山下達郎・天才の仕事の流儀
以前、過去ログで「山下達郎と坂本龍一」というのをエントリーしましたが、
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080520
ここで私は、山下達郎さんは「アメリカン・ポップスを完全に消化して、自由自在に歌が作れる天才」であるとしました。最近とは言えないですが、昨年8月に朝日新聞の求人コラム「朝日求人・仕事力」に4回にわたって山下達郎さんの仕事に関する聞き取りが載っていました。今日は主にこの記事を頼りにブログを紡ぎます。
さて、山下さんは中・高生時代にブラスバンド部に在籍していましたが、教わったのはドラムとパーカッションのみ。また、大学は音楽とはほぼ無縁な明治大学法学部・中退です。この音楽経験の乏しい地点から身を起した点、若いころからピアノを学び、東京芸術大学の修士課程まで行った坂本龍一さんとは大きく違います。(本人の言では、法学部に音楽著作権関係の法令を学びたくて進学したようです。)
いまでは、山下さんはボーカル、ギター、パーカッション、プログラミング、シンセサイザー、キーボード、ドラムス、ピアノ、ハモンドオルガン、グロッケン、エレクトリックシタール、ベース など、ほとんどの楽器を使えるとのことです。よほどの自己研鑽がないと出来ないことです。
ここで取り上げる曲は、山下達郎さんの出世作にして、私も深い影響を受けた「Ride on time」です。木村拓哉が主演した「GOOD LUCK!!」(2003年)の主題歌になると、このTVドラマから見ても、かれこれ20年前のヒット曲が再び売れたのですね。曲の持つパワーというものを感じます。(私は、「Ride on time」がこのドラマのテーマソングに採用されたと聞き、再びヒットするだろうと思っていましたが、案の定、そのようになりました。)
彼はシュガー・ベイブというグループ(大貫妙子さんも在籍)で仕事を始め、ちょっとした注文にも誠実に仕事をするという態度でいて、仕事もだんだん増えていきました。ただし、妥協はしない。・・・もししていたら、今の自分はなかったと山下さんは言います。
そして、その自己研鑽については、以下のように述べています。
作り手を目指すといっても、ロックンロールの場合、ギターコードを三つ知っていれば曲が作れてしまう。でもその程度では100曲は書けません。自分の魂の叫びがいくら強くても、すぐに限界が来るのは冷徹な事実です。音楽表現を長く続けていくためには、継続的な訓練と学習が必要なのです。
(中略)
僕は職人の魂で仕事をしたいと思いますが、自分の昔の価値観や経験則にこだわり過ぎるとたちまち時代に取り残される。それを避けるためには必死に自己変革や学習を続けるしかないのです。
世の中の歌手や作曲家やシンガーソングライターを見回してみると、過去に成功した2つか3つのパターンを続けて音楽活動をしている人たちは多いですが、(堀内孝雄、小田和正、吉幾三・・・などなど。)私が自称している詩人、エッセイストというジャンルでも、同じ事情が成り立つようです。研究しないとブログも書けない・・・勉強・勉強・勉強〜〜これこそ大切なのですね。
今日のひと言:ブログ「こころとからだがかたちんば」によると、若き日の山下達郎さんと坂本龍一さんが同居生活をしていたことがあるらしく、むさい男同士、マージャン卓を囲んだりしたこともあるそうです。どんな生活をしていたのか?・・・天才は天才を知る?
なお、同じ朝日新聞のコラムで、坂本龍一さんは、「ある作品が10年暖められて世に出た場合、2年後に出す作品について、聴衆は12年分の作品を期待するものだが、あくまでそれは2年間の作品だ」としていましたが、山下達郎さんも同じことを言いそうですね。
切り株に
芽吹くゴボウ葉
にょきにょきと
水栽培ですね。この葉っぱ、もう少し育てて味噌汁に入れましょう。
(2012.03.03)

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