このようなテーマが与えられたとき、どう考えるでしょう。私は、猫に関する言い回しのほうが犬に関する言い回しより多いと思ってきました。それは、猫に取っては、「不名誉」な言い回しが多いこと。たとえば「猫に小判」「猫糞:ねこばば」「猫背」「猫舌」など、並列的に想起できるでしょう。「猫の手も借りたい」、これは猫が人の仕事には何の役にも立たないことから来た逆説的表現だと思います。「猫を被る」、本性を隠す・・・といった具合です。
一方犬の場合、植物の名称によく使われるようで、「イヌサンショウ」、香りがしない山椒。「イヌビユ」、人も食べられるけど、さほど美味しくない・・・「オオイヌノフグリ」という野草もありますが、この名の由来については、書かないでおきましょう。
では、猫と犬に関連した言い回しはどれだけあるか、ある程度定量的に示すため、今回は広辞苑(第4版)で、それぞれに関する言い回しを、辞書本文の記述量・・・より正確に言えば、何ページ占拠しているのか比べるのです。
猫の場合、広辞苑で関連している言葉として、約1ページになりました。犬の場合、約1.5ページで、私の予想に反してイヌのほうが、言及数は多いことになりました。なお、広辞苑の場合は、1ページは4段組、1段について50語くらいは収録していますから、猫の場合、200語くらい、犬の場合、300語くらい取り上げられているのですね。
犬は人間にとって、最古の家畜、猫はもとエジプトでかなり人為的に家畜となった動物ですが、やはり人間との付き合いの長い犬のほうが、人の目を引きやすく、その分犬のしぐさ、行動を観察して、言い回し(慣用句)も多いのでしょうね。
今日のひと言:「いぬ」も「ねこ」も大和言葉だと思うのですが、その呼び名の由来については、ほとんど聞いたことがありません。特に「ねこ」の場合、睡眠ばかり取っているので「寝・こ」だというものです。その猫が重要な家畜だと認知されたのは、やはり中世ヨーロッパで猛威を振るった「ペスト:黒死病」をノミを通して媒介させるネズミ退治に向いていたこともあったでしょうね。「猫を飼えば、ペストが退治できる!」これは人と猫の、極めて重要な互恵関係だったのですね。(ネズミを食べても猫はペストには罹らなかったのです。)もっとも猫の飼育を初めて行ったエジプトでも、猫を対病気用に使っていたと、広辞苑に書いてありました。
そこへ行くとやはり「いぬ」の語源は不明ですね。どなたか知ってらっしゃる方、ご教授ください。なお、以前新聞記事で読んだのですが、イヌとネコの飼育頭数、昔はイヌがネコの2倍ほどの頭数、飼われていましたが、最近ではややイヌのほうが多いけれど、その飼育頭数は接近してきているそうです。
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今日の一品
このところ、春の風味に酔っています。
@コシアブラのバター炒め
私的には、山菜の王様であるコシアブラ(ウコギ科)。例年この時期に天ぷらにしてきましたが、今回はバターを使って炒めました。途中で熱がよく通るように水を足し、皿に降ろしたあと、塩をふりました。天ぷらと同等な味でした。これは使える。
(2016.04.26)
@ウコギ入りチャーハン
ウコギの新芽
我が庭の主のように生命力豊かな樹。ウド、タラ、コシアブラなどウコギ科植物の大元で、苦い風味が春を感じさせます。
参考過去ログ
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20090824#1251092373
:上杉鷹山と「かてめし」(かてもの)
(2016.04.30)
@山椒の若芽の味噌和え
まだ若くて赤色っぽい新芽を味噌・砂糖と混ぜ、電子レンジで2.5分チン、ちょっと冷えたところで2分チン。美味しい調味料になりました。(ご飯に乗せて食べると美味しい)
山椒風味スパゲティ
茹でたスパゲティにこの味噌和えをスプーン小2くらい加えました。山椒の風味が鼻腔をくすぐります。(2016.05.01)
(2016.04.30)
@カラスノエンドウの莢(さや)の混ぜご飯
エンドウのミニチュアのようなカラスノエンドウ。莢を採って来て軽く茹で、昆布だし(ヤマサ)に漬け、炊き上がったご飯に混ぜました。物によって差はありますが、硬いのもありました。
(2016.04.30)
今日の詩
@紙漉きと原罪
川辺にて
ゴミを掬って
紙を漉く。
紙さえなければ
文明の暴走を
抑えられたものを。
就寝前に一瞬浮かんだ詩。そのまま書きました。
(2016.04.26)
今日の一句
宝石を
その身に纏う
水苔や
我が家の門柱に生えた苔。折からの雨で、雨粒が宿りました。
(2016.04.28)