虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

「玄武」をイメージトレーニングしよう!+リトープスの脱皮(随想録―18)

「玄武」をイメージトレーニングしよう!


中国でいう東西南北の四方を守る四神(ししん)のうち、北方を守る動物神を「玄武:げんぶ」という。この神は、蛇と亀の二体が合体した姿をしている。まあ、夫婦神だな。ほかの神:青龍、朱雀、白虎は一匹単独であるから、例外的だ。そして、玄武は攻防一体、四神で最強と言われる。(四神は、よく古墳の主の部屋に描かれる。)



では、蛇と亀、性別は?・・・蛇は攻撃的であるから、オスで、亀は防御的であるから、メスである、とは言えそうだ。では、見方を変えてみよう。オスの生殖器には「亀@」(自粛)がついているので亀はオスの生殖器で、ぐるぐる巻きにする蛇はメスの生殖器を意味するであろう。こちらの見方も成り立つ。ともかく、オスとメスが互いに立場を変えて敵と戦う姿を、玄武は意味しているのだ。


なお、青春という言葉、青龍、朱雀、白虎、玄武と同じ色を配し(玄=黒)、青春、朱夏、白秋、玄冬とする。人生真っ盛り、壮年の人は「朱夏」にいる。また、人生の始まり・終わりは「玄武」に当たるだろう。


なお、イラストに「電磁コイル」と副題をつけたのは、中学で学ぶ電磁気学の基礎である、鉄心に銅線を巻いて通電すると、磁場が(磁石が)強くなるという法則をイメージして描いたもの。電磁気学の世界は、ある意味セクシーなのだな。


iirei.hatenablog.com


 (2022.04.25)





今日の詩

@(脱皮する植物:)リトープスソネット


リトープス多肉植物の一つで
南アフリカの砂漠に自生する。
双子葉植物の双葉がそのまま成体に
なったようなもので、


見方によっては女性性器を連想するので
戦時中は栽培するな、という石頭もいた。
リトープス、黄色かオレンジの可憐な花を咲かせ
生きた宝石」とも称される


もうひとつ、この植物は脱皮をする。
形が決まっているため、より大きくなるため
古い皮を脱ぎ捨てるのだ。


その生態は、ある意味動物的だ。
砂漠では動物による補食を逃れるため石のよう。
まあ、奇想天外な植物ではある。




PS:リトグラフと言えば、石版画のことで、「石っころ」という意味が共通。石ころ草だな。

 (2022.04.22)






今日の6句


子ガエルを
背に負い自若
蛇来ない



門柱の置物。

 (2022.04.20)



花だけは
ジギタリス似の
謎の花


後に、栽培していた人に訊いたら、「リナリア」だった。「華やかではない」・「オオバコ」の仲間だ。この派手さで?

 (2022.04.20)



霞(カスミ)喰い
長寿を保つ
赤城山



 (2022.04.21)



こんなにも
可憐な花が咲いたよ
現の証拠




自由律俳句。ゲンノショウコの花は可愛いです。

 (2022.04.23)



いつの間に
庭に入りしか
ヒナゲシ



何年もこの家に住んでいますが、ヒナゲシが自生したのは初めてです。背景の紫の花はヘアリーベッチ

iirei.hatenablog.com

 (2022,04.23)



休耕地
青い花たち
群れており



 どんな植物かは不明。

 (2022.04.23)

ウクライナ人の愛国心:patriotism(随想録―17)

ウクライナ人の愛国心:patriotism(随想録―17)



主に戦争用語として使われる経験則に「ランチェスターの法則」というのがある。2つのシチュエーションから成っていて、大きな規模の攻撃が行なわれる戦争の第1ステージには、優勢な勢力は快進撃を行なう(第1法則)が、市街戦などに舞台が移ると、勢力が均衡し、戦争は長引く(第2法則)というのがこの法則の意味だ。


ロシアがウクライナに仕掛けたこの戦争は、今まさに第2法則が支配している。これはむしろウクライナのほうが有利な状況になっている。ウクライナ軍は、戦意旺盛で、戦争に嫌気がさしてきてきたロシア軍将兵に反撃する態勢になっている。むしろウクライナ人の愛国心は「カッコよい」。そうそう、2022.04.14のニュースでは、巡航ミサイルを使ってロシア海軍の旗艦「モスクワ」を沈めたという。ロシアの鼻っ柱をへし折ったのだ。


それにしても、青年・壮年層の男性が、国外に逃げるのを禁止され、不平も言わずに従軍するという「愛国心」はどうだろう。愛国心・・・この言葉には謎が多い。実際、現代の日本では、国民一般を犠牲にすることを意に介さない自公与党+αがこの言葉に言及すると、国民の間からは非難の言葉が上がる。でも、外敵への対応はなんの疑いもなく自衛隊のみに任されるのだ。それは一つに、現政権への、国民の不信感があるのだろう。もうひとつは、国民の側の問題で、戦争を、他人事のように見るように、日本国民が自己形成してきたという事実もあるのだろう。自分自身が、兵士になることは眼中にないし、想像さえ出来ないだろう。私だってそうだ。


実際、日本が中国に侵略された場合、日本国民はどう対処するのだろう。ウクライナ人のように、カッコよくあるだろうか?あっさり降伏したら、「人民解放」軍と中国政府の苛烈な虐待・虐殺が待っていることは疑いない。だって、現在の中国国歌には、「日本軍を追撃せよ、殲滅せよ」という歌詞が出てくるのだから。WW2の恨みを日本に叩きつけたくてウズウズしているのだ。


思うに、日本より、ウクライナのほうが健全な国家だと。


 (2022.04.07)






今日の詩


@苔(コケ)の生き甲斐


苔は水の子だが乾燥にも強い
水分が完全に抜けても死なない。
いつか来る雨をひたすら待つ
雨さえ降ればこっちのもの――
美しいモスグリーン(苔緑)をまとう。


――こんな外因に左右される存在、
苔には生き甲斐というものがあるのか?
苔は寡黙にして答えない
生き甲斐があってもなくても
生きて行く


スグリーン (2021.06.24)


干上がり (2022.04.18)

 (2022.04.18)





今日の5句


陽を浴びて
銀杏の若葉
透き通る



 (2022.04.18)



矢車の
インクになるや
色素なり



ハーブとしての矢車草は、インクの原料でした。

 (2022.04.18)



柔らかな
新芽吹きたる
クワの木や



美味しいドドメが期待できるか?葉も美味しい。

 (2022.04.19)



ネコジャラシ
実は麦なり
粗放蒔き



 これまではネコジャラシが生えていたと考えていた雑木伐採地。

 (2022.04.19)



フェンス外
ユンボの犠牲に
成らぬべし



菜の花が、ユンボにやられぬ位置で咲き誇ります。

 (2022.04.19)