虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト:色々な事物を取り上げます。

「だめんず」と倉田真由美(くらたまゆみ/くらたま)

 いつか雑誌で、「俺は経済学部にいるけど、医者になるので就職活動はしないんだよ」と彼が言っていると、信じて疑わない女性のお話に、大笑いしたことがあります。これが倉田真由美くらたま)さんの「だめんずうぉ〜か〜」について知ったきっかけです。


 倉田さんは、大学入学まで男に見向きもしなかったガリ勉少女で、優秀なことに一橋大学商学部(元トヨタ社長・元日本経団連会長の奥田碩氏と同じ大学・同じ学部)に進みますが、ここに落とし穴がありました。

1)大学でやっと生の男に興味がわく
2)ろくでもない男とつき合いだす
3)さらにろくでもないのに乗り換える
4)就職に失敗する
(そして、塾講師などをやりながらマンガ家の道に進む・・・)


以上は、くらたま本人の分析です。彼女の本にはこのような「ダメな男」=「だめんず」と、彼らにだまされてもやっぱり「だめんず」と付き合ってしまう女性たち=「だめんずうぉ〜か〜」の実例がふんだんに登場します。

印象にのこるだめんずとして、たとえば


@俺の女はお前だけだといいながら、「「クラミジア」を移された、お前も病院行っといて」とTELしてくる男


@フリーアルバイターの29歳の女性。付き合っているのが20歳くらいの年上で、うすらはげ、でぶ、糖尿のばくち打ち。金をさんざんせびる。家のお金はスナックで働く女房が支えている。
この男、SEXの際
男:「お前がはらんでも逃げたりせんで  認知したるから生んでくれよ」
女:「うん・・・♡」
(このように、この男は絶対避妊はしない・・・)


参考文献「だめんずうぉ〜か〜」扶桑社SPA!文庫(2004・刷)


思うに、男と女はフィフティ・フィフティなのだと思います。だめな男には同じようにだめな女がくっつくのではないかと思います。

 
 唐突ですがここで「性器の進化論  生殖器が語る愛の形」(榎本知郎化学同人)から引用します。(ちなみに、この本は「いやらしい」本ではなく、科学的に性現象を観察した学術的な本です。なにより「化学同人」は科学的な本を出版する、良心的な会社です。)



・ ・・膣はペニスを受け入れる器官だから、刀と鞘の関係のように、ペニスに対応して膣の形も決まってくる。チンパンジーのように、雄が長く細いペニスをもっていれば、膣も細くて長いし、ヒトのようにペニスが太く長大な場合は、膣も大きく深い。ベニガオザルのようにペニスが勃起すると途中で折れ曲がるものであれば、膣も折れ曲がっている。つまり、膣はペニスとの共進化を遂げてきたのである。
(P113 2行―6行)

ちなみにヴァギナというのは、もともと「鞘(さや)」の意味があります。刀であるペニスをしまうという発想からです。


 以上挙げた引用は、男性(だめんず)と女性(だめんずうぉ〜か〜)の間には、共進化しあう関係があるように思われるのです。ただし、これは、あくまで比喩的な意味で。でも、言うでしょう?お似合いのダメダメ夫婦を「破鍋に綴蓋(われなべにとじぶた)」と。



今日のひと言:私はこれまで10人近くの女性と恋愛関係になったことがありますが、私が彼女たちから見て「だめんず」ではなかったのではないかいな、と自問することがあります。倉田さん、最近では「週刊朝日」に「フリドラ男」という(ちょうどフリーズ・ドライのように)「女心が凍えて乾く」というコンセプトのコラムを書いています・・・二匹目のドジョウはいるのでしょうか?


それから、倉田さんの絵は、素人に毛が生えた程度の画力で、はっきり言って「へたくそ」です。特に倉田さん本人は、デブでドブスであるかのように描かれていますが、かつてマンガクラブの友だちから聞いた説によると、女性マンガ家は、本人が美人ならヒロインを不細工に描くし、不美人ならヒロインを美人に描く・・・というものでした。そんな経緯からか倉田さん本人は結構美人ですね。(最初に挙げた写真参照)。



だめんず・うぉ~か~ (1) (扶桑社SPA!文庫)

だめんず・うぉ~か~ (1) (扶桑社SPA!文庫)

性器の進化論――生殖器が語る愛のかたち(DOJIN選書029)

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