虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

私は何故ロシア語を学ぶか?:ロシアの魅力(語学シリーズ その2)


 神田外国語大学学長の石井米雄さんは、ユニークな経歴の持ち主です。早稲田大学に在学中、語学に目覚め、学問的興味の命じるままに、ゼミの担当教官ではない教授の研究室に出入りし、たった1ヶ月でフランス語をマスターして、デカルトの「方法叙説」を原書で読めるようになります。そして、師の「他のだれもやらない言語をやってみろ」との教えに従い、タイ語を選び、生のタイ語を勉強したいために、大学をあっさり辞め、外務省の書記官試験に応募し、そのままタイにいっちゃいます。


そして、そこで書いた論考が京都大学に認められ、京都大学の語学センターの教授に収まります。彼はだから学士号さえ持たずに、教授になってしまったのです。なんとも痛快なお話です。

 
さて、彼は語学をするに当ってのモチベーションについて語っています。以上のような武勇譚を持つ彼にして、ロシア語は2度挑戦して2度とも失敗しているとか。ロシア語に対するモチベーションが低かったとのことです。

 
私の場合、大学での第二外国語はドイツ語だったのですが、これは理科系だからとの理由であっさり、何も考えずに選択したものですが、理科系に失望して、文科系への憧れを持ち、特にフランスの文化の高さに惹かれ、フランス語を志向しました。大学の春休みの1ヶ月の間、寝ても醒めてもフランス語のことばかり考えるフランス語漬けの生活を続け、アナトール・フランスの「ユダヤの総督」という小説を原書で読めるまでになりました。石井さんと似たりよったりです。モチベーションが高かったのです。
 
さて、ロシア語ですが、これは難渋しています。06年4月からNHKラジオ・ロシア語講座を聞いていますが、なんといっても、ヨーロッパ系で最も難しい言語です。たとえば「結婚する」という動詞の形が、男女で別なのですから、あきれてしまうというか、感動さえ覚えます。おそらくマスターは難しいでしょう。年も取っていますから、記憶力が劣るのです。英語の難しさを1とすると、ドイツ語、フランス語は5程度、ロシア語にいたっては30くらいの難易度があります。
 
それではなぜロシア語をやっているかというと、ロシアという国の底知れぬ実力に敬意を表しているからです。
 

私は以前、イラク戦争のとき、思うところがあり、各国大使館に電話したことがあります。中国大使館には、まっっぴるまにTELしたにも拘わらず、何度かけてもだれも電話に出ませんでした。「ああ、みんなしてピッキングに行ってるんだな」と思いました。アメリカ大使館の場合、「Here in America. Speak in English.(ここはアメリカだ、英語で話せ)」と来ました。英語で話しあいましたが、傲慢だな、という印象は拭えません。

 
ロシア大使館には真夜中にTELしました。こんな時間にロシア大使館にTELするのはロシア人だけでしょうから、担当は当然ロシア語を話しました。私が「僕は日本人だけど」というと、担当は、とたんに流暢な日本語で話しはじめました。


この切り替えの早さにはドギモを抜かれました。また彼らロシア人の真摯さにも心を打たれました。それから、「こいつら、侮れない」という感想。私がロシア語にこだわるのは、この時の感動がもとになっていると言えるでしょう。付記すれば、大学時代の友人だった女性がもの好きにも、ロシア語クラスにいたことを思いだしたこともありました。ロシア語は人気がなく、ドイツ語とかフランス語なら東大理科一類だけでも一クラス50人として何クラスも出来ますが、ロシア語の場合、複数の科類を纏めてやっと1クラスという感じだったのです。彼女とは淡い恋愛感情がお互いありました。


 今日のひと言:ロシア人の間では、日本は相当研究されています。翻って日本人はロシアに関心が薄いです。平和時でも、戦争時でも、相手のことをよく知っているほうが有利なのは、言うまでもありません。その意味でも、日本人はもっとロシアを知るべきだと思うし、私はそんな意味もありロシア語を学んでいるのです。そんなわけで、過去ログから、会心の一作を再録します。


