虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

尭(ぎょう)・舜(しゅん)・禹(う)〜〜古代中国の三皇帝(散文詩

 *尭(ぎょう)・舜(しゅん)・禹(う)〜〜古代中国の三皇帝(散文詩




 古代中国の三皇帝
 尭は、容器に土を盛ること
 舜は、そこに生える朝顔
 禹は、それに飛んでくる昆虫
 彼らは禅譲を行なった。



(↑以上は韻文詩です。これから散文詩。↓)




古代中国の神話には、いろいろな王が登場しますが、ここに挙げたのも彼らのうちの3人です。(ほかに、フクギ(難読漢字なので略)、神農、黄帝などがいて、三皇五帝などともいわれます。)


尭(ぎょう)は、容器(兀)の上に土を盛上げることを意味します。沢山の土なので3つ土が並んでいます。


舜(しゅん)は、そこに生える朝顔です。


禹(う)は、朝顔に飛んでくる虫のこと。


尭・舜・禹で、一連の園芸作業を意味するのです。そのように、「自然なままに」王位は継承されたというわけです。この知識を、私がどのように仕入れたかと言うと、大学時代に、講談社の「大字典」を紐解いていたからです。ただ字典を念入りに読み、イメージを膨らませると、このような、漢字に隠されたエッセンスが解るのです。漢字のいわれには、非常に興味深いものがあり、その意味するところ絶大なものがあるのです。まあ、このエピソードは農業、養蜂業にとっても重要な営みですね。


なお、「禅譲(ぜんじょう)」というのは、争いもなく先王が後王に王位を譲渡することをいいますが、
尭・舜・禹の場合は、今見てきたように争いもなく王位が継承されています。「禅譲」です。そこで禹は夏(か)王朝の始祖になります。(禹以降は血族が王位を継承することになりますね。これって、要注意です。)これに対して、実力で先王を排除ないし殺して王になることを「放伐(ほうばつ)」といいます。夏の桀王(けつおう)、殷の紂王(ちゅうおう)が、排除された当事者として有名です。


 彼らの言行を記した書経尚書)は、四書五経の一つです。なお、高校の漢文でやりますが(今ではどうだか解りませんが)、「鼓腹撃壌:こふくげきじょう」として、民衆が腹を叩いて、地面を打って、王の業績を知らずに「我々が豊かなのは王様の力ではない」と歌っている場面は有名ですね。これを聞いた尭は満足して、にっこり笑ったとのことです。このような君子を老子はその17章で褒め称えています。いわく: