虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

朝鮮人社会とキリスト教

iirei2007-09-09

*朝鮮人社会とキリスト教

  NIKKEI NETより引用
  開放されて帰国後の様子→


 無謀・不用意・無策な韓国人23名がキリスト教の布教を旗印にアフガニスタンに入国し、案の定タリバンに拉致され、そのうちの男性2人が殺害され、残りのメンバーは韓国政府が多額の人質代を払って開放されたのが2007.09.02であったでしょうか?
 私は韓国とキリスト教の接点がわからずにいたところ「2007.08.09」号の週刊新潮に「韓国キリスト教の正体」という記事をみつけました。実は、韓国は人口の3割がキリスト教徒なのだそう。その3割の内訳はプロテスタントが2割、カトリックが1割だそうで、チェ・ジウプロテスタント系、ペ・ヨンジュンカトリック系だそうです。アフガニスタンで捕まったのはプロテスタント系のようです。記事に牧師という言葉があったから、そう推察できるのです。(カトリックなら神父と呼ぶ)
 では、なぜキリスト教はこれほど韓国社会に根付いているのでしょうか。同じ週刊新潮では、東京工業大学橋爪大三郎氏が、先立って儒教文化があったからだと指摘しています。儒教は「父系社会」だからだとのことでした。キリスト教もそうだ、という訳。「父なる神」・・・なるほどと思いました。
 それでは、他のニュースソースでも、同じような見解があるか当たってみましたが、どうもないようです。上記の説はちょっと検証不可能な仮説と言う感じでした。反対に「母なるマリア」という見方もできますものね。
 そこで、「天皇制と韓国キリスト教」(蔵田雅彦新教出版社)を図書館で借りてきて見てみました。この本では、韓国にキリスト教が根づいたのは、日本による「天皇制」強要が大元にあるといった趣旨のことが書かれていて、驚きました。儒教が侵略に無力なのに対し、キリスト教は、ただ一つの権威・・・エホバしか認めないため、たとえば、神社を建ててアマテラスオオミカミを拝め、と命令されても、「エホバ以外はみな偶像」であるとの教義があるため、屈服させることが難しくなるという訳ですね。第二次世界大戦のころの、キリスト者の行動形態については、あまりそれに触れる文献はないので、空白のような状態ですが、実際、朝鮮人はこの状況下でキリスト教を受容し、日本軍の捕虜になっても転向しなかったりするわけです。結構ハードなお話なのですね。ヴァレンタイン・デイ(バレンタイン)とかクリスマスの時だけ、キリスト教徒になる日本人とは違うのです。ちなみに、中国でのクリスチャンの割合は1割・・・約1億人になるだろうと、別の文献から引っ張ってきました。中国でも同じ「天皇制の押付けとそれへの反発」というプロセスがあったのか、興味深いですね。もし、彼らが不屈のクリスチャンだったら、日本の侵攻に対抗できるだろうし、中国共産党一党独裁に終止符が打てるかも知れませんね。1億もキリスト教徒がいれば、中国共産党員よりも数が多いでしょうから。



 考えてみたら、このような集団は戦国時代の日本にも存在しました。一向宗です。浄土とそこを支配する阿弥陀如来のみが真実であって、どんなに戦国大名が威張ろうとも、圧迫しようとも、一向宗の信者は屈しませんでした。見事と言えるでしょう。


 ちなみに、蔵田さんは1947年神戸生まれ、東京大学教養学科国際関係論卒、1987−1989延世大学大学院神学科と、韓国に留学され、現在1989年4月から、桃山学院大学文学部にて教鞭をとられているそうです。



今日のひと言:それにしても、この23人が写っている写真を見たら、みんなニコニコしていてなんだか不気味でしたね。自分たちの持っているテリトリーには敏感でも、「異教徒は殺してしまえ」というタリバンたちのテリトリーに勝手に上がりこんだのですから。タリバンから見れば、彼ら23人は悪魔と映ったでしょうね。さもなくば、生け贄。宗教者には今回の事件のように、「予定調和的」な行動をとる人たちがいますが、それは「甘い」と思います。また、韓国のキリスト教団には、新宗教も多く、統一教会とか摂理などのトンデモ教団があることには注意しておくべきでしょう。






今日のひと言2:安倍晋三総理大臣、あいかわらず迷走していますねえ。過去ログでも触れましたが(物事を客観視できない点など)
  http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070721
彼は、大事なことを表現するのに、「形容詞」を常習的に使うことが多いことに気づきました。いわく「美しい国」(Beautiful)、「スピード感を持って」(Speedy)、「真摯に受け止め」(Serous/ly)と言った具合。でもね、安倍ちゃん、形容詞で真意を伝えようと思っても、それは無理な相談ですよ。ちゃんと数字で語るとかしなくては。形容詞はニュアンスは伝えられても、その受け取りかたは、ひとそれぞれだからです。主観的に過ぎるのです。そういえば晋三(しんさん)と辛酸(しんさん)はおなじ発音ですね。あなたももっと苦労しなきゃダメですよ。安倍晋三総理には、「形容詞の安倍らしい」というニックネームを贈ります。