太平洋戦争当時の帝国職業軍人は官僚と化していた。+日本人と宗教(随想録―47)
太平洋戦争当時の帝国職業軍人は官僚と化していた。+日本人と宗教(随想録―47)
東条英機にもっとも典型的に見られるのだが、当時の軍人は、「軍人にあらずして、官僚だった」と言えよう。東条は細かな陸軍の細則には精通していたが、発想力に乏しく、教条的な行動を旨としていた。この男、精神論は大好きで、軍がOR(オペレーショナル・リサーチ)を研究する部門に視察に訪れたのだが、翌日にはこの研究部門を廃止した。まさに、この実戦的な部門の領域の軽視が、アメリカ軍の絶対優位を招いたのだ。アメリカ軍には精神主義は通用しなかったのだ。官僚のような軍人が戦に勝てるわけがない。
このような傾向は、海軍でも見られ、山本五十六を連合艦隊司令長官にしたのは、海軍における先輩の米内光政が、反戦派だった山本が暗殺されないための情実人事を行った結果だ。そして山本はミッドウェイ海戦で大敗したが、その惨敗の原因は自分にある、と言ったのみで、職を辞さなかった。これも官僚的だ。
一方、明治期にロシアとの日本海海戦で勝利を収めたのは、これも人事が絡んでいる。当時の連合艦隊司令長官の日高壮ノ丞は勝ち気で、中央からの命令を聞かないおそれがあると見た海軍大臣:山本権兵衛が日高を解任し、東郷平八郎に替えた。これが功を奏したのだ。このときの司令部は、確かに軍人の集まりだったと言えよう。
官僚に任せては、戦争には必ず負けるという教訓があると言えようか。私がよく思い出すのは、故:半藤一利さんが「山縣有朋が日本陸軍を滅ぼした」と彼の著作に書いていたこと。国家権力を一身に集めたかった彼は、陸軍の実権を手放そうとはしなかった。さらに、高級文官試験を導入したのも山縣だ。いまの上級国家公務員試験になる。モリカケサクラ問題で、文書を隠蔽し、安倍晋三を助け、その後栄転した佐川某などは、だから立派な官僚なのだ。官僚は、国民など見ずに、内閣総理大臣にのみ責任を負うわけだ。
(2022.09.23)
日本人は、宗教のチャンポンを止めろ!
日本人ほど、宗教に節操のない民族はいない。結婚式は神道、葬式は仏教、クリスマスやハロウインはキリスト教。上手く使い分けているとも言えるが、これは節操がない、とも言えるだろう。どれも真剣に信仰しているとは言えまい。
キリスト教に限って言えば、クリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝うというより、恋人を作ったり、維持したりするための小道具だし、ハロウインは、ただ集合して遊んで騒ぐだけの口実に過ぎない。かといって、キリスト教最大のお祭り「復活祭:イースター」で、一般の日本人がこれを祝うという話は聞いたことがない。そもそも日本人にはわかりにくい移動祝祭日なので、まあ、スルーしちゃうのだろう。(春分の日の後の最初の満月の直後の日曜日)
日本人は、宗教というものを、知らなさすぎる。
(2022.10.31)
今日の詩
自動車(詩)
自動車―1
新築の家に2台の自動車がある。
メーカーも、車種も、色も同じ。
自動車ナンバーも、「ひらがな」の部分を除くと
他は同じだ。
ペア・ルックならぬ
ペア・ナンバー。
よほど仲の良い夫婦なのだろう。
――ああ、くだらない。
(2022.10.19)
自動車―2
霊能力者:エドガー・ケーシーは
自動車は魂であるとした。
夢で自動車が現れると、
それは魂そのものであると述べた。
私は自動車には乗らぬが自転車には乗る。
私には、魂がないのだ。
朝早く、寝ぼけているような時、
駐車している自動車によく当たった。
持ち主たちは必ず激怒した。
「たかがこんなものにプライドを置くなんて」
と、こころの中では思うが、
私はひたすら低姿勢で謝る。
(2022.10.19)
今日の7句
二番穂の
伸びても刈らず
打ち捨てる
収穫後の稲にも実がなりますが、収穫はしないようです。
(2022.09.24)
赤と青
対比するなり
像と花
(2022.09,24)
白キノコ
たぶん有毒
なるべしか
(2022.09.24)
カタバミの
紫の葉と
黄色花
(2022.09.25)
繁茂する
ツルドクダミに
ツボミかな
薬草で、根かいを薬にします。タデ科の植物。
(2022.09.25)
近く咲き
干渉しあう
アサガオ花
(2022.09.26)
今日からに
香り放てり
金木犀(きんもくせい)
記念すべき日。
(2022.09.27)
夕陽に映える黄金の金木犀
(2022.09.30)