虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト:色々な事物を取り上げます。

この、碌でもない東京大学工学部・都市工学科:玉石あり石多し

私は、東京大学理科1類に入学したあと、文転(文科系学科への進路変え)を考えていましたが、普通の進学先である表題の学科を専門に選びました。都市工学科は当時「都市計画コース」と「衛生コース」に分かれていて、前者は当時(1980年代初頭)大変人気があり、進学振り分け制度が適用され、志望を出しても、ふるい落とされる危険性が高かったので、もう一つの、逆に人気のない「衛生コース」に志願し、進学できました。進学時の成績は、都市計画、電気・電子工学、応用物理工学の3つだけは成績的に無理で、それ以外の工学部の学科なら私の成績なら普通に進学は出来る程度のものだったので、「衛生コース」はバナナの叩き売りよろしく、自分を安売りしたのです。


大体、都市工学科は、高度経済成長の頃、土木工学科から、「水にまつわる」1講座、建築工学科から「都市計画にまつわる」1講座を、引き抜いて一緒にして「都市工学科」を創設したものです。だから都市工学科は、土木と建築の合いの子なわけです。私と同期で計画コースに進んだ人は「親からは衛生コースには、絶対進学しないでと、切に言われていた」と言っていました。もちろん「穢い」仕事に就いてほしくはない「親心」だったわけです。それは、「うんこ」「おしっこ」を扱うものでしたし。もっとも、環境問題が注目されて以降、いろいろな大学で「環境」を勉強するという学科が「雨後の筍」のように新設されれば、私の頃の衛生コースはその先達だったわけで、東大生の中からも、衛生コースに進学したいという学生が集りました。そのころ、「衛生コース」は「環境科学コース」と改名したようです。(流行に迎合したか)


都市工学科はもちろん工学部の一分野ですが、他の学科とは違った特徴があります。工学部の(卒業に必要な単位は)84ですが、工学部の授業ひとコマは1.5単位で、比較的点数が低いです。一方、他の学部・学科ではそれは概ね2.0単位で、点数は高いです。そして「都市工学科の学生はどの学部・学科でも聴講できて、2.0単位がもらえる」という特権があるのです。私も文学部、農学部の講義を聴講して、しっかり単位をもらって卒業しました。


カリキュラムが緩いと言う意味で、都市工学科は「(東京大学)文科4類」といわれることもあります。もちろん東大の文科は1類から3類までです。授業の締め付けがきつくないという意味で、都市工学科生は、自由に学ぶことができます。ただ、ほかの工学部生ほど、専門分野に「深く」関われないという欠点があり、「広く浅く」となってしまう恐れがあります。でも、物事の本質に迫れる学生なら、「広く深く」とできることも事実で、このような優れた先輩方も居られます。この特質は、都市工学科が「帝王学」を学べる場であることも物語ります。


ただ、現在の都市工学科は、「広く浅く」学ぶだけの人が多数ではないかと思います。このような場合、進路が銀行、証券会社、など専門には無関係なジャンルになってしまうこともあり、専門教育を無駄にしているのではないか、と考えます。


都市工学科卒業生は、案外世の中にとって、スパイスのような役割を果たすこともあると思います。上野公成さん(1期生)は自民党の副総理をやっていましたし、島津暉之(てるゆき)さん(1期生)はダム建設反対運動をやっていたり、「21世紀の資本」を訳した山形浩生さん(23期生)、熊本一規さん(8期生)はゴミ問題の権威、そして加計問題でキーパーソンとされた和泉洋人さん(11期生)、玉石混交です。ちなみに私は19期生です。



今日のひと言;単なる都市工学科の概略を書いてきてしまいました。ここで辛口なことを述べると、たとえば国土交通省建設省だったころから進めてきた「流域下水道」、反対の立場だった中西準子さんが都市工学科・助手を辞めてから、批判する者もなく、進められているのでしょうね。この辺、役所べったりのこの学科、存在意義が問われていると思います。これまで、都市工学科は世に罪悪を広めることに貢献したことが、善を広める貢献より多かったように思います。


参考過去ログ (ぜひご覧ください。)


http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051222
 :Do nothing 都市工学の核心 その1


http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051223
 :Do nothing 都市工学の核心 その2


http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051224
 :Do nothing 都市工学の核心 その3



都市の再生と下水道

都市の再生と下水道

豊かな老いをつくる <若月俊一対話集 3>

豊かな老いをつくる <若月俊一対話集 3>





今日の一品


ニジマス焼き



弟作。試行錯誤の結果、塩、オレガノ、バジルソースで味付けし、レンジでチン。(ムニエルにしようと思ったが、うまくできないようなので、試行錯誤と言った感じだったそうです。)

(2018.04.25)



@鶏ムネ肉のハンバーグ風



弟作。鶏肉を煮、サイコロ大(賭博の)に切り揃えた胸肉に卵(一個)、小麦粉、刻みネギ、塩、胡椒、タイムを混ぜ、フライパン。案外いけました。

 (2018.04.26)



@クワとニンジン葉の炒め物



庭のクワの葉と市販の葉付き人参の葉を、大目の油で炒めました。最後に塩、七味唐辛子。こうするとゴワゴワのクワの葉が食べやすくなります。どちらも栄養価抜群です。

 (2018.04.27)



@鶏モモ肉のケチャップ餡かけ



弟作。フライパンで焼いたモモ肉に、別に作っていた「ケチャップ+小麦粉+酢+砂糖+小松菜」餡を掛けます。酢豚がモデル。

 (2018.04.30)





今日の詩


うたた寝して


うたた寝し、
面白い夢を見た


愛しい女性の面影を
ありありと見た


イザ起き上がって
メモを書こうと思ったが


見る見るイメージが消え
夢の記憶は雲散霧消した・・・


 
BGM:夢のあとに(フォーレ

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20091202#1259715386

 :フォーレの耳疾


 (2018.04.27)





今日の一句


アスパラに
リュウゼツラン
似たるかな



花穂がアスパラガスに似たリュウゼツランです。

 (2018.04.29)