*安倍晋三の再チャレンジ会議・取り巻きのトンデモ発言集:「労働基準監督署は要らない」
「格差なんていつの時代でもある。じゃあ朝日新聞の給料はいくらなんですかと言ったら終わっちゃう話」
(安倍晋三 第90代内閣総理大臣 世襲3世)
「少子化を憂う必要はない、格差社会が広がりコンドームを買えない貧困層が増えれば子どもはすぐ増える」
(中西輝政 国際政治学者 京都大学大学院人間環境研究科教授 安倍晋三ブレーン)
「競争が進むとみんなが豊かになっていく」
(竹中平蔵 経済学者 元政治家)
「格差があるにしても、差を付けられた方が凍死したり餓死したりはしていない」
(奥田 碩 元日本経団連会長 元トヨタ自動車会長)
「パートタイマーと無職のどちらがいいか、ということ」
(宮内義彦 オリックス会長 元規制改革・民間開放推進会議議長)
「非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです」
(三浦朱門 作家 元教育課程審議会会長)
「格差論は甘えです」
(奥谷禮子 人材派遣会社ザ・アール社長 日本郵政株式会社社外取締役 アムウェイ諮問委員)
「格差は能力の差」
(篠原欣子 人材派遣会社テンプスタッフ社長)
「フリーターこそ終身雇用」
(南部靖之 人材派遣会社パソナ社長)
「業界ナンバー1になるには違法行為が許される」
(林 純一 人材派遣会社クリスタル社長)
以上は、ある方が集めた政・財界人の迷言集です。本人の同意を得て、転載させていただきました。なお、「2ちゃんねる」を見ても、同様なコレクションがあり、世間の関心の高さが伺えます。主に格差社会についての発言ですが、そのあまりのトンデモさには、目を見張るものがあります。なかでも目につく3氏について、検討してみます。
1)中西輝政:大阪府生まれ。大阪府立北野高等学校、1971年京都大学法学部、1974年同大学院法学研究科修士課程修了。1977年までケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジ大学院で国際関係史を学ぶ。 京都大学法学部助手、三重大学人文学部助教授、静岡県立大学国際関係学部教授を経て、1995年より現職。
正論、諸君、VOICEなどの保守系オピニオン誌の常連寄稿者であり、文明の観点から現代の国際関係をダイナミックに分析する。また、戦後民主主義批判も多く論じている。加えてイギリス史を当初の専門としたことを反映し、情報・諜報研究についても積極的な発言を行なっている。反共主義の立場からマッカーシズムを極めて肯定的に評価。
2002年7月に新しい歴史教科書をつくる会の理事に就任したが2006年5月辞任。翌6月、八木秀次と共に「日本教育再生機構」の設立に代表発起人として関与。(以上wikipediaより引用)
まあ、華々しい経歴の持ち主ではあります。でも、このコンドーム発言(06.10.16週刊文春に記載あり)のレベルの低さはどうでしょう?先進国において少子化が進むのは、もとより社会保障とか収入とかが期待できず、作りたくてもつくれないという状況があるからで、コンドームを買う金くらいいくらだって確保できます。産んだって、十分な教育を受けさせられないから子作りできないのです。発展途上国の状況と、日本の状況を混同しています。こんな無残で哀れな分析しかできなくて、本当にケンブリッジ大学で政治学を修めたのでしょうか?ケンブリッジも焼きがまわったものです。こんなpoor−mindedな学生をパスさせるとは。中西輝政は、ケーススタディーのため、一度派遣社員をやってみるのが義務でしょう。こんな輩が安部晋三のブレーンだというのですから、絶句です。
2)三浦朱門:東大言語学科卒、80年代半ばに文化庁長官も務めた作家で、教育改革国民会議の有力メンバーであるやはり作家の曾野綾子氏を夫人に持つ三浦氏は、"ゆとり教育"を深化させる今回の学習指導要領の下敷きになる答申をまとめた最高責任者である。
「学力低下は予測し得る不安と言うか、覚悟しながら教課審をやっとりました。 いや、逆に平均学力が下がらないようでは、これからの日本はどうにもならんということです。 つまり、できん者はできんままで結構。戦後五十年、落ちこぼれの底辺を上げることにばかり注いできた労力をできる者を限りなく伸ばすことに振り向ける。百人に一人でもいい、やがて彼らが国を引っ張っていきます。限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです。 ・・・・」
(http://f18.aaa.livedoor.jp/~satoman/karasu_0503a.htm より引用)
