熱帯、温帯、亜寒帯の果物の特徴:6つの果物を例として
熱帯、温帯、亜寒帯の果物の特徴:6つの果物を例として
今回、表題のような発想で、6つの果物を取りあげました。マンゴー、バナナ(熱帯)、みかん、リンゴ(温帯)、ブルーベリー、ハスカップ(亜寒帯)の6つです。
手始めに、一般的なHPで、果物についてどう取り上げているか見てみます。取り上げるのは、野菜、果物、調味料について、「体を温める、体を冷やす」という観点から分類したPDFです。
ただ、このような発想は、桜沢如一(おおさわ・じょいち)さんの始めた「玄米正食=食養」からの発想が大いに反映されていると思われ、一応参考にはしますが、囚われてはならない、と考えます。桜沢さんの発想は、中国の易経の論理をやや捻じ曲げ、独自の立論をしたものであり、栄養学的には「検証不可能」であるとされるのですね。
この食養では、太陽を極陽、大地を極陰として、陰と陽は引き付けあい、陰と陰、陽と陽は斥けあう、とし、たとえばゴボウは、地中深く根が伸び、強く大地(陰)を求めるので陽性の食品とするわけです。そうなると根菜は陽性であるとも言えそうですが、ジャガイモの場合、なるほど地中に成りますが、耕土に浅く実り大地と反発するので陰とされます。こんな感じです。
この論理が正しいかは置いておき、幾分かこれを参考にした、食物の陰陽について触れたネット上の記事は、無原則に展開されているようで、読者を混乱させます。ジャガイモが陽性とされる記事もあるのです。
で、私としては、各果物の、栄養素の成分表を見ていきたいと思います。この表は、私が、幾つかのHPからデータを集め、独自に作ったものです。(元になるHPも表の下部に明示しました。)
果物の栄養比較
この表から言えることを幾つか。栄養価で、特別にある栄養分の含有量がほかの果物に対して多い場合は、セルを黄色く染めています。
@1:マンゴー:カロテン、葉酸の含有量が多い(2ポイント)
@2:バナナ:パントテン酸、カリウム、マグネシウムの含有量が多い(3ポイント)
@3:ミカン:カロテン、ビタミンB1,ビタミンCの含有量が多い(3ポイント)
@4:リンゴ:特にすぐれた栄養成分はない(0ポイント)
@5:ブルーベリー:特にすぐれた栄養成分はない(0ポイント)
@6:ハスカップ:ビタミンC、カルシウム、鉄(3ポイント)
案外意外な結果です。ここで取り上げた6種の果物のうち、バナナ、ミカン、ハスカップはそれぞれ3つの項目で、卓越していて、マンゴーが続きます。一方、リンゴとブルーベリーについては、残念ながら栄養価は低いという結論が出ます。(ちなみに、表作成後、炭水化物の含有量は無視することにしたので、評価の対象からは除きました。)また、この表からは「熱帯の果物は体を冷やし、亜寒帯の果物は体を温める」といった食養風の知見は得られませんでした。
今日のひと言:かといって、リンゴやブルーベリーが、無価値な果物と言っているのではありません。果物の含有成分全体を総合すると、何か有効な効果があるかも知れませんので。まあ、ブルーベリーの場合、目に良いといわれますね。サプリメントも販売されていますし。アントシアニンというこれらの栄養成分分析結果には引っ掛からない微量の色素が、目の健康に資すると言われています。(もっとも、アントシアニン含有量でも、ハスカップはブルーベリーをはるかに凌駕するようです。↓)
https://agri.mynavi.jp/2020_07_12_124371/
ハスカップはスイカズラ科スイカズラ属の漿果樹で、樹高1m - 2mの落葉低木。
名称は、ハスカップの実をさすアイヌ語のハスカプ(ラテン文字表記:haskap)に由来する。
ハスカップの果実は「アイヌの不老長寿の果実」といわれて宣伝されてきたが、これは商品を販売するための創作であり、アイヌにとっては身近な植物であり、特別なものではなかった。
産地では主にジャムやジュースなどの加工用途で、生食用として市場に出回ることはない。理由は常温では傷みやすく、冷凍すると溶けてしまい、流通が難しいといったことが挙げられる。
ハスカップは、ジュースを2回、飲んだことがあります。美味しいジュースでした。ついでに苗木も取り寄せて栽培しようとしましたが、これは無謀でした。枯らしてしまったのです。群馬県南部での、北海道が本場の果樹の栽培は、超・難しいということが解りました。
ハスカップ(wiki)
追記:果物の陰陽について、思ったのですが、木の大きさ、また、どのくらいの高さに果実がなるか、を考察するのも面白いかも。バナナは木が大きく、高いところに成るので、陰性、ハスカップは小潅木で、地に近いところに成るので、陽性。それぞれ体を冷やす、温めることはあり得ますね。
(2022.01.23)
今日の6句
稜線に
雪の煌めく
皇海山(すかいざん)
群馬県と栃木県の境に聳え、足尾山地の盟主である2144mの山。
(2022.01.15)
寒くても
木から離れぬ
ツタのつる
(2022.01.15)
燈明の
明るかりけり
夜明け時
大光院(吞龍さま)に暗い中、行ってきました。
(2022.01.16)
あさまだき
川の流れも
静けくに
大光院の脇をながれる八瀬川。あさまだき=早朝。
(2022.01.16)
捨てられて
U字ブロック
雨ざらし
用水路を設置したとき余ったのでしょう。そして何年も放置されていたのですね。
(2022.01.19)
ちゃっかりと
餌をくすねる
スズメかな
鳥専門のペットショップで、こぼれた餌を食べるスズメ。逞しい。
(2022.01.20)
@ネズミの駆除
これまでも、我が家にネズミが侵入したことは何度もあるが、こんどの大きな奴には手を焼いた。ゴキブリホイホイは子ネズミにはかなり有効だが、大型のネズミホイホイにも掛らないし、天井閉じ込め作戦も不発だった。40日は「同居」した。知能が高い。だが汚い、病原体の巣。電線コードやガスホースなどを齧られたら、相当ヤバイ。ネズミがいて、良いことはない。
そこで最後の手段――殺鼠剤。有効成分はワルファリン。比較的緩効性の毒餌で、ほかの殺鼠剤ほど人間にとって危険ではない。血液に異常を起こす(リン化亜鉛、タリウムなどの殺鼠剤は、人間にも猛毒。)。だが、東京のネズミには80%の個体で耐性があるらしい。効くか効かないかは、五分五分だったが、やり始めて14日くらいで、ネズミの足音は聞こえなくなった。我が家は群馬県にあるので、耐性のない奴だったのだろう。もっとも、ワルファリンは、効果なしと考え、リン化亜鉛もセットしたのだが、それに手を出すまえに、ワルファリンが効いたようである。
(2022.01.19)
ショッキングピンクの毒餌と、ネズミホイホイ
袋入りで与えるリン化亜鉛
でも、それはヌカ喜びで、今日再びネズミを弟が発見した。さあ、やっぱりリン化亜鉛の出番になるか?
(2022.01.21)