虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

地球儀を手にして考える


 地球儀は情報の宝庫です。各種の地図は、本来球である地球を平面に投影して作成されるので、面積、方位などの要素のうち、1つだけカバーするように作られますので、地図だけをもって政策とか(軍事上の)戦略を考えると、足元を掬われることがあります。地政学では「陸軍は地図を手にして考え、海軍は地球儀を手にして考える」と言います。いかにも、日中戦争における、上海から南京まで戦線を拡大した日本陸軍関東軍)には、中国の地図しか頭になかったのでしょう。この行為は、本来海洋国家である日本の採る軍事行為としては逸脱しており、中国にかまけて国力を消耗していて、太平洋の向こうのアメリカ合衆国は、ほくそ笑んでいたことでしょう。自ら有限の国力を消耗していたのだから、馬鹿げたことです。陸軍が地球儀を手にしていれば、と悔やまれます。
 以下、地球儀を手にして浮かんだことをあれこれ書きます。
① 北極・南極を結ぶ線は鉛直方向に対し22.3度傾いています。これは、春・夏・秋・冬の四季が訪れる根拠だし、北欧で白夜が見られるのもこれに拠ります。
② 太平洋は地球表面積の32%を占める。大体1/3。
    太平洋165.246*(10^6)km2、全海洋361.058*(10^6)km2   海洋は表面の7割
  そこで0.7*(165/361)=32%
 そうすると、太平洋の面積は全陸地面積と等しいことになります。
③大西洋の歴史   ウエゲナー大陸移動説の発想のきっかけとなったのは、南アメリカ大陸東岸とアフリカ大陸西岸がぴったり重なるという事実でした。対応する地点として南アメリカナタル(西経35度)とアフリカのマラホ(東経10度)の経度の差を地球上の距離に換算し、両大陸は年5cm離れると仮定すると
  40000km*(45/360)/5cm=1億年
 大体こんなところのようです。大西洋は、地球の歴史(45億年)にくらべると若い海であることになります。
④太平洋を視界の中心に持ってくると、日本、アメリカのカリフォルニア州、オーストラリアがヘリに見えるが、南アメリカ大陸は見えない。
⑤ロシアを中心に持ってくると(東経70度)、日本、イギリスがヘリに来る。
⑥上から地球儀を見ると、ロシア、アメリカ合衆国、中国がほぼ視野に入る。ロシアとアメリカ合衆国は隣国です。海は少ない。(北極海
⑦下から地球儀を見ると、南極大陸の存在感が大きく、ヘリにその他の陸地がちょっと見える。陸地が少ない。
ユーラシア大陸は全陸地の40%、アフリカ大陸は22%、北アメリカ大陸は16%、南アメリカ大陸は15%。地政学マッキンダーのいわゆるハートランド理論における「世界島」(World−Island)はユーラシアとアフリカを指しますが両者を合わせると全陸地の62%と、圧倒的な広さです。(http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051212    参照)
インドネシア近辺の大きな島々(スマトラ、ジャワ、カリマンタン(ボルネオ)、スラウェシセレベス)、パプア・ニューギニア)は何故横に並んでいるのだろうか。
北アメリカ大陸、アフリカ大陸には、人工的な国境線を持つ国が多い。(注:海洋と大陸に関するデータは理科年表より。)
⑪地球儀上で見ると、アメリカ合衆国と中国は、それほど大きな国ではないように見える。両者を較べると、面積はほぼ互角。


 外にも、いろいろ気づくことは多いでしょう。



今日のひと言:地球儀は、小学生のころ教材にされていた気がしますが、中学・高校と進むと使われなくなるようです。これはもったいないことです。世界像が見えなくなるのです。
 

それにつけても「はてなロディア欲しい!」なあ。la Chartreuse verte(シャルトリューズ ヴェール)を飲みながらノートを取るんです。あるいはシャトー・モン・べラ・ベラン[2005](白ワイン)などを飲みながらノートを取るのです。
chatteau mont bella belant とでも綴るのかな?







地球の皮相的な捉え方に依存する「俳句(Haiku)」についてのブログを挿入します。