ワラビ、ゼンマイ、コゴミ:おなじシダ類でも個性が違う
以下は、私の過去ログの一節です。
@ワラビたまり漬け
古代中国で、殷を倒して周の国が出来たとき、「不正な王朝だ」と周の飯は食わぬ、と首陽山にこもり、ワラビやゼンマイを食べて餓死した伯夷・叔斉兄弟の逸話は有名ですが、実際ワラビやゼンマイは毒を含む食材で、よくあく抜きして、また、たまに食べるようにするのが賢明です。今回の製品は毒物が平気で食材に混じる中国産ではなく、ロシア産であることが案外重要です。
(2016.03.26)
今回は、シダ植物としてはおなじなのに、科が違うなどして、性質もかなり変わる、表題の3つの植物の特徴を比較して見ようと思います。
@ワラビ:wikipediaより
ワラビ(蕨、学名:Pteridium aquilinum)はシダ植物の1種。コバノイシカグマ科。かつてはイノモトソウ科に分類されていた。草原、谷地、原野などの日当たりのよいところに群生している。酸性土壌を好む。山菜のひとつに数えられている。春から初夏にまだ葉の開いてない若芽(葉)を採取しスプラウトとして食用にするほか、根茎から取れるデンプンを「ワラビ粉」として利用する。ただし、毒性があるため生のままでは食用にできない。伝統的な調理方法として、熱湯(特に木灰、重曹を含む熱湯)を使ったあく抜きや塩漬けによる無毒化が行われる。
ワラビは山菜の中でも灰汁が強く、食べる為には灰汁抜き(アク抜き)が必要である。処理の前にある程度長さを揃えておき、折り口を綺麗に切り揃えておくと良い。家庭によっては切りそろえたものを紐などで1食分くらいに束ねておく。ワラビの上から重曹や木灰をふりかけ(揃えた切り口に重曹や木灰を擦り込む方法もある)、沸騰した熱湯をその上からかけ、新聞紙や大き目のポリ袋で落し蓋をして一晩置く。翌日きれいな水で洗いアクを流し、調理する。おひたしや漬物、味噌汁の実などとして食べる。
ワラビには発癌性のあるプタキロサイド(ptaquiloside)が約0.05-0.06%含まれる。また、調理したものであっても大量に食べると全身が大量出血症状になり、骨髄がしだいに破壊され死に至る。しかし、ワラビ中毒がきのこ中毒のように問題にならないことから判るように、副食として食べている程度ならば害はない。またアク抜き処理をすればプタキロサイドはほとんど分解され、ジェノンという物質になる。
ゼンマイ:wikipedia より
ゼンマイ(薇、学名Osmunda japonica)は、ゼンマイ科の多年生シダ植物。
根茎は短く斜めから立つ。葉は高さ0.5〜1メートル、新芽はきれいなうずまき状で、その表面は綿毛で覆われているが、成長すると全く毛はなくなる。葉は2回羽状複葉。シダとしては切れ込みが少ないタイプに属する。栄養葉では個々の小葉は幅広い楕円形っぽい三角形で先端は丸く、表面につやがなく、薄い質である。胞子葉が独立し、栄養葉より高くまっすぐに立って棒状の小葉が並ぶ。まれに栄養葉の一部に胞子嚢が出る場合があり、これをハゼンマイとして区別する説もあるが、偶発的なもののようである。新芽の外観はややコゴミと似る。
北海道から沖縄まで、国外では樺太、朝鮮、中国からヒマラヤまで分布する。
ゼンマイ(wiki)↓
コゴミ:wikipedia より
クサソテツ(草蘇鉄、英:Ostrich fern、学名:Matteuccia struthiopteris)とは、イワデンダ科(分類によってはメシダ科Woodsiaceaeに分類される)の多年生シダの一種。別名コゴメ、カンソウ、ガンソウ。若芽はコゴミ(屈)といい山菜のひとつである。日本各地、北米大陸の北東部に自生する。また観葉植物として庭に植えられることも多い。
5月上旬から6月中旬に渦巻状に丸まった幼葉を採取し、おひたし、サラダ、ゴマ和えなどの和え物、天ぷらなどにして食べる。ワラビほど強くない独特の「ぬめり」があり、ゼンマイなどと違ってアクがないため調理が容易である。少量であれば生でも食せるが、大量に食べるとお腹が緩くなるので注意。
この3種、成長するとおなじように見えますが、三者とも所属する科が違うのですね。また、注意すべき毒成分については、ワラビ、ゼンマイなどが有毒なのに対し(ゼンマイについてはwikiでは明示されていませんが、毒を持つことは間違いないようです。例えば朝鮮料理ではゼンマイがビタミンB1を破壊することを逆手に取り、精力旺盛な独身の若者・・・チョンガーが食べて力を抜くべき食品とされています。) コゴミはほとんど毒成分を含んでいないことが解っています。
今日のひと言:私は、ワラビについては、このブログの初めに挙げたたまり漬け、ゼンマイについては朝鮮料理のナムル、ビビンパなどで親しみ、コゴミは栽培して食べたことがあります。どれも美味しい山菜です。中毒にならないようにこれらと巧く付き合うのがいいですね。なお、ワラビは流石に食べられるシダ類の代表で、wikiでの記述も長くなっています。
志のうた―中華愛誦詩選 伯夷・叔斉から毛沢東まで (中公新書)
- 作者: 竹内実,吉田富夫
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1991/08
- メディア: 新書
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 紫式部
- 発売日: 2012/09/13
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 高正?子
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2010/06/08
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 平松洋子,菊地和男
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 1994/03/01
- メディア: 大型本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
今日の一品
@サバのマリネ(〆鯖)
前日作った鯖の塩焼きのリメイク。イタリアン・パセリを添えて漬けました。
(2016.05.02)
@モヤシのケチャップ・ウコギ炒め
前回とりあげたウコギを使ったケチャップ炒め。ほかにピーマン、ブナシメジ、塩、卵。風味付けはコリアンダー。
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20160502#1462117568
(2016.05.03)
@ウルイ、モツ、ハンペンの炒め煮
春を彩る山菜、ウルイ(ギボウシ)。これまでもお浸し、サラダにして食べていましたが、いまいちピンと来ませんでした。そこで今回はウルイを炒めて、モツ(豚ホルモン)、ハンペンと炒めました。まずウルイをゴマ油で炒め、モツも炒め、水を足して最後にハンペンを加え、味を吸わせて出来上がり。ウルイは苦い・味な味を出します。よく似た毒草のバイケイソウに注意。
(2016.05.04)
@鶏モモ肉のガパオ
弟作。ガパオ・・・「タイ料理で肉類とカミメボウキをナンプラーとオイスターソースとともに炒めた料理。主に豚の挽肉が用いられるが、肉の代わりに魚介類やキノコなどが用いられることもある。(wiki)
(2016.05.06)
今日の一首
カサコソと
何かと見るに
枯れ落ち葉
季節外れの
時空間なり
(2016.05.02)
今日の一句
桐の花
藤に劣らぬ
艶姿(あですがた)
桐の花も綺麗なムラサキの花を咲かせます。
(2016・05.07)