(再録) *The  Lovely Great Tyrant  Peter
   (愛すべき偉大な暴君 ピョートル大帝
                      偉大なるロシア  その2

 とにかく桁外れの男だ。身長2mを越える。ただしK1ファイターではない。週刊少年ジャンプのキャラクターでもない。そもそものロシア帝国の開祖にして、緻密な頭脳を持ち、ついでに神経は持たず(この点、要注意)、手先が大男のくせに器用。あっさりとイギリスを褒めたことがある:「イギリスでは、臣下は、王に決して嘘はつかない。すごいことだ。」「In England,minister never tell a lie in front of a king.It‘s  a great thing!!」嘘か真か、考えなくても解るだけの理性はある。

そして、Peter は皇帝で、そのうえ史上最大の暴君(Tyrant)である。さて、1日彼が君臨しただけで、何人のministerが消えてなくなるだろう?・・・私には解らない。それは嘘をついたministerが何人いるかによってのみ、決まるからだ。そもそも、そんな細かな数字、くだらなくてPeterの興味の外だ。でも、小泉純一郎だけは無事だろう。一応日本のPrime  minister だけど、そもそもministerたる資格がないので、Peterに「見えるはずも」ない。大丈夫、小泉純一郎さえいれば。日本自体、ロシアの眼中にはないから。ただし、それは日本の安全を保障するという意味ではない。
  
One  day,a minister found a Pikaresque
raping a  woman.[I must arrest him!!]
  uuuuu......[It‘s  Peter!!!][I shall die!!]
This good man,Can(!!)speak to Peter.
  Peter:[I am  punishing this.If you want,you shall play my rolle?]
  If I,morishita,never do.I hates woman.
 
  
  (↓ only  a   fiction )
   Here,a world wide famous man(forever)is.
   [Shi−ba−sen:means “The Great General”]
Shi−ba−sen said a evidently right word.

     
Here,2Great emperrors are(same Level).

 (1)Butei of Khan  (in his mind)
     [Too terrible!! His descendants  shall  be too!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!]
   ......Shi−ba−sen  lost his male sex organ.

 (2)Peter the Great (said simply)
      You  shall be the new Emperror!!!!


今日のひと言:俺は,この愛すべき暴君と、一杯やりたいな。命の保障はないけど。まあ、サンクトペテルブルグに行けばいいや、この町は、「Peter の 町」という名なんだから。


 今日のキーワード:暴君、ピョートル大帝司馬遷、週間少年ジャンプ、K1、shall、エルガー
          ロシア、イギリス
BGM:「Pump and circumstances NO1:威風堂々by Elgar 」


大帝ピョートル (中公文庫BIBLIO)

大帝ピョートル (中公文庫BIBLIO)

図説 地図とあらすじでわかる!「史記」

図説 地図とあらすじでわかる!「史記」




外国有名人のほぼアットランダムな列挙です。意図はお察しください。(通常のアルファベットを使う国の。)

ペトラルカ Petrarca
ペリー Perry
ティーヴンソン Stevenson
プルースト Proust
ボードレール Baudelaire
ライプニッツ Leibniz
ルーベンス Rubens
ポー Poe
ピカソ Picasso
セルバンテス Cervantes
ショパン Chopin
ピューリッツァー Pulitzer
シェークスピア Shakespeare
ヴィットゲンシュタイン Wittgenstein
バローズ Burroughs
ノイマン Neumann
チューリング Turing
ハーン Hearn
ペスタロッチ Pestalozzi
ロムルス Romulus
オーディン Odin
フォーサイス Forsyth
ホロヴィッツ Horowitz
パスカル Pascal
パストゥール Pasteur
コッホ Koch
イソップ Aesop
カリグラ Caligula
アーベル Abel
ガルブレイス Galbraith
キルケゴール Kierkegaard
グーテンベルク Gutenberg
グノー Gounod
クレー Klee
キュリー Curie
ハイエク Hayek
フリードマン Friedman
アルキメデス Archimedes
ユークリッド Euclid
カルダノ Cardano
関孝和 Gate great harmony
ガウス Gauss
ガロア Galois
リムスキー・コルサコフ  Римский−Корсаков