墨子と墨家:古代中国の発想はフランス革命より2千年余先進した
@_@老子は、古代中国の哲学者。活躍した時代には諸説ありますし、老子が誰であったかも定かではないのです。架空の人物であるという説も根強くあります。ただ『老子』と言う書物は現代に生きる我々にとって、極めて重要な実質とメッセージを持っていると思われるのです。@_@
(以上の前書きは、このブログが老子絡みであるので置きました。)
墨子(ぼくし)また(墨翟:ぼくてき)は、紀元前470年〜390年頃?の中国・戦国時代の思想家、実践者。(wiki、墨子より)実践者というのは、戦争が起きた時、一方に力を貸し、実際に参戦するという「実践」を行っていたからです。彼の教団は墨家(ぼっか、ぼくか)と呼ばれ、一時期は儒家と拮抗する勢力を誇っていました。教団の指導者を鉅子(きょし)と呼び、墨子を初代鉅子として、何代か続きました。
墨子の思想は儒家へのアンチテーゼとして発想されたのですが、その教理の2大眼目は「兼愛」と「非攻」です。「兼愛」は、「自分を愛するように他者を愛する」ということで、これは画期的な発想だと思います。近代のフランス革命のスローガン「自由、平等、博愛」のうち、「博愛」はもともと「同胞愛」、すなわちフランスの同国人を愛するとかいった意味がもともとであり、「兼愛」ほど徹底された概念ではなかったわけです。フランス革命より2300年ほども以前に、「博愛」以上の概念を墨子は作り出していたのですね。墨子が愛するのは、同国人に限らず、世界の人が対象でした。
また「非攻」は、2つの組織が戦争状態になったとき、もともと戦争・侵略には否定的でしたが傍観者になるのではなく(攻撃の主体になるのではなく)防御のために戦うといった選択をし、叶わぬ場合は集団自決もいとわない集団でした。wiki(墨家)より
墨家集団は鉅子(きょし)と尊称された指導者の下、強固な結束で結ばれていた。その証左として『呂氏春秋』の記述によれば、楚において、守備していた城が落城した責任をとって鉅子の孟勝以下、墨者400人が集団自決したという。城から脱出して孟勝の死と鉅子の引継ぎを田襄子に伝えにいった使者の墨者二人も、楚に戻って後追い自殺したという。このような強固な結束と明鬼編の存在から、墨家集団は宗教集団的色彩をも帯びていたであろうと思われる。
さらに「尚賢」という考え方もあり、つまりは賢人を積極的に登用し、国力の充実を図るというものです。ここでちょっと余談ですが、私は一時期「はてなグループ」で立ち上げられた「老子を読む」に在籍していたのですが、管理人のid:kiku38dさんが行った考察があり、老子は「不尚賢」という言い回しをしているので、これは墨子の本を見た後で書かれたと思われ、老子は儒家も墨家も等しく批判していたことが解ると同時に、『老子』が書かれたのは、孔子、墨子の時代からすこしは下がる時代のことであろう、との主張だったと思います。傾聴に値する意見だと思います。kiku38dさんも、この見解には大いなる自信をもっておられたようで、「何人専門家が来て“違う”といっても、この見解は揺るがない」と書かれてました。
このような主張は10項目あり、墨家の思想の基盤を語っています。あと7つを列挙すると、「尚同」「節用」「節葬」「非命」「非楽」「天志」「明鬼」になります。儒家の教義を否定する項目が多いです。(wiki、墨家より)
ただ、この墨家の伝統は秦の始皇帝以来途絶えました。墨家は、自治思想のもと、圧迫してくる中央権力には抵抗する主張と実践を事としていたので、焚書坑儒の恰好の標的にされたのですね。他の諸子百家は、自分個人の修身の教義に隠れることが出来るものだったのですが、不器用な墨家にはそれが出来なかったのですね。
今日のひと言:「墨守」という言葉があります。自分の主義を朴訥にも守りとおす姿勢といった意味ですが、この言葉は無論、墨子から発想されたものです。

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今日の一品
@ホッケのバター焼き
弟作。ホッケをバターで炒め、山椒を振りました。
(2018.06.13)
@コリンキー、トマト、チーズの炒め物
弟作。小型のカボチャ・コリンキーを炒め、トマトを入れ、塩コショウ、チーズ投入。
カラフルで、見た目楽しめます。味も良い。
(2018.06.14)
@ゴボウ豚肉巻
弟作。名前だけでどんな料理か解りますね。
(2018.06.14)
@牛バラカルビのローズマリー風味
ハーブのローズマリーは風味が強く、牛肉料理、ラム肉料理に最適と言われます。今回は表題の牛肉を炒めるときに刻んで入れました。味はまあまあ。
(2018.06.17)
今日の詩(2編)
@栴檀は双葉より芳し
その難しさから
これまで栽培を避けていた
ラベンダーが無事発芽し、
このほどプランターに植えた。
小さな苗だが
既に成長した
ラベンダーの香りがする。
ハーブの女王、
「栴檀は双葉より芳し」だ。
栴檀(せんだん)は、その香りで有名な木。
(2018.06.12)

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@田植の跡
今では流石に手植えは少ないが
田植機を操る人も、それぞれで、
条を真っ直ぐに描けない人も多い
でもそれはそれ、個性的で宜しい。
(2018.06.17)
今日の二句
春先に
カボチャ・サトイモ
何語る
畑で成長しつつあるカボチャとサトイモの会合。「仲良きことは美しき哉」(武者小路実篤)
(2018.06.14)
クサノオウ
何故に王だか
露知らず
クサノオウはケシ科の植物で、茎を切ると黄色い汁が出てきます。それで「黄」?
別の説もあります。
(2018.06.16)