虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

嫉妬に狂った女は怖い:呂后(りょこう)と則天武后(そくてんぶこう)

呂后(呂雉)(? - 紀元前180年)は、漢の始祖・劉邦の妻。劉邦糟糠の妻でしたが、劉邦(高祖)の死後、王の寵愛を巡って争ってきた某夫人に、とんでもない行為をやらかします。


高祖の後継を巡る争いは根深く尾を引いており、恵帝即位後間もなく呂后は、恵帝の有力なライバルであった高祖の庶子の斉王劉肥、趙王劉如意の殺害を企て、斉王暗殺は恵帝によって失敗するが、趙王とその生母戚夫人を殺害した。この時、呂后は戚夫人を奴隷とし、趙王如意殺害後には、戚夫人の両手両足を切り落とし、目玉をくりぬき、薬で耳・声をつぶし、その後便所に置いて人彘(人豚)と呼ばせた、と史書にはある(なお、古代中国の厠は、広く穴を掘った上に張り出して作り、穴の中には豚を飼育して上から落ちてくる糞尿の始末をさせていた。戚氏を厠に入れた事から、豚に喩えたと思われる)。

  wikiより

なんとも残虐な所業。中国史では、これに類した行為を行った、中国唯一の女性皇帝・則天武后武則天)(623−705)がいます。彼女は、以下の行動をしました。


(655年)11月初旬、皇后になった武照は監禁されていた王氏(前皇后)と蕭氏(前淑妃)を棍杖で百叩きにした後、生き返らないように四肢切断の上、「骨まで酔わせてやる」と言って酒壷に投げ込ませた。王氏と蕭氏は酒壷の中で数日間泣き叫んだ後絶命したという。更に遺族の姓を侮蔑的な意味を込めた字である「蟒」(ウワバミ、蛇の一種)と「梟」(フクロウ、子が親を食う不孝の鳥とされる)に改称させた。蕭氏は死の間際に、武照が生まれ変わったら鼠になれ、自身は猫に生まれ変わって食い殺してやると呪いながら死んだといわれ、後年の武則天は宮中で猫を飼うのを禁じたといわれる。

   wikiより


この2人、いったい何なのでしょう。王宮の大奥で同居していたであろうに、「ライバル」である女性にこれほどの残虐な仕打ちをするとは。キーワードは「嫉妬」だと思います。「なんだ、ただの嫉妬か」と男は考えそうですが、女性にとっては切実で死活問題だと思います。「嫉妬」という言葉は「嫉」「妬」共に、女偏が入っています。特に前者は「女(性情)+疾(にくむ)=やきもちを焼く;と言う意であり、「妬」もほぼ同じ意味です。(現代漢語例解辞典:小学館)より。


とくに、嫉という文字は、「疾走、早い」という意味も内包しています。女性が同性に感じる敵愾心は、おそらく男のそれを遥かに凌駕するものがあるでしょう。その感情は、弓矢より速く、女性が抱くものなのでしょう。


そして、呂后則天武后ほどではないにせよ、女性には、プチ呂后、ミニ則天武后になる素質があるのだろう、と私は推察します。その原動力は、「嫉妬」ということになると思うのです。男の皇帝がいかに残虐だとしても、いくらなんでも「旧」ライバルにこのような長く苦しむ無残な扱いはしないでしょう。



今日のひと言:残虐さという意味では、洗礼者ヨハネの心が得られないので、その生首を所望したヘロデ王の娘、サロメという女性もいましたね。女性が英雄とも言える男性の首を切ってしまうという類いの話は、幾つかありますね。例えば敵の将軍ホロフェルネスの寝首を掻き切ったユディトなど。



中国 かなりこわい闇の歴史---学校じゃここまで教えない! (KAWADE夢文庫)

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則天武后―女性と権力 (中公新書 (99))

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蒼き炎―大悪女・呂后伝

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今日の料理


@モヤシの豪華炒めケチャップ風味




一袋30円也のモヤシを買ってきて、有り合わせのネギ、茗荷、アボカド、クコの実、卵2個(これはあらかじめ炒めてそぼろ風にしておく)とともに塩少々と炒め、仕上げにケチャップを加えました。

 (2015.09.22)



@キャベツの鶏そぼろあん



弟作。「ブロッコリーの鶏そぼろあん」(キッコーマン)という調味料を使って、ブロッコリーではなくキャベツで作りました。

 (2015.09.22)



@クコの卵とじ


草姿



完成品




毎年、春・秋に伸びて収穫出来るクコの葉(小灌木)。これを穂先3cmほどを摘んで集めてきて、卵とじにします。土筆の卵とじとよく似た風味で、なかなか美味です。河原に群生していることが多く、夏に育った株がユンボなどで刈り取られた後、再び芽生えます。

 (2015.09.23)





今日の詩(散文詩




私は以前から、近くの高速道路に準じた道路の植え込みに注意しているが、「雑草」を成るべく生やさない工夫として、コンクリートで植え込みを被せたり、穴が一つだけ開いたシートで植え込みを覆うという2通りの防除法を採ってきたみたいだ。


前者は、コンクリートにヒビが入り、無効になる寸前だ。もう一方は、今日見たところ、穴から生える土木事務所が育てたい匍匐性の白花の園芸品種は確かに優勢だが、ワルナスビという野草(毒草)もしっかり生えている。


これは、シートが破れたということはなかなか考えられないが、ワルナスビがこんなに元気に成長しているのは、もしかしたらそうかも知れないし、穴から園芸作物を追い出して育っていることも考えられるな。・・・人の浅知恵では草、ひいては自然は制御できないのか。

 (2015.09.21)



今日の一句


ヤブガラシ
一株あれば
猖獗(しょうけつ)し


食用にもなるので庭に導入した一株のヤブガラシ、タネを散らして勝手にあちこちで繁茂し、果樹にも巻きついています。恐るべし。

 (2015.09.23)


今回のブログで、通算800回に達しました。更新が5日に一回であること、また音楽の著作権関係で30数話削除することもあったので、700回からちょっと到達に時間がかかりました。でも、まあ目出度いです。