使いたくない」と言う男性がいました。もしかしたら、ヴァージン・ペーパーの白さに比べ、褐色ぽいからその発言をしたのかも知れないですが、いかにも文明人の傲慢さを表明する言葉だったと思います。


さて、米(ご飯)も、白いご飯は今でも大切にされていますが、消費者がそんな心理を持つことに呼応して、販売する側も、ある意味、禁じ手を使います。


それについては、以前も取り上げたこともある「知らずに食べるな!中国産」(宝島社)によれば、日本に輸出する米について、中国では古米に「光沢剤」を使っています。


http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080131 :中華民族は「食」で滅びる・・・餃子だけではない!!


「米は数年前の古米にツヤをつけて高く売るケースがほとんどだ。米の表面にツヤを出させるには、工業用光沢剤やワックスで加工しなければならない。工業製品の製造に用いられる光沢剤は食品の製造に使うことはできず、人体に入ると消化器系や神経系に悪影響を及ぼす。ひどい場合には命を落すこともある。」(24P)


そんな訳で、わが家では間違っても中国産の冷凍食品などは買いません。でも、日本国内においても、何らかの偽装が行われていたら?・・・その危惧を表明したのが、以下のブログです。


http://mursakisikibu.hatenablog.com/entry/2013/04/15/084606


このブログでは、「精米改良剤」「炊飯改良剤」などの薬物が、やはりご飯の「見た目」を大事にする人たちに「白い新米」であることを強調するため、古米に添加されていて、特に「コンビニおにぎり」「コンビニ弁当」は要注意であるとのことです。(もっとも、古米が白く見えないかと言うと、充分に白いのですが。)


以下、この2つの添加物について書いていこうと思います。


まず「精米改良剤」


玄米に噴霧して精米、プラスチック新米。合成甘味料、リン酸塩、
プロピレングリコール等を添加
 平成16年2月7日付日刊ゲンダイの「怪しい食品危ない食品? 食品と暮らしの安全基金」に以下の内容の記事が掲載された。
 精米改良剤は、古米が精米時に割れるのを防ぎ、古米特有の臭いを消し、甘みを付け、白い光沢を増すために用いられる。その成分には、植物性油脂のほかに、次のような添加物が使われている。
合成甘味料のD−ソルビット:甘みと保湿効果。
品質改良剤のリン酸塩 :古米を粘着して割れにくくする
プロピレングリコール :白い光沢。石油を精製して得られたプロピレンに高圧をかけ液体プラスチックのようにした物質で、0.6%まで認められている。


http://www.k4.dion.ne.jp/~eco-88/index2.html

プロピレングリコールは毒物です。



低用量では生物への毒性が低く、また無味無臭であることから、保湿剤、潤滑剤、乳化剤、不凍液、プラスチックの中間原料、溶媒などとして用いられる他、保湿性や防カビ性に富むことから医薬品や化粧品、麺やおにぎりなどの品質改善剤等、広範囲で用いられている。
医薬品としては、注射剤・内服薬・外用薬の溶解補助剤として調剤に用いられている。
毒性:
哺乳類に対するLD50は経口(5種類の生物)で 18〜24 g/kg と報告されている。皮膚および眼に対して軽度の刺激性を持つ。低用量では慢性毒性が見られないとされる。

(wikipedia)

プロピレングリコールを使ったあとの「米ぬか」は、産業廃棄物になるのでしょうね。とても糠漬けなどで食べることはできないでしょう。(ここに、LD50とは、実験動物が半数=50%死んでしまう投与量のことです。)



次に「炊飯改良剤」。



特許請求の範囲
【請求項1】 酢酸含有炊飯改良剤を炊飯前に添加して炊飯米のpHが5.0〜6.2となるように炊飯する際に、グリシンを生米当たり0.0005〜0.05重量%添加することを特徴とする、品質の優れた炊飯米の製造方法。
【請求項2】 酢酸100重量部当たりグリシン0.3〜500重量部を含有し、かつpH1.6〜5.0である酢酸及びグリシン含有炊飯改良剤。
【請求項3】 請求項2記載の酢酸及びグリシン含有炊飯改良剤を炊飯前に添加して炊飯米のpHが5.0〜6.2となるように炊飯することを特徴とする、品質の優れた炊飯米の製造方法。

http://www.patentjp.com/13/A/A100133/DA10007.html


これは、ミツカングループの特許です。ここにでてくる「グリシン」というのは、必須アミノ酸の一つですが、やはり大目に摂取するのは、宜しくないと思います。



「脳や肝臓に存在するグリシン開裂系の酵素の遺伝的な欠損により、体液中や脳にグリシンが大量に蓄積することにより発症する先天性アミノ酸代謝異常症のひとつである高グリシン血症を引き起こす。グリシンは中枢神経系で神経伝達物質として働くため、グリシン蓄積が重篤な神経障害をもたらす。」(wikipedia)




今日のひと言:見た目ばかり気にして生活(食事も含む)していると、酷いしっぺ返しを受ける気がします。私も、少なくともコンビニおにぎりだけは食べないことにしました。「ご飯に添加物なし」といえども、しっかり添加しているではないですか。とても信用できません。


日本の食糧が危ない (岩波新書)

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食が危ない! (PHP Paperbacks)

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食品のカラクリ 知らずに食べるな中国産 (宝島SUGOI文庫 A へ 1-72)

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今日の料理


@マッシュポテト・リンゴ入り、改良版



http://d.hatena.ne.jp/iirei/20131215#1387062389

で書いたマッシュポテトですが、whitewitchさんのアドバイスで、リンゴの赤い皮も込みでジャガイモのつぶしたのに和えました。彩りがいいです。

 (2014.01.05)



@ヒジキとクコの実の炒め煮



栄養豊富な海藻・ヒジキ。我が家では保存食として常備していますが、黒いヒジキに赤いクコの実を合わせて一品にしました。ただ、ヒジキには石が混入していることもあるので、底に沈んだ石を取らないようにして下準備をしています。プラス油揚げ。

 (2014.01.06)




今日の二首


十年も
咲き続けたる
マッソニア


夏は断水
秋に目覚める


マッソニア・ロンギペスは、ユリ科の植物で、乾燥に強く、多肉植物に準じるとされます。私は「サカタのタネ」から10年以上前に購入したのですが、毎年、良い芳香の花を咲かせます。

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20081225#1230167759  マッソニア・ロンギペスの生育過程

を参照してください。

 (2014.01.06)




コウゾの木
張りすぎたりて
刈りにけり


無制限にて
伸びるものなり




私が純粋な紙漉きをやっていたころ、近郊の紙漉き屋さんにコウゾを分けてもらったものですが、その内の一株が育ちすぎ、今日弟の協力を得て、枝を打ったり、幹から切り倒したりしました。
かなり、手ごたえがありました。時間がたてばどんどん大きくなる、これは木の特徴ですね。


http://d.hatena.ne.jp/iirei/20131230#1388337493  参照。

 (2014.01.07)




今日の一句



さあ稚児よ
ぞんぶん遊べ
麦の畑


現在、それとなく息づいている麦。麦踏といい、ローラー車で踏みつぶして「いじめる」のが恒例ですが、子供(稚児:ちご)が畑で遊んでも問題ないはずですね。ただ、今の子たちは野外で遊ばない・・・

 (2014.01.07)