新島襄の気概〜同志社大学の設立
教育特集その2(2回シリーズ・結)
新島襄(にいじま・じょう:1843−1890)と言えば、日本で早い時期に大学を設立した人として有名ですが、46歳で亡くなるまで、教育者とキリスト教の伝道師、文明批評家として世に警醒を行った人です。じつに早世の人でした。今年のNHK大河ドラマ「八重の桜」に登場していたのを、はじめて見知った人も多いのではないでしょうか。
彼は、上州(群馬県)安中藩・藩士の息子として江戸で生まれていますが、上州の有名人・風物を読み込んだ「上毛カルタ」でも取り上げられ、「平和の使い・新島襄」とあります。
新島は、函館から、アメリカ船に乗って密航し、アメリカでさまざまな学問を学びますが、なかでも、欧米の文明の基礎であるキリスト教に帰依し、日本もこれに拠らなければ亡国に至る、との確信をもって帰国後、キリスト教をベースにした学校・・・同志社英学校、同志社女学校、同志社神学校などを、アメリカのキリスト教会(アメリカン・ボード)の寄付を得て設立しました。
彼の言葉で、教育関係で印象に残るのは「東の東大、西の同志社」と並び称される大学の必要性を強調していたことでしょう。東大は、官製大学で、庶民に「上から目線」を浴びせる官僚を養成する大学であり、それでは国民にとって過酷であり、庶民のための卒業生を養成する大学が大事だと言うのです。(その辺は、前回掲載ブログ「東大闘争と原発事故」で熊本一規さんが述べておられた「土法科学」の精神にも通じるものがあります。)
そこでちょっと明治期の大学の設立時期を調べてみると
1)東京大学・・・1877年(昌平坂学問所から考えると1684年)
2)慶応大学・・・1920年
3)同志社大学・・・1920年(ただし同志社英学校は1875年)
4)立命館大学・・・1922年(設立は1900年)
5)京都大学・・・1897年(ただし創立は1869年)
6)早稲田大学・・・1920年
・・・こう見ると、同志社大学とその前身は、近代の装いを凝らす東大と設立時期も同じころだったことが解ります。同志社英学校は京都大学が正式に確立される前から京都にあったのですね。
明治六大教育家の1人である新島襄によって1875年に創立された同志社英学校を前身とする大学である。キリスト教プロテスタント系の会衆派教会(組合教会)の流れをくむが、いわゆるミッションスクールとは性質が異なり、キリスト教伝道を主たる目的としない(教育そのものを伝道の手段としない)。
建学精神はキリスト教精神に基づく「良心」である。新島襄は建学の目的として、「良心を手腕に運用する人物」の育成を掲げた。知識教育に偏ることのないよう、キリスト教に基づく「徳育」を並行して進めることで、「良心の全身に充満」した人々を輩出したいと願ったのである。この「良心」教育を具体的に実現するための教育理念として、「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」が掲げられ、これらを通じて「一国の良心」たる人物を世に送り出すことを目指している。その思いを彼の筆跡のまま刻んだ碑が、今出川・京田辺両校地の正面入口に存在し、「良心之全身ニ充満シタル丈夫ノ起リ来ラン事ヲ」という言葉が刻まれている。また新島は生前以下のようにも残している
我が校の門をくぐりたるものは、政治家になるもよし、宗教家になるもよし、実業家になるもよし、教育家になるもよし、文学家になるもよし、且つ少々角あるも可、気骨あるも可。ただかの優柔不断にして安逸を貪り、苟も姑息の計を為すが如き軟骨漢には決してならぬこと、これ予の切に望み、ひとえに希うところである・・・新島襄
同志社という校名は「志を同じくする者が集まって創る結社」という意味。
今日のひと言:新島襄自身は、大学の設立と維持をするため、大変骨の折れる募金運動をし、色々な学科の創設(化学、医学、法学など)を企図し、「官」と熾烈な闘争をしていたためもあり、早世したのですが、彼がそうあるべく望んだところの、自由な校風であった同志社大学では、いわゆる「自由民権運動」の活動家が集り、官憲に睨まれたこともあったとか。実に、新島襄が1890年に亡くなってから、30年経って同志社は正式に大学になったのですね。今回ブログでは「新島襄 教育宗教論集」(岩波文庫)を参考にしました。
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今日の料理
@カボチャの石焼き芋風
わが家では、ホームベイカリーが石焼き芋用にも使えるので、今回はカボチャを石焼き芋風に料理してみました。1時間くらいで出来ました(サツマイモなら2時間くらいかかる)。出来上がったのを切り分け、シナモンを振って完成。砂糖醤油で煮た場合ほど甘くはありませんでしたが、なんとか食べられる味でした。・・・そして思いだしたのですが、サツマイモの場合、石焼きにすると、加熱される過程で糖分が増えるということ・・・カボチャにはそのような特性はないのかも。
(2013.12.15)
@煮モウカのマヨネーズ和えタラゴン風
モウカはサメ(鮫)の肉。安価で庶民の味方の魚でしょう。通常は普通に煮魚にしますが、今回はお湯で茹でた後、切って辣油(らーゆ)入りマヨネーズで和えました。今回の魚肉は血合いの部分が多かったので、アンモニア臭でそうとう臭く、矯臭のためタラゴンをまぶしました。まずまずの出来。温めなおすと、再びアンモニア臭がするので、冷製のまま食するのが好いようです。
(2013.12.18)
今日の一首
浅間山
被りしものは
雪帽子
艶やかさでは
富士と競うか
(2013.12.16)