半発明――トッテの取れるTifal(ティファール)♪
*半発明――トッテの取れるTifal(ティファール)♪
たまにTVのCMとして放送されているのが、このティファールのCM。(最近、ちょっとヴァージョンが変わったみたい。)
普通のナベがトッテを持っていることを逆手に取って、トッテが取れることで、主にナベが収納しやすくなることを売りにしたナベです。
もともとナベにはトッテが「付き物」であり、容器とトッテがセットになってこそのナベだったはず。その意味でTifalのナベは「半発明品」と呼べるでしょう。なんだか、発明の途上で留めているといった感じです。
このような話は他にも例があり、「半ぎりスリッパ」が一時飛ぶように売れたそうです。これは主婦の発明で、スリッパの「かかと」部分を切ることによって「つま先立ち」をすることになるので、ダイエットになる、という発明意図のものでした。
でも、考えてみれば自宅にある普通のスリッパを切ればいくらでも「半ぎりスリッパ」になるのに、わざわざ「半ぎりスリッパ」を購入した主婦が多かった点に、私は愕然とします。
そもそも「発明」とは何なのでしょう?生活が便利になった一面、洗濯機は「水から主婦を離れさせ」、テレビは「一億総白痴化の道具」(大宅壮一)とも言われました。発明は、ポジティブな側面だけでなく、ネガティブな側面も持つのだと思います。物によりかかればよりかかるほどバカになる、という訳です。遡れば、「文字」の発明自体でさえ、自然界の精霊に対してだけでなく、人類そのものにとっても「諸刃の刃」である、という説話が古代中国にあるぐらいです。呉智英(くれ・ともふさ)氏の著作でこの話は触れられています。
「半発明品」(完成品からみれば中途半端なもの)がもてはやされるのは、人々のなかで「発明」という概念が混乱しているからだと思えてなりません。
私は生活上、いろいろ工夫をしますが、それは今現在あるものを組み合わせることであり、特に発明をしようとは思いません。私に発明家の素質はありませんね。人をも、自分をも、「バカにする」積もりはないからです。
あ、そうだ、そう言いつつ、Tifalは持っていませんが、圧力鍋と保温調理鍋は活用しています。この2つは立派な「発明品」ですね。圧力鍋は「高温高圧殺菌器(オートクレーブ)」、保温調理鍋は「魔法瓶」の応用です。最近「活力鍋」という製品を聞きますが、これって「圧力鍋」と同じものかな?
株式投資の世界でも「発明」はありますね。でもこの種の発明はしばらくしたら違法になるものが多く、違法になるまえに稼ぐのが、プロの投資家なのでしょうね。「ヘッジ・ファンド」みたいな。もっとも、あんまり気分のいい業種ではないんですけど。(以上、取りとめのないお話。)
なお、工業所有権の諸法令4法・・・特許法、実用新案法、意匠法、商標法には、もちろん「半発明」という概念はなく、私の造語ですが、「中途半端さ」をよくあらわしていると思います。このブログで挙げた発明(ティファール、半ぎりスリッパ)は、まあ、実用新案といったところに落ち着くでしょうか。
今日のひと言:湯川秀樹が「中間子理論」を発表したとき、欧米の学者の一人が「日本人
は素粒子を発明するのが好きだな」と揶揄したが、どっこい、これは発見だった、という落ちが付いた。
今日のひと言2:世界最大の蚊・・・アメリカ。日本は、人体より大きなアメリ蚊に取り付かれている。誤解されているが、アメリカは鷲(ワシ)ではない。蚊なのだ。媒介する伝染病は「基軸通貨ドル熱」。イラクはこれがもとで死んだ。イランは予防に躍起である。(予告編)