「♪イスファハンのバラ」とイスファハン：フォーレの甘美な歌曲

このブログを、これまで出会った薔薇フリークな女性ブロガーさんたちに捧げます。

O Leilah! depuis que de leur vol leger
Tous les baisers ont fui de ta levre si douce
Il n'est plus de parfum dans le pale oranger，
Ni de celeste arome aux roses dans leur mousse.

おーレイラ！彼らの軽飛行以来
すべてのキスがあなたの甘い唇から逃げました
オレンジ色の羽には香水がなくなり、
彼らの苔のバラの天体の香りも。

以上はガブリエル・フォーレの歌曲の一連だけ抜粋で、ルコント・ド・リールの詩をモチーフにした作品です。和訳の方は、グーグル言語ツールからフランス語→日本語に直接翻訳したものです。ちょっと誤訳も入っているようですので、手直しして

おーレイラ！花が軽々と飛び散って以来
すべてのキスがあなたの甘い唇から逃げました
オレンジ色のバラには香気がなくなり、
苔に包まれたバラの天上の香りも（なくなり。）

↓　こんな曲です。下のＵＲＬをクリックしてください。

https://youtu.be/3w3_dX4W57w

さて、この曲に歌われたイスファハンは、乾燥したイラン高原やや西部にあるオアシス都市で、１７世紀に建設され、シルクロードの拠点として繁栄しました。ザーヤンデルード川が街の真ん中を貫いて走り、町中を水路が縦横に走り、随所に植物が育ち、花を付け、また交易が盛んでした。この賑わいから、「イスファハンは世界の半分」という言葉も生まれました。リールの詩にあるように、バラもその妍を競っていたことでしょう。

イスファハンの住民は元遊牧民でしたが、この都市に定住したわけです。ただ近年は男性が仕事に就けないほどの不況で、妻、子供が家計を立てる事例が多くなっています。妻は名産の絨毯（じゅうたん）を織って換金するのですが、一枚織るのに１０年から掛かることもあるそうで、売れば大金が稼げるので、娘の結婚資金にあてることもあるとのこと。

また子供は靴磨きをする子が多いのですが、その内の一人の子は、折から戦争で傷ついたモスクのタイル張替えを請け負っているタイル職人の下に通い、本人も将来はタイル職人になろうと思いますが、父は「その仕事を習得するのに何年も掛かる、ワシに入る現金が減るから、許さん」というヒモのようなことを言っていました。

アメリカに留学させた息子二人がイスファハンに帰ってこないという実例もあります。そしてアメリカに定住すると。さすがの「世界の半分」だったイスファハンも、皮肉なことにグローバル化の波には勝てないようです。

今日のひと言：今回のイスファハン情報はDVD「アジア古都物語　５　イスファハン」（２００３年、NHKスペシャル）でした。

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