虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

国事を私(わたくし)しようとする石原都知事

石原慎太郎都知事宮内庁にキレた



2016年の東京五輪招致に熱を入れる石原慎太郎都知事(75)が宮内庁にマジギレした。皇太子さまの招致活動協力を求めている知事は、これを難しいとする宮内庁に対し、11日の会見で「僭越なんだよ!」と連呼。皇太子さま本人の意向に先回りするかたちで、けん制されたイラ立ちをぶちまけた。


 「役人の出てくる話じゃないんだ。国家の事業なんだから」
 知事は、開催都市を決める来年10月のIOC総会(コペンハーゲン)に皇太子さまに出席いただけないかと考えている。スペインのサラゴサ万博で皇太子さまと同席する森喜朗元首相を通じて、まず本人の意思を確認してから、政府に正式要請させる段取りだ。
 ところが、宮内庁野村一成東宮大夫が4日、招致活動段階からかかわることは政治的要素も強く実現困難との見通しを示したため激怒。宮内庁幹部が、サラゴサ万博ではそういう話をしてくれるなと森元首相に話したとの情報もあり、これを伝え聞いて大噴火した。
 「宮内庁ごときが出てきてだなあ、そんなこと言うとは僭越かぎりだよ。そういう役人が日本を滅ぼしてきたんだよ。とんでもないぞ本当に!だれも許さないぞ!名前言ったかそいつ。だれが何て言ったんだ」

  
内外タイムス(2008.07.12日)

 
 皇室の公式行事は、すべて宮内庁を経由します。この石原慎太郎都知事の口の悪さは、いかにも不躾(ぶしつけ)で、知性のかけらも感じません。皇族を自分の都合のいいように利用しようとする態度がアリアリと見えます。それに、そもそも都民はオリンピックへの関心は薄いのに、一人石原だけが熱くなっているような感じがします。オリンピックは石原のオモチャか?・・・そうかも知れません。僭越(せんえつ:その人の分限を越えた言動をすること)なのは、石原慎太郎のほうですね。


なんせ、ここ3年ほどやっている「東京マラソン」は、市民の企画する「青梅マラソン」から走者を引き抜き、お上の官製企画にしてしまったのです。「ひな祭り」の掻き込み時の人形屋などの営業妨害を堂々と行い、怨嗟(えんさ:恨み)の声も無視して実施したのです。これは、公器の私物化でなくてなんでしょう。「東京マラソン」は、完全に「オリンピック」への布石なのです。

 参考過去ログ:「人口密度と交通事故の関係」から災害のお話へ

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080305



 この人は、4年ほど前、「フランス語は、数が数えられない」と発言して物議を醸したこともあり、在日フランス人フランス語講師たちが「フランス語への冒涜だ」と提訴しましたが、このような裁判は日本の法曹界には馴染まぬのか、石原の勝訴に終わりました。勝訴を受けて石原は「あたりまえだろう!」と言い切っていました。大体、石原の粗雑な脳では決して理解できない、エヴァリスト・ガロアの「群論」があります。・・・、もちろんガロアがフランス人であり、計算の極北を行く業績なのです。よくあんな粗雑な脳でフランスに喧嘩を売ったものです。


 またまた、鳴り物入りで創設した「新銀行・東京」も、破綻しかけていて、追加支援で400億円投入したらしいですが、その400億も無に帰すことでしょう。


それから、以前に発言していましたが「今の若者は自己犠牲の精神がない、昔の若者は進んで特攻隊に行ったものだ」とか言う趣旨の。ただ、特攻隊のような特殊な戦術は「必殺:作戦に関わった兵士は必ず死ぬ」であっても「必死:あぶない作戦であっても、生還の道をつける」ではなく、作戦上、兵士の安全については可能なかぎり生還を期待されるのが常識なのです。「必死」が良いのですね。石原は、そんなこともわからぬボンクラですね。


今日のひと言:石原慎太郎は、亡くなった弟・石原裕次郎の後光のもとに、都知事になっていますね。これは、東京都民の民度の低さを示すことになるでしょうね。

(注:私は、天皇制、皇室、皇族には、価値判断をしません。)


誰も書けなかった石原慎太郎 (講談社文庫)

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石原慎太郎よ、退場せよ! (新書y)

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