この前もとり上げたいわくつきの人物。小説家というよりは「小説家の名を借りた政治屋」というのが相応しい人物です。むろん、私自身、三浦朱門の小説についての評論を目にしたこともなく、ただ単に文化庁長官をやった政治家との認識しか持ち合わせていません。なにか取り柄のある小説を書く人なら、当然既読のハズですがね。さて、教育の基本は、最低レベルのかさ上げです。一握りのエリートだけ養成しても、国家は機能しません。全体の教育レベルが高いほど、その国のパワーはあがるのです。三浦が理想としているらしい江戸時代でさえ、というか、でこそ、武士の教育を担う藩校、庶民の教育を担う寺子屋があり、明治時代の教育にスムーズにつながったのです。うがった見方をすると、「ゆとり教育」は現在、三浦朱門の狙いどおり、一握りの私立学校にのみ良い教育が偏在することになっていますね。そして「実直な精神だけを養って」教育された者が、エリートに顎で使われる風景が三浦朱門の理想像なのでしょう。そして、その「エリート」には、間違いなく自分も含めていますね、この三浦朱門。
ところで、「二次方程式の解の公式は、妻の曽野綾子の日常生活に不必要だから中学の教科書から外せ」とのたまった三浦朱門、曽野綾子ともどもクリスチャンなのだそうです。それなら、三浦朱門に問いますが「神も日常生活に不必要だ。だから夫婦そろって神=信仰を捨てなさい」と。なにか反問できるでしょうか?この文士政治屋?
3)奥谷禮子(礼子): 日本航空に就職(国際線客室乗務員)。退職後の1982年に同僚と人材派遣会社ザ・アールを設立。1986年には、経済同友会初の女性会員の一人に選ばれた。また1986年から6年間は、当時の堤清二セゾングループ代表との縁で、セゾングループが設立した人材派遣会社ウイル(現株式会社エスウイル)の社長を兼任した。2002年5月には株式会社ローソンの社外取締役に就任する。2006年1月には日本郵政株式会社の社外取締役に就任する。
また、同じく経済同友会で関係のあった村上世彰からの要請をうけて村上ファンドの設立当初(1999年)、ファンド運用会社MACアセットマネジメントへ約2000万円を拠出していることを含め、俗に呼ぶ村上ファンド人脈とのつながりも強いと言われる。宮内義彦を参照のこと。生田正治らとの資産関係、経営関係についてはザ・アールを参照のこと。
「格差論は甘えです」と格差社会論そのものに否定的な論者の一人でもある。2006年10月24日に開催された第66回労働政策審議会労働条件分科会に使用者側の委員として参加し、過労死の問題について、「自己管理の問題。他人の責任にするのは問題」「労働組合が労働者を甘やかしている」と発言し、さらに週刊東洋経済のインタビューで「労働基準監督署も不要」「祝日もいっさいなくすべき」と発言し物議を呼んだ。 (以上wikipediaより引用)
格差社会解消の議論の場で、やたら目立つのが、中間搾取業の人材派遣会社の経営者です。なかでも、この奥谷禮子が代表格で、人権の基本を無視した無神経な発言を連発しています。彼女の場合、特に財界人との人脈が目立ちます。堤清二、宮内義彦、村上世彰、生田正治など。日本郵政株式会社の社外取締役(小泉純一郎のお先棒かつぎですね)、また詐欺商法で話題になったアムウェイにも深く関わります。もちろん村上ファンドにも。かなり儲けたことでしょう。世の中の人たちの生き血をすする財界人であることを、この上なくホコリに思っているのでしょうね。なんですか、「労働基準監督署が要らない」というのは。産業革命当時のイギリスの悲惨な労働環境を復活させたいのでしょうか?うさんくささにおいては第一級の人物です。たたけばホコリがおびただしく出るであろうこんな人物に格差社会うんぬん、議論されたくないのは、私だけではないでしょう。そして、そんな彼らの利益を代表する発言が
「競争が進むとみんなが豊かになっていく」
(竹中平蔵 経済学者 元政治家)
「みんな」とは誰のこと?
現在でも影響力のある竹中平蔵については
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051217 「福沢諭吉を嗤う」
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20060925 「再チャレンジの笑止」
を併せてご覧ください。
今日のひと言:トンデモ発言の目白押しなので、今日のひと言はお休みです。
今日の一句:北まくら むっくり起きて 王者様
私は北まくらで寝ます。普通縁起が悪いと嫌われますが、朝起きれば南を向くことになり、それは中国の言い伝え「君子は南面する」と符号するのです。どうです、王者の風格が感じられますか?