虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

エルニーニョ・ラニーニャについて・・・一つの計算


以下Wikipediaよりの引用。

エルニーニョ現象スペイン語:El Niño)とは、東太平洋の赤道付近で海水の温度が上昇する現象。もともとスペイン語で「男の子」(イエス・キリスト)を意味する言葉だったものが現象名として使用されるようになった。
太平洋では通常貿易風(東風)が吹いており、これにより赤道上で暖められた海水が太平洋西部(インドネシア付近)に寄せられ、かわって東側には冷たい海水が湧き上がっている。これを湧昇流と言う。エルニーニョが発生すると貿易風が弱まるため、暖められた海水が太平洋中央部や太平洋東部に滞留し、太平洋東部を中心に海水の温度が上がる。この際、相対的に太平洋西部の海水温は下がる。
すると、ウォーカー循環と呼ばれる赤道付近の大気の循環が変化して、気圧の変動が起こる。この気圧の変動は、テレコネクションと呼ばれるメカニズムによって世界中に波及する。気圧の変化は、湿・乾・暖・寒さまざまな性質を持った各地の大気の流れを変化させ、通常とは異なる大気の流れによって異常気象が起こる。具体的には、湿った空気が流れ込みにくくなることで雨が減り旱魃となったり、暖かい空気が流れ込みやすくなることで異常高温となり猛暑や暖冬となったりするほか、熱帯低気圧や低気圧(温帯低気圧)の進路が変わったりする。

(中略)
ラニーニャ現象(スペイン語:La Niña)は、エルニーニョ現象と逆に東太平洋の赤道付近で海水の温度が低下する現象。ラニーニャスペイン語で「女の子」の意味である。「アンチエルニーニョ(Anti-El Niño)」と呼ばれていたこともあるが、「反キリスト者」の意味にもとれるため、男の子の反対で「女の子(La Niña)」と呼ばれるようになった。
エルニーニョが終息した反動で発生するケースもある。エルニーニョと同じく世界の異常気象発生の原因となり、近年では2005年秋〜2006年春に発生している。ラニーニャが発生すると日本では猛暑、寒冬などの異常気象の原因となる。
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総論
エルニーニョ現象ラニーニャ現象は、お互いにコインの表と裏のような密接な関係にあり、切り離して考えることはできない現象である。この海域の海水温や気圧の変動に関する研究が進むにつれ、エルニーニョラニーニャは、海洋と大気の相互作用によって起こることが明らかにされた。相互作用とは、この考え方によれば、太平洋の赤道付近の大気や海洋にはエルニーニョ・南方振動(ENSO)と呼ばれる1種のシステムがあり、エルニーニョラニーニャは、常に変動を繰り返しているシステムの中で起こる現象とされる。
エルニーニョラニーニャそれぞれの発生例を見ると、近年はそれぞれ約4年ごとに発生し、一度発生すると1年から1年半持続している。エルニーニョラニーニャは交互に発生することが多い。ただ、間隔を置いて発生したり、続けて2度以上発生したりすることもある。
エルニーニョラニーニャ現象の世界共通の定義はなく、各気象機関などが定めた複数の定義が存在する。
ちなみに、エルニーニョラニーニャが発生していない平常時の状態を、「何も無い」という意味のスペイン語、ラナーダ(La Nada)と表現することもある。ただ、これはスペイン語圏においてもほとんど使われていない。


 まあ、以上が概説で、根本的な説明はいまだついていないようです。


ここでは、地球の熱循環に占める海と陸地の寄与率を求めてみようと思います。太平洋の面積が地球の3分の1を占め、陸地も3分の1、のこりの海があわせてやはり3分の1を占めるとします。(この辺は以前触れています。:http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070310



水の場合は、「熱しにくく冷めにくい」、岩石は「熱しやすく冷めやすい」ということで、いわゆる比熱が水で1、岩石で0.5と置きます。海洋の平均水深が4000m、陸地の平均高度が2000mとします。
 以上から太平洋の持つ熱容量を計算します。



 太平洋  1/3*1*4000=1333(単位)
 その他の海      1333(単位)
陸地    1/3*0.5*2000=333(単位)そうすると、
太平洋は全体の熱容量の1333/(1333+1333+333)=44%


とできます。いかに太平洋が地球の熱循環に重い影響があるかわかります。更に、ペルー沖では、案外大陸棚が貧弱で、ちょっと沖にいくと、水深が急に深くなります。この水域が熱くなったり冷たくなったりで、世界的な気候変動の要因になることは、大いに想像されます。ちょっと独特な地形なのですね。私には、微分方程式を使い、コンピュータで計算するほどの技量はありませんが、定性的にエルニーニョ現象をつかめたらいいな、と思います。


今日のひと言:エルニーニョラニーニャ自体も、相当人類の活動の影響を受けているのだろうな、と思います。影響しあうのですね。

エルニーニョ現象を学ぶ (気象ブックス)

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エルニーニョと地球環境

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