虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

女性雑誌を分類する

     女性雑誌特集 その2
 やはりインターネット・カフェに行き、置いてある女性雑誌を幾つか読んでみました。雑誌の評価に使うのは、マニュアル化の程度とビジュアルさの程度です。あと、補助的、定量的にページ当りの値段。
 取上げた女性雑誌は、Caz、CREAJUNON、an・an、MAQUIA、SAY、25ans、MORE、Oggi、With、Men'snon-no(これは男性向き)です。Cazのみ2006年7月10日号で、他は2006年10月号です。大体「女性ファッション雑誌」と括られる雑誌群ですが、その範疇に入らないものも含むので、「女性雑誌」と呼ぶことにします。この場合、「女性自身」とか「女性セブン」などの週刊誌は含みません。
 女性雑誌では、衣服(コスチューム)とコスメの話題はほとんどもれなく取上げられます。これは基本です。その認識の上で以下見て行きます。なお、「1ページ当りの値段」を「Price per Page」ということで、「P/P値」と呼ぶことにします。
① Caz (扶桑社:330円150ページ::P/P値・2.2円) 
     極めてマニュアルが多い。SEXについてもマニュアルあり。
② CREA (文藝春秋:600円250ページ::P/P値・2.4円) 
      コスチューム、コスメが大部分。特徴的なマニュアルはお酒特集。
③JUNON (主婦と生活社:490円166ページ::P/P値・3.0円)           特徴的なマニュアルはマンガ。
④an・an (マガジンハウス:350円146ページ::P/P値・2.4円)
      特徴的なマニュアルはコスチューム。それからミニマニュアル集がある。
⑤MAQUIA (集英社:520円334ページ::P/P値 ・1.6円) 
      ほとんどコスメの話題。なお、le maquillage(ル・マキアージュ)は、フランス語でメーキャップの意味です。
⑥Say (青春出版社:550円154ページ::P/P値 ・3.6円)
     Cazに劣らずマニュアルだらけ。はっきりマニュアルと銘打ったコーナーが2つもある。SEX特集あり。
⑦25ans(ヴァンサンカン:アシェット婦人画報社:780円428ページ::
       P/P値・1.8円)
      コスチューム、コスメが大部分。あとスパ(温泉)の話題。
⑧MORE (集英社:560円356ページ::P/P値・1.6円)
      コスチューム、コスメが大部分。あと少し恋愛マニュアル。 
Oggi (小学館:680円516ページ::P/P値・1.3円) 
     コスチューム、コスメが大部分。あと旅、起業、メールにマニュアルあり。
⑩with (講談社:560円398ページ::P/P値・1.4円) 
     コスチューム、コスメが大部分。あと作法、セックスアピールの項目あり。
⑪Men’s non-no (集英社:630円342ページ::P/P値・1.8円) 
    コスチューム、コスメが大部分。あと部屋探し、マンガ、占星術

 コスチューム、コスメの記事が多い雑誌ほど、ビジュアルさの程度が高いようです。
 以上の観察の結果として、「P/P値」が2円強当りが分類の分岐点になるようです。CazとかSayなどは「P/P値」が2円以上で、マニュアル本と言えるでしょう。そしてページ数は少なく、SEXのマニュアルもためらわず取上げます。この2誌の「P/P値」の平均は2.9円。 一方、 
MAQUIA、Oggi25ans、MOREなどは「P/P値」が2円以下でほとんどビジュアルな「コスチューム、コスメ」ネタで埋められています。ページ数は多く、SEXそのものが前面に出ることはないようです。4誌の「P/P値」の平均は1.6円。  
後者の場合、「P/P値」が安く上げられるのは、コスメ業界、アパレル業界などからの広告収入が期待できるからであろう、と思われます。広告本ですね。これがビジュアル系雑誌のミソでしょう。広告収入があまり期待できない、あるいはしない場合、マニュアル系に特化するのだと思われます。以上の2グループの中間に他の大体の女性雑誌が位置します。(第3グループ。)CREAJUNON、with、an・anなど。これら4誌の「P/P値」の平均は2.3円。マニュアル本といえるほどは目立ちませんが、マニュアルに類する記述は、多少にかかわらず存在します。なお、マニュアル系を3、中間を2、ビジュアル系を1と割り振り、「P/P値」との間で相関係数を取ると、  
0.73になり、相当高い相関性があることがわかります。
なお、Men’s non-noは男性対象とは言え、内容は女性雑誌に準じます。女性化した男性が結構いるのだな、と思われます。

今日のひと言:今回、私は女性雑誌の中身を読んだのではなく、記事の構成を読んだのです。それでも、もう、しばらく女性雑誌を読みたくないや。
    そう言えば、この前某駅で、an・anを読んでるサラリーマン(♂)を見たぞ。彼はなにかのマニュアルコーナーに、一心にチェックを入れていた。男性が当たり前のように女性雑誌を読む時代になったんだね。

 
 おまけ
「りんごアンテナ日記」(http://d.hatena.ne.jp/ringojuku/)をよく覗くのですが、教育関係ブログのなかで私がピカイチと思ったのが
「考えるのが好きだった」(http://blog.goo.ne.jp/kkhrpen/ )です。現役の女性高校教師が本音を吐露しています。http://blog.goo.ne.jp/kkhrpen/e/f11fa5e550fc6394e93c5cdb68c4d395 には、私のコメントも載っています。お勧めブログ!!