相須(そうす)と食べ合わせ(合食禁):食材同士の相性
以前、友人の鍼灸師の人から、「唐辛子とニンニクは、お互いの毒を消しあう相互作用がある」と聞いたことがあります。その意味で言うと、韓国料理のキムチは唐辛子とニンニク、両方使いますので、理に叶っているとも言えます。今回はこのような食材の組み合わせについて考えてみようと思います。
漢方医学の考え方の類別にある4つの作用。
1)相須(そうす)同じ性質の生薬をあわせ作用を強める
2)相使(そうし)違う性質の生薬で作用を強める
3)相畏(そうい)互いに抑制しあって有害な作用を軽減させる
4)相悪(そうお)両方の作用が減る組み合わせ
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000001277
を参照。
上の4分類で「唐辛子、ニンニク」を考えると相須というより相使であるように思えます。ただ上の情報では具体的な食材(ないし生薬)の例が挙げられていませんので、ちょっとアプローチを変えてみます。それは「食べ合わせ=合食禁」です。wikiから。(抜粋)
日本で伝えられている合食禁は、元は中国から伝えられた本草学における薬物相互間作用の研究に加えて陰陽五行思想を食材にあてはめたものとされる。このため、科学的根拠の無いものもあるが、中には医学的に正しいとされるものも存在している。
日本に古くから伝えられる合食禁
天ぷらと西瓜
• 鰻と梅干し: 鰻の脂っこさと梅干しの強い酸味が刺激し合い、消化不良を起こすとされた。ただし実際には、消化不良に関して医学的な根拠はなく、酸味が脂の消化を助けるため、味覚の面も含めて相性の良い食材である。『養生訓』には「銀杏に鰻」と記されており、これが転じたとするほか、高級食材である鰻の食べすぎを避けるためなど諸説がある。
• 天ぷらと氷水: 水と油で消化に悪いとされた。実際、胃の負担が増加し、消化に支障をきたすことが確認されている。
• 天ぷらと西瓜: 同上。
• 蟹と柿: 本草綱目に記載。体を冷やすとされた。実際に、蟹の身に体温を下げる効果があることが確認されている。柿の実も同様。この食べ合わせは李氏朝鮮の国王景宗の死因とされる。
• 鮎と牛蒡: 旬が大幅にずれている例。
現代の栄養学的・医学的知見に基づいて、避けるべきとされている食物の組み合わせ。
• スイカとビール: 両方ともほとんど水分であるが、利尿作用もある。ビールの摂取が進みすぎ、急性アルコール中毒を引き起こす可能性がある。また、水分を摂っているつもりでも気づかないうちに脱水症状に陥っていて、水泳前や入浴前では水死の危険性もある
• お茶と鉄分(非ヘム鉄)を含む食品 : お茶による食品中の鉄分(非ヘム鉄)の吸収阻害のこと。 食後に茶(特に緑茶)を摂取すると、食品中に含まれる非ヘム鉄は吸収を受けにくい形に酸化されてしまう。鉄欠乏性貧血で悩む女性やダイエットによって鉄分の補給が十分でない人は、食後すぐに緑茶を飲むのは避けるべきである。
• 生の卵白とビオチンを含む食品(代表例:酵母、レバー、豆類、卵黄など): アビジンがビオチンの腸管からの吸収を阻害する。
• ラムネ系食品(代表例:メントス)と炭酸飲料(代表例:ダイエットコーラ): 食道から胃にかけて損傷する。
今日のひと言:日本の合食禁の場合、漢方医学の組み合わせ4類型のうち、4)相悪のジャンルに入るものばかりですね。私が考えている相使の例として、「大豆、昆布」などもあります。いり豆の袋に炒った昆布が入っているのはよく見かけます。たぶん、この組み合わせは、両者の栄養価を高め合うように思います。ほかにも探せばいろいろあるでしょう。

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今日の一品
@ヤマイモサラダ
弟作。短冊に切ったヤマイモを軽く茹で、マヨネーズ、ヤマサの昆布汁、オカカ振りかけ、七味唐辛子で和えました。ヤマトイモではありません。粘りではヤマイモ、長芋はヤマトイモには及びません。でも、すりおろす以外の料理で生きます。
(2018.01.26)
@刺身こんにゃく
あっさりと酢味噌で食べるのが刺身こんにゃくのトレンドですが、以前こんにゃくの町・群馬県下仁田町に住んでいたころ、大家は「都会の連中は粉をちょっとしか使っていない刺身こんにゃくが美味いというが、粉をたっぷり使ったこんにゃくは“ブリブリ”していてずっと美味しい」と言っていました。美味しいけど、刺身こんにゃくには、地元民の複雑な感情を引き起こす側面があります。
(2018.01.27)
@赤魚粕漬けのタラゴン掛け
魚の種類は解らないけれども「赤魚」粕漬けをチンしたあと、魚介類に良く合うハーブ・タラゴンで香り付けしました。良い風味が加味されました。
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20151010#1444432186
:タラゴン〜〜繊細にして豪放なハーブ
(2018.01.27)
@ウド料理2品
左:ウドの梅肉和え 右:ウドの卵とじ
いずれも、クックパッドのレシピにありましたが、実際の調理は我流でやりました。前処理としてウドを皮は剥かずささがきにして20分ほど酢水にさらし、軽く茹でました。
1)梅肉和えは、潰した梅肉(小梅3個分)とカツオ節を混ぜ、ウドと和えます。
2)卵とじは、水、醤油、コンブダシ、砂糖を鍋で加熱し、ウドを投入、しばらくして卵2個分をいれて閉じます。
どちらの料理も、ウドの風味が生きました。
(2018.01.27)
@ハンペンの地層焼き
弟作。ハンペンの上にオイスターソース、チーズ、揚げ玉と層をなして重ね、オーブントースターで180℃、10分焼きました。(だから地層焼き)ハンペンの甘さが前面に出て、お菓子のような風味になりました。
(2018.01.29)
今日の詩(2編)
@川をいじめる人間
散歩して川に差し掛かったところ、
水が泡立つのを見た。
これは合成洗剤が流れているのだ。
人は要らぬ物をなんでも川に流すが
牛乳だったら10000ppmほどの
BOD(生物化学的酸素要求量)になる。
川が持つ自浄能力は5ppmが限度
その10000という数字は薄めて
5にするしかない
それが不可能な場合は川の生物たちはダウンする。
発生源の各家庭が水との付き合いを
根本的に見直すべきなのだ。
もっとも、ゴミを川に捨てる輩は
論外だね、
人間としての資格がない。
(2018.01.30)
@シオ:潮、それとも汐?
同じような意味を持つものとして
潮と汐があり、ほとんどの人は区別できないだろう。
ふと気づいたことだが、
「潮」は「朝+サンズイ」、「汐」は「夕+サンズイ」で
朝・夕の旁(つくり)がセットになっている。
字義としては「朝のシオ」が「潮」
「夕のシオ」が「汐」。
時間ごとのシオをはっきりさせるため、
使い分けられている。
「潮汐:ちょうせき」とはシオの満ち引きのことになる。
(2018.01.29)