虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

植物詩人としての私:遥かなる牧野富太郎博士

大学教養課程のとき、哲学者:ウィトゲンシュタインの講義を取りましたが、その講座の講師:坂井某という人、相当に偏見を持った人でした。ひとつに、反核兵器運動をやっていたアインシュタインとかラッセルとかは、知的レベルが低い、とか、牧野富太郎さん…

『近代文学の女たち』(『にごりえ』から『武蔵野夫人』まで)前田愛

ここに書く「前田愛:まえだあい」さんは、男性で、文芸評論家です。1931−1987。(同名の女優がいますね) 「国文学者、近世文学、近代文学の独創的研究で知られる。著者独自の身体論、文化記号論を自在に援用して、小説の構造・作家の意図や仕掛け…

墨子と墨家:古代中国の発想はフランス革命より2千年余先進した

@_@老子は、古代中国の哲学者。活躍した時代には諸説ありますし、老子が誰であったかも定かではないのです。架空の人物であるという説も根強くあります。ただ『老子』と言う書物は現代に生きる我々にとって、極めて重要な実質とメッセージを持っていると思…

操体法の驚異:体の設計にミスはない・「体操」ではないよ

「楽しく」体の歪みを取る体操があります。「操体法:そうたいほう」。橋本敬三医学博士が開発したもので、体を快方向に動かします。具体的には、例えば仰向けに寝た状態で足を左右それぞれ伸ばしてみると、痛い方と痛くないほうの違いを感じるはずです。そ…

芥川龍之介と『河童』(かっぱ)〜鬼才最期の光芒

芥川龍之介には長編と見なされる小説作品はほとんどなく、短編作家だと認識されています。ただ、晩年に書いた『河童』は、彼としては珍しく中篇小説で、この作品を書いて以降、彼の作品は短編に戻り、『点鬼簿』、『歯車』など、「死の影におびえるような」…