虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

尾崎豊と中原中也〜青春のいらだち

尾崎豊(1965−1992)は、その印象的な諸作品から、「カリスマ」と称されたミュージシャン&シンガーソングライターで、彼の衝撃的な死のあとでもいわゆるフォロワーが生まれる稀有なミュージシャンだったようです。ようです、というのは、私は彼の活動期、日本の音楽は聴いていなかったので、彼の作品には馴染みが無かったのです。


尾崎は、その衝撃的な最期が話題になりますが、wikiによれば

当初の公表と死体検案書との乖離
初めは、事件性がないとして行政解剖が行われる予定だったものの、千住署、警視庁、検察庁が前日夜に協議した結果、全身にすり傷があり右目の上にコブもあることから、司法解剖に切り替えられ、午前10時から東京監察医務院の医師らによって検視、その後解剖が行われた。その結果、死因は肺に水がたまる肺水腫であると発表され、極度の飲酒によるものだと考えられた。しかし、1994年、尾崎の体内から検出された覚醒剤に言及した司法解剖の結果が記載された「死体検案書」のコピーがマスコミに流出すると、当初報じられた司法解剖の結果に疑義が呈された。


司法解剖医による見解
検死を担当した支倉逸人によれば、尾崎の死因は肺水腫であることのみを発表し、肺水腫の原因が覚醒剤中毒であることは伏せられていた。中毒は経時的な悪化によるものではなく、大量の覚醒剤服用(オーバードース、薬の多量摂取)による急性メタンフェタミン中毒が引き起こした肺水腫と結論付けられている。内臓も覚醒剤を経口摂取した形跡があり、肺にも覚醒剤中毒の症状が見られたという。


尾崎の場合、過激な歌詞が多いミュージシャンだな、と思います。「卒業するとき、学校の窓を壊して回った」(♪卒業)とか「盗んだバイクで走る」(♪15の夜)など、ある意味反社会的な行為を沢山行い、あまり普通の人には奨められない行為が「歌詞」に満ちています。でも、この「チョイ悪」感が、当時の若者に受けたのでしょう。まあ、これら過激な歌詞は、尾崎の実体験ではないかも知れませんが。


じつは、ここまでの記述は、私のブログ友(id:mikutyan)さんのブログで、詩人・中原中也(1907−1937)に関する記述を読んだとき、この中原の経歴は、どこか尾崎豊に似ていると思い、その共通項が「青春のいらだち」といった言葉で括れるかな、と思ったのです。


その中原の人物像についてwikiより

中也の性格について、中也の弟呉郎の解釈によれば、「農から出て立志した父の“荒い血”と封建の臣として淘汰された母方の“静かな血”の混血から成るもの」という。
中也は大岡昇平を殴ったことがあった。他にも中村光夫をビール瓶で殴った上に「お前を殺すぞ」と暴言を吐いたと言われている。

中原は酒癖が悪かったそうで。悪い絡み方で太宰治をやり込めてもいます。


中原は、その有り余る青春のパワーを持て余していたように思い、その一点で尾崎に似ているようにも思えたというわけです。ちなみに、中原は30歳、尾崎は27歳で亡くなっており、どちらも「青春のいらだち」を昇華できないまま、不如意の死を遂げたのだと思います。



今日のひと言:現在の「サトリ世代」の若者の中には、尾崎豊について「ジコチュー」だとの見解を持つ者もいるらしいです。「歌は世につれ、世は歌につれ・・・」ですね。


参考過去ログ  http://d.hatena.ne.jp/iirei/20110410#1302433896

        :中原中也小林秀雄長谷川泰子・・・奇怪な三角関係



ALL TIME BEST

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尾崎豊 覚え書き(小学館文庫)

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中原中也詩集 (新潮文庫)

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今日の一品


@アスパラガスのシーチキン・ゴマ油和え



この前id:matsukentoさんに教えていただいた料理。アスパラ2束(7,8本)を塩を入れたお湯で茹で、冷やしたのちシーチキン・ゴマ油と和えます。この際、塩分を加えたいときには、茹でた後、軽く塩を振るのが良いでしょう。ゴマ油が絶妙な風味を醸します。

 (2016.03.24)

 

@鶏モモ肉の炒め物・チーズ・ふりかけ掛け



弟作。もも肉をオリーブオイルで炒め、その後パルメザン・チーズとたらこのふりかけを掛けました。

 (2016.03.26)



@ワラビたまり漬け




古代中国で、殷を倒して周の国が出来たとき、「不正な王朝だ」と周の飯は食わぬ、と首陽山にこもり、ワラビやゼンマイを食べて餓死した伯夷叔斉兄弟の逸話は有名ですが、実際ワラビやゼンマイは毒を含む食材で、よくあく抜きして、またたまに食べるようにするのが賢明です。今回の製品は毒物が平気で食材に混じる中国産ではなく、ロシア産であることが案外重要です。

 (2016.03.26)



@モヤシとハコベの炒め物(豪華版)



これまで、何回か取り上げてきたこの料理、今回はクコの実、紅法師(水菜)の花、アボカド(少々)および卵を使いました。調味料はナンプラー。これで原価は50円程度でしょうか。

 (2016.03.27)




今日の詩


@電気と食糧(散文詩


電気は「なにものかの代替品」として作られる。「水素自動車」とか「電気自動車」のエネルギーは発電所で作られる。原子力発電所でつくられるエネルギーかも知れない。(ゼロからエネルギーは作れない。)


また原発より遥かにマシで原発代替エネルギーとして有力な太陽光発電は本来農地となる平坦な場所にパネルを並べることが多いが、その分食糧の生産は出来なくなる。


風力発電の場合、「植物の空気を奪う」。古来「五風十雨」、といって5日おきに強い風を受け、10日ごとに雨が降るという自然環境で作物は育っていたと、いうことだ。


人は便利な暮らしをするために、食糧生産を犠牲にすることになるかも知れない。そういえば「エタノール車」は、エネルギーと食糧の物物交換だった。



注:私は原発反対派です。ただ、再生可能エネルギーの限界に言及したかったのです。


 (2016.03.26)



再生可能エネルギーの真実

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再生可能エネルギーの政治経済学

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原発はやっぱり割に合わない―国民から見た本当のコスト

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今日の一首


我が庭で
外道なりける
黄水仙


咲くや妖艶
今盛りなり



外道:げどう」・・・この場合、栽培目的で育てていない植物を指します。

 (2016.03.27)