虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

ジャズ(Jazz)とロック(Rock)の語源:「いかがわしい音楽」として

ジャズとロックは、どこかしら発生条件が似ていると思います。(このブログは前回のクラシックブログの続編です。)

     : http://d.hatena.ne.jp/iirei/20180828#1535406152


ジャズについては

“Jass"という言葉の意味は性行為をさすスラングだったらしいです。もともとはフランス語の"jaser"(元気をつけるという意)からきたものだといいます。現在の辞書を引いても"jass"という言葉は見当たりません。女郎屋のことを"Jass House","Jazz House"ともいったそうです。


女郎屋でバンドが音楽をやるなんて日本ではあったのでしょうか。四畳半で爪弾きなんていうのはありましたが。あまりにいいジャズを聞かせるので「それだけ聴いて帰って来ちゃった」なんていったら面白いですね。

http://www.ozsons.com/JazzWord.htm (より)


このようにジャズは「如何わしい:いかがわしい」音楽であると、呪われたスタートだったのですね。ではロックはどうだったのでしょう。


ロックンロール(Rock and Roll, Rock ’n’ Roll)は、1950年代半ばに現れたアメリカの大衆音楽スタイルの呼称である。語源については、古くからアメリカ英語の黒人スラングで「性交」及び「交合」の意味であり、1950年代はじめには「バカ騒ぎ」や「ダンス」という意味もあった。これを一般的に広め定着させたのは、DJのアラン・フリードであった。


1960年代後半には「ロック」という呼び方が一般化し、「ロックンロール」と呼ぶことは少なくなった。


一方で、「ロックンロール」と「ロック」は別の物として使われることもある。1960年代後半、ロックンロールが進化してその枠を壊し、新たなサウンドが生まれ、それらのサウンドの総称として「ロック」という言葉が使われている。

(wiki:ロックンロール)


ロックもジャズに似て、マイナス・イメージからの出発でした。もともとクラシック好きだった私は、大学入学後、自分の不確かな未来に鑑み(ノストラダムス的終末観に影響されたのです)、クラシックから離れてロックの音楽世界に遊びました。この頃、クラシックは聴かなかったですねえ。ロックは正に「如何わしい」音楽であり(それはジャズと同じく)人の知性というより本能に訴えかけ、放埓な性交渉にまで繋がるという邪悪さも持ちます。


ニーチェの分類(『悲劇の誕生』という著作による)に従えば、クラシックは「アポロン的なもの」、ロック、ジャズは「ディオニュソス的なもの」とすることが(一般的に)言えると思います。アポロン的とは陽、道徳的、健康、プラスのものを示し、ディオニュソス的とは陰、非道徳的、不健康、マイナスのもの・・・と言った感じで芸術・芸能を分析するのです。



今日のひと言:以前坂本龍一さんがNHKEテレで放送されていた「スコラ・音楽の学校」で、クラシック音楽とジャズ音楽を「対置」して論を進めていた点、特に音作りにおける大きな違いについて、クラシックが、一人の人物の意図に収斂されるのに対し、ジャズはメンバーの掛け合いから音ができるとされたと記憶していますが、成る程な、と思ったものです。


多分クラシックを上品ぶって聴くという行き方を取る、裕福な階層と、それに対抗する如何わしい階層。その意味では、ポピュラー音楽など他のジャンルのものも、始めは「いかがわしかった」のだと思います。如何わしさはクラシックの歴史を探っても多分見られるものでしょう。


そして、如何わしさが品位ある姿に変わる時、クラシックに変身するのでしょう。よく言われますが、最初はいかがわしかったビートルズのロックは、いまやクラシックともされているでしょう?



最強版 ロックの50年、究極の500枚

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悲劇の誕生 (岩波文庫)

悲劇の誕生 (岩波文庫)




今日の一品



@ハンペンのコンソメ



ちぎったハンペンを、コンソメキューブ1個を溶かしたお湯で煮込み、皿に取りあげて乾燥パセリを掛けて出来上がり。

 (2018.08.27)



@舌平目のムニエルとホタテのバター炒め


弟作。バターを多く使う料理でした。それにしても、舌平目(したびらめ)はここ10年ほど品薄です(ほとんど見ない)。ムニエルに最適で、美味しいのに。

 (2018.08.28)



@イリコの辛みダイコン・醤油和え



オヤツとして買ってきた小魚のイリコ(煮干し)を、シラス干しのようにして見ました。グッド。

 (2018.08.29)



雲南百薬エゴマ汚し



雲南百薬(オカワカメ)は南米原産のつる性植物。ツルムラサキ科。栄養分豊富です。


http://d.hatena.ne.jp/iirei/20121120#1353406088

 :オカヒジキオカジュンサイ〜「岡**」と言われる植物たち

 (2018.09.01)



@レンコンのオカカ炒め


弟作。乱切りにしたレンコンを、マヨネーズを敷いたフライパンで炒め、オカカの振りかけで味を整えました。珍味。

 (2018.09.01)






今日の詩(2編)


@カセットテープ


つれづれに古いテープを
引っ張り出し聴く。
その中身は亡き飼い猫:チョマと
これまた亡き父の
語らいが記録されている。


最初の録音ではよく声が出ていた。
数か月後の最後のほうではか細き声。
途切れ途切れで命短いように思われる。
チョマには死期が迫っていた。
それを気づかう父。


チョマは1998年に生涯を閉じた。
そして2009年父も死んだ。
このカセット、両者の声が
録音されているので懐かしく、
捨てがたいのだ。



(参考過去ログ) http://d.hatena.ne.jp/iirei/20140806#1407319236

 :手のない招き猫(散文詩)〜〜チョマの生の軌跡

 (2018.08.28)





@写真


金沢市周辺の祭りなどを
写真で精力的に撮り上げるブログがある。
華やかだなあ、と思っていたが
作家の佐野眞一が書くには、「金沢が
周辺地域から財貨を巻き上げた証だ」と。


調べてみると、確かに
加賀藩は今の富山県も大部分含む
大藩・・・100万石だったのだ。
それで贅沢な祭りが多数あるわけだ。
そう思うと、これ等の祭りが疎ましい。


写真はしばしば実体の
希薄なイメージを
まき散らす、表層的なものだからだ。
してみれば、「インスタ映え」など
幼児の遊びだ。



佐野眞一が書いた本は「巨怪伝」(富山県出身の正力松太郎の評伝、発言は正力・本人)

 (2018.08.31)




今日の三句


シジミチョウ
稲穂でくつろぐ
風情かな



うまく写真が撮れませんでした。画面中央黒っぽいのがシジミチョウ。

 (2018.08.29)




アンタレス
火星ともども
輝けり



赤く輝くことで有名なこの2つ。さそり座のα星アンタレスと言うのは、アンチ・アレス(アレス:火星に対抗するもの)と言った意味でした。

 (2018.08.30)



軽トラの
走り踊りて
農繁期



軽トラは、ミニトラックのような軽自動車。

 (2018.09.01)





謎の植物



写真の植物がなんだか解りません。何でしょう?


 (2018.09.02)