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*ロジスティクス
2007.03.13 森下礼
流通業界ではよく知られた言葉でしょう。でもこの言葉は本来戦争時に使われる言葉であり、ロジスティクス(logistics)という言葉が、英語の表現であり、日本では兵站(へいたん)と昔から言われています。
ロジスティクスの概念は近代西欧で生まれました。簡単に言えば物資の補給活動のことです。
参謀(staff)の職種には3種類あり、作戦、情報、ロジスティクスです。旧日本軍では幹部候補生はもとより華々しい「作戦」参謀になりたがったものですが、西欧では最優秀なものはロジスティクスを志したといいます。
以前友人と電話で会話して、太平洋戦争時の、ガダルカナル島攻防戦を巡って紛糾しました。この島では、日本側の物資が届かず、直接の戦闘による戦死者より、餓死者、マラリア感染による病死者が多く出たので有名です。必要物資が届かなかったためです。友人は「輸送船団が沈んだ」と言っていましたが、私は「輸送船団は沈められた」と強調しました。このニュアンスの違いを、友人は最後まで理解できませんでした。それは、当時の日本陸・海軍も同様でした。
自らの補給は万全にしておいて、敵の補給をズタズタにすることが勝利への近道なのです。そう、輸送船は「沈んだ」のではなく「沈められた」のです。ロジスティクスさえしっかりしていれば、作戦部門がちょっとばかりヘボでも、華々しい戦闘をせずとも、「真綿で首を絞めるように」必ず勝てるというのが西欧の戦争思想なのであり、ロジスティクスこそが戦争の根幹作業なのです。
私は以前在籍していた環境化学分析の会社ではロジスティクスに相当する作業をやっていました。ダイオキシンの分析において、実験に必要とされる器具をぬかりなく洗浄・乾燥し、次の実験に備えたわけであり、私がそれをやる前は器具がおうおうにして間に合わず実験が滞っていたので、同僚には感謝されました。物資の補給という意味ではまさしくロジスティクスでしょう。
現在、日本の自衛隊はイラクにおける海上ロジスティクスを分担しており、第二次世界大戦のころよりはこの分野の重要性が解ってきているかな、との感があります。なお、ロジスティクスについての理解に、「ロジスティクス」(谷 光太郎:同文書院:1993)をお奨めします。
今日のひと言:ロジスティクスは戦争の最重要分野です。それを分担している日本の自
衛隊は現実的にイラク戦争に加わっていると言ってもいいでしょう。そういえば、陸上自衛隊は引上げても航空自衛隊がロジスティクスに加っていますね。「後方支援は戦闘行為ではない」という日本人の持つコンセンサスは、正しい戦争像ではありません。
太平洋戦争での日本の敗因の、最大のものはロジスティクス軽視だと思います。
インパール作戦、ガダルカナル島攻防戦、鍵を握ったのは、ロジスティクスです。
グーグルの、面白い利用をなさっているブログにTBです。ciro日記。
http://d.hatena.ne.jp/ciro/20070309
以下は再録。