虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

学生がボランティアをすると、単位になる?アホ抜かせ。

私にとって、はなはだ疑問に思えるのは、本来ボランティアは、強制も勧誘もされずに、自分本人の意思によってなされるべきものだとされるものなのに、最近の高校や大学は、そのボランティアを学生に課して、単位を与えるようになっている潮流があります。


私の場合は、東京大学都市工学科の正規の(愚劣な)授業にはほとんど出席せずに、宇井純さんが主宰する「自主講座」に出入りし、自主講座での講義録をむさぼり読んだり、いろいろ水問題に関する運動をやったりしていました。私の専門は、上下水道・環境問題に関するもので、その延長上にありましたが、この反体制的な活動はむしろ、学科の教授たちにとっては「不愉快」なものであり、単位をもらえるという体のものではありませんでした。


また、むかしの作家・今東光さんは、東京大学の文学部の授業を、川端康成さんと一緒に、東大生でもないのに聴講しており(いわゆる贋学生:にせがくせい)、その後の作家としての活動に益しました。今さんは、この聴講している授業が、単位になるかどうかなど、気にしていなかったわけです。


さて、そもそもボランティアというのはどんなこと、人なのでしょう。Wikiから引いてくると(抜き書き)


ボランティア(英: volunteer)とは、ボランティア活動に携わる人のことである。一般的に、自主的に無償で社会活動などに参加し、奉仕活動をする人を指す。


volunteer の語の原義は志願兵であり(反語がdraft―徴集兵)、歴史的には騎士団や十字軍などの宗教的意味を持つ団体にまで遡ることができる。語源はラテン語のVolo(ウォロ、英語のwillの語源)志願者である。


英語圏では、現在も本来の語義どおり志願兵あるいは義勇兵の意味でもこの語が使われている。なお、ボランタリー(voluntary)とは自発的であるさまのことである。


冒頭で述べたように、ボランティア活動の原則として挙げられる要素は一般に自発性、無償性、利他性、先駆性の4つである。1980年代以降、無償性の原則に関して「無償」の範囲をより柔軟に考えることによって実費の弁済や一定の謝礼を受ける「有償」ボランティアが出現し、受け入れられてきているのが現状である。


先駆性や補完性といった概念は、ボランティア活動が既存の社会システム、行政システムに存在しない機能を創造的な自由な発想で補完するという役割を担うことから発生したものである。


一方、ボランティア活動がそれに参加する個人の自己実現の場として機能する自己実現性を持つことも知られている。


・・・本来、ボランティアが志願兵だったというのが意外でした。ただ、無償の奉仕を行う者をそう呼ぶだけではなく、有償のそれもボランティアに含めるというのも意外でした。私が大学時代にやっていた運動は、確かに無償のものでありましたが、ボランティアをやっているという意識はありませんでしたね。あくまでも運動だ、と。



今日のひと言:ボランティア活動に単位をあげるというスタンスには、私は組みしません。あくまで勧誘も強制もされずに行う活動こそがボランティアだと思うからです。単位になるから、と嬉嬉として「ボランティア」活動する者には、その背後にある世界の悪意・・・戦争に協力させられて戦場で死ぬという運命が近いように思えるのです。学校と社会の裏にあるどろどろした何ものかに絡めとられると。いみじくも、英語でボランティアは志願兵という意味だったのが象徴的です。でも、今回挙げたボランティアに関わる事態は、強制的に若者を戦場に送るという作為にも繋がると思うのです。



幸せを届けるボランティア、不幸を招くボランティア (14歳の世渡り術)

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今日の料理


アオゲイトウのお浸し






食用になる野草の一つ、アオゲイトウ。良く似たものにイヌビユというのがあり、イヌビユの場合、葉の先端が切れ込んでいて、アオゲイトウは切れ込まないことで見分けますが、味にすると、ややイヌビユの方が美味しいらしいです。(「食べられる野草・辺見金三郎:保育社」)ヒユ科の植物で、野菜であるバイアム(ジャワ法蓮草)とも近縁です。

 (2015.06.17)




@牛薄切り肉とピーマン、キャベツの甜麺醤炒め





弟作。「ホイコーロー」を作るのに使う甜麺醤を使って炒めました。あと、目分量で醤油。

 (2015.06.18)




@森下流カレー(ガラムマサラ


id:matsukentoさんのリクエストにお答えして:カレーと言う料理は、インドにはありません。各家庭ごとに独自のスパイスの調合法があり、それで作った食材を「ガラムマサラ」(辛い香辛料)と言います。カレー粉という調味料を発明したイギリス人は、インド人ほど味覚に優れていませんでしたので、最大公約数として開発したのです。


今回使ったスパイスを左から並べると、クミンシード(香り成分)、ターメリック(色成分)、カイエンペパー(辛さ成分)、手前がショウガ(味成分)、 ニンニク(味成分)で、この5種がベースになります。


右のスパイスはオプションで、アジョワンシード、シナモン、ナツメグ、黒胡椒、キャラウエィシード、フェヌグリークシード粉末、手前がカルダモン(皮から出して種をつぶさずに調理する)、クローブ(香りはいいが食べたあとの苦さが嫌いなので、潰して用いる)です。



スパイス


まず、フライパンに油を敷き、クミンを加熱します。(スタータースパイスと言います。)そこにニンニクのみじん切りを入れ、香ばしくなるまで加熱し、スリおろしショウガを加え、あとは水を適宜加えつつ焦げ付きを防ぎ、カルダモン以外の材料を適当に加え、最後にカルダモンを入れてもちょっと煮詰めて完成です。とくにカルダモンを粒のまま食べると、とても良い食感が味わえます。




ガラムマサラ




盛り付け例


わが家でも、通常は普通のカレールウを使ってカレーを楽しみます。今回のガラムマサラには、具を入れませんでした。

 (2015.06.21)


5つのスパイスだけで作れる! はじめてのインド家庭料理 (講談社のお料理BOOK)

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今日の一首



川沿いの
桜並木に
植えられた


クチナシの花
桃の香がせり




花が清楚で純白、実はスパイス、染料に利用できる梔子(クチナシ)、甘い香りを放っていました。アカネ科の植物。ちなみに、コーヒーもアカネ科です。

 (2015.06.19)