*ヴァイキング(バイキング)に支配された2民族:イギリス、ロシア
どちらも、世界的な規模を誇る民族です。私は過去ログで、かれらの音楽を高く評価し
ましたが(http://d.hatena.ne.jp/iirei/20060201)、ここでイギリスは国土が狭い、ロシアは寒いといったハンディを背負ってきたのだから、お互いを認めあうべきである、と書きました。イギリスがアメリカに覇権を渡した今でも、アングロサクソン民族とロシア民族は、今でもお互いを尊敬しあうべきだと思うのです。さて、この両民族の発展の歴史を追っていきましょう。
1) 屈服の時代
ロシアの前身は、スウェーデン・ヴァイキングの侵入から始まる。812年、リューリクがノブゴロド公国を建設し、ロシア人民と同化する。Rusという言葉は、Rassia(ロシア)の語源になりました。
一方、イングランドは、デンマーク・ヴァイキング(ノルマン人)の侵攻を受けて屈服し、以後両者の同化がおこる。ただし完全にノルマン人の影響を脱したのは20世紀。
2) 一方の再屈服と一方の挫折
1243年、ロシアはモンゴル人の侵略を受ける。これは1480年、イヴァン3世がツァーリ(皇帝)の称号を使うまで続く。
1339年から1453年まで、イギリスはフランスとの百年戦争に敗れる。
3) 発展の時代
1682年、ピョートル大帝即位。(ロシア)
1689年 権利章典(イギリス)
4) 激突の時代
中央アジアの覇権をめぐって、両国が対立した事態を「グレート・ゲーム」と呼びます。1813年から1907年(英露協商)まで続きます。
クリミア戦争(1853−1856)
冬に港が凍るロシアは、不凍港を求めるという衝動があります。地政学的に言うと、ロシアはランドパワーの国であり、イギリス、フランスはシーパワーの国です。この2勢力が激突したのがこの戦争で、ロシアは完敗します。まあ、当時は陸路を大量に物資を運ぶ手段がなく、船からいくらでも物資を運べるイギリス、フランスに負けたのですね。今なら、鉄道という手段で物資は運べるので、勝敗の行方は分からなくなっていますがね。なお、この戦争の際、近代看護術を生み出したナイチンゲールが活躍しています。
西がだめなら東に不凍港をもとめたロシアは、日本と日露戦争(1904−1905)を起します。この時、イギリスはスエズ運河の通過をロシア・バルチック艦隊を認めないなどの側面援助をして、日本の完勝におわった「日本海海戦」を演出したのです。
今日のひと言:いまでも、アングロサクソン民族とロシア民族は反目しています。どうして、お互い認めあわないのでしょうか。それにしても、ノルマン人というのは、剽悍な民族だったのですね。被支配者のライバル心を起させるような。
この2つの民族は、音楽的にも優れた業績を上げた音楽家がいます。繰り返しになりますが、
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20060201
で書きました。
また、ロシア近代化の父:ピョートル大帝について、以下の過去ログがあります。
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070224
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