スズメバチの恐怖
私はスズメバチにやられたことがあります。
かれこれ20年近く前、群馬県の某所で山暮らししていた際、杉の世話をするため山道を歩いていたら、突然、桐の木の「うろ」からスズメバチの群れが飛び出してきて、7,8箇所刺されました。8月のはじめのことでした。木の「うろ」も、スズメバチのカッコウの巣になるのですね。私が大地を揺らす振動に反応したらしいのです。家に帰ってしばらく寝込んでいました。
いつも通る道なので、山のオバサンに協力を求め、蜂の巣退治に行きました。町役場には当時、ハチの被害に対処してくれる部署はなかったので、自助努力をするしかなかったのです。
当年8月8日午前8時(8が3つ並ぶ)に集合して、オバサンと2人で出撃です。
退治の基本は巣を焼払うことでした。カッパを着込み、長靴を履き、頭部もタマネギネットとヘルメットなどで防護して石油、新聞紙などを持って行きました。近寄ってくる蜂には、キンチョールは有効でしたよ。(もちろん、キンチョールさえあればいいというわけではありません。)とにかく巣に近づき、焼払いました。・・・その年はあちこち3回駆除しました。当たり年ですね。雨の少ない年だったと記憶しています。
ああ、カッパを夏に着こんで暑かったです。以上は、山でのみ有効な手かも知れません。家が焼けたらNGですものね。なお、スズメバチの種類は不明です。
今年は、アシナガバチの巣の駆除を業者に委託しました。7月15日くらいに弟が気づき、業者に連絡をとったのです。電話帳の分類では「消毒業者」。1万円で処分してくれました。それがこの月の18日。この巣は、春ごろから作られていた、という業者の情報でした。
それにしても、スズメバチを駆除していたひとが、なんでアシナガバチの駆除を自分でやらないのか、と思われるかも知れませんが、私はすでにスズメバチに刺されているので、こんど刺されたら、アレルギー反応が出て、命が危ないからなのです。
業者の人も、仕事がアシナガバチなら楽に構えられますが、スズメバチが相手だと、緊張する(あるいは怖いと思う)とのことです。これは、正直なところか、と思います。
なお、スズメバチなどの毒成分については、以下の引用をご覧ください。
ハチ毒はアミノ酸をベースにした化合物で,人に対して強い生理活性を持っています.成分は大きく分けてアミン類,低分子ペプチド,酵素類の3つの区分されます.刺された時の激しい痛みはセロトニンやヒスタミンなどのアミン類や,ハチ毒キニンなどにより引き起こされます.スズメバチの毒成分には,他の生物毒に比べてセロトニンの量が多いことが特徴です.セロトニン含量が最も多いのは大型で攻撃性も強いオオスズメバチですが,濃度は”刺されると最も痛い”と言われているチャイロスズメバチが一番高くなっています.
その他には,肥満細胞に作用し,ヒスタミンを遊離させる働きをする成分や,血圧降下,平滑筋収縮,組織破壊などを引き起こす成分が含まれており,これらが原因となってさまざまな症状を引き起こします.ハチ毒にはホスホリパーゼAやヒアルウロニダーゼなど多数のアレルゲンが含まれており,分類学的に近縁関係にあるスズメバチとアシナガバチでは,共通する成分も少なくありません.
毒の強さ(LD50値:mg/kg)は,意外にも攻撃性の弱いセイヨウミツバチとヒメスズメバチが 2.8と最も強く,キイロスズメバチが 3.1,オオスズメバチが 4.1となっています.
ハチ刺傷により発現する症状の程度は,単に毒性の強さだけではなく,毒の量や濃度にも大きく左右されると考えられます.
以上http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/vespa053.htm:都市のスズメバチ
より。スズメバチの他、アシナガバチ、ミツバチの毒には、セロトニンやドーパミンのような、脳内伝達物質が含まれているのは、面白いことです。毒性分の一覧表は同ブログでご覧ください。
なおここで触れられているLD50というのは、毒を盛られた生物の半数が死亡する毒成分の濃度のことです。この濃度が小さいほど、毒性が強いんです。
今日のひと言:自然万物への脅威として生まれてきたのがスズメバチだと思います。実際、かれらは、自分の巣を守るそれだけの本能で動いているのだと。業者さんによれば、秋から冬にかけてのスズメバチは、もっとも危険なのだそうです。
なお、危険な生き物は、黄色と黒色のラインがついていることが多いですね。虎とかハチなど。警戒色ですね。中国哲学的に解釈すると、天の色=黒、地の色=黄で(易経)、天と地のような非情さを表すと、老子なら言うでしょうね。(老子第5章)

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