虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

理髪料金の不思議

 私の趣味の一つに、「捨ててあるものを拾う」ということがあります。対象は問いません。例えば、私は大学時代の先生であった公害問題の権威・宇井純さんの教えを守り、コンピュータは使わないようにしていました。ところがある時、近くのゴミ回収スポットにデスクトップ型のコンピュータが捨ててあるのを見て、しばらく迷った挙句、このコンピュータを拾うことにしました。たとえ、それが師の教えに反する行為につながるとは言え、このコンピュータが、「捨てられて、かわいそうだ」との思いがあったのです。師の教えより、こっち(拾う)の原理のほうが強かったわけです。そして今このブログを書いている行為につながっているのです。不思議なものですねえ。
 また、受験産業に関わることが多いため、新学期に大量に捨てられる教科書の類も、よく拾うアイテムです。今手元に「中学生の社会科・公民・現代の社会」(日本文教出版・平成12年版)という教科書があります。もちろん拾ったものですが、この教科書の119ページに面白い表が載っています。価格の変化(東京23区)で、米10kg、卵1kg、国鉄(JR)50km運賃、理髪料金(大人一回)の4項目について、物価の変化が年代ごとに記載されています。少々抜き出すと


          米      卵     JR    理髪料金
1950年   445    232    73      59
1985年  4788    350   727    2603
1998年  5060    282   820    3614
  

 1950年の各物資の価格をそれぞれ1とみなすと
          米      卵     JR    理髪料金
1985年  10.8    1.5   9.96   44.1
1998年  11.4    1.2   11.2   61.3


 この結果、「物価の優等生」である卵以外はかなり物価が上昇しているのが解ります。米とJR運賃はだいたい10倍、大抵の必要物資もそんなものでしょう。(それにしても、養鶏家も大変ですね。卵の問題はまた別の機会に取り上げることとします。)
 この中で、一人「理髪料金」だけが飛びぬけて高くなっています。私自身、2,3年前までは普通の理髪店に行っていましたが、1000円カットショップが開店してからは、そちらを利用するようになりました。いくらなんでも、一回3600円から取られるのは馬鹿馬鹿しいからでした。もっとも、1950年のころの10倍が相場だとすると、590円、大体600円がリーズナブルな料金だと思われます。1000円ショップでも高いな、と思います。なぜ、理髪料金が法外に上昇したか、解る人は教えてください。・・・「技術料」ということなのでしょうか?


今日のひと言:捨てる人は、そのものが無価値だと思って捨てるのでしょうが、なに、
       捨てたものではない:何かの利用価値は必ずあります。

今日の一言2:細野代議士とのディープキスをフライデーされたTBSアナウンサーの山本モナ、現在TBSによって「軟禁状態」であると週刊新潮(06.10.19日号)が報じていたが、起死回生の策がある。TBS日曜のサンデー・ジャポンで、「報道も出来る突撃レポーター」として彼女を活用するのだ。筑紫哲也のニュース23ではもはや使い物にはならないのだから。思い切れ、TBS。山本モナも捨てたものではない:何かの利用価値は必ずあります。