虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト:色々な事物を取り上げます。

ヘーゲルの弁証法と老子〜3つ組の発想

大学で教養課程の授業を聴講すると、必ずと言ってよいほど、ヘーゲル弁証法、あるいはマルクスエンゲルス弁証法というものがあることに気付かされます。とても「普遍的」な哲学なのですね。Wikipediaから引いてくると、


弁証法(的)論理学


ヘーゲル弁証法を構成するものは、ある命題(テーゼ=正)と、それと矛盾する、もしくはそれを否定する反対の命題(アンチテーゼ=反)、そして、それらを本質的に統合した命題(ジンテーゼ=合)の3つである。全てのものは己のうちに矛盾を含んでおり、それによって必然的に己と対立するものを生み出す。生み出したものと生み出されたものは互いに対立しあうが(ここに優劣関係はない)、同時にまさにその対立によって互いに結びついている(相互媒介)。


最後には二つがアウフヘーベン(aufheben, 止揚,揚棄)される。このアウフヘーベンは「否定の否定」であり、一見すると単なる二重否定すなわち肯定=正のようである。しかしアウフヘーベンにおいては、正のみならず、正に対立していた反もまた保存されているのである。ドイツ語のアウフヘーベンは「捨てる」(否定する)と「持ち上げる」(高める)という、互いに相反する二つの意味をもちあわせている。なおカトリックではaufhebenは上へあげること(例:聖体の奉挙Elevation)の意。


ソクラテスの対話と同じように、ヘーゲル弁証法は、暗黙的な矛盾を明確にすることで発展させていく。その過程のそれぞれの段階は、その前の段階に暗黙的に内在する矛盾の産物とされる。 またヘーゲルは、歴史とは一つの大きな弁証法、すなわち奴隷制という自己疎外から、自由と平等な市民によって構成される合理的な法治国家という自己統一へと発展する「精神」が実現していく大きな運動だと認識した。



私も大学の初年度、この弁証法に関心を持ち、講談社現代新書の「弁証法はどういう科学か」(三浦つとむ)という本を読んでみました。・・・正直言って、「弁証法はどこが科学なのか?」と思いました。当時の友人も同じ意見でした。


種が発芽する過程で、種は水と戦い「死に」、その結果として芽が生えるという具合に説明されていたのです。「単に種が水を吸収して、生命現象が生じ、芽が出る」という事実をもったいぶって言っているだけだ、と思ったのです。これは科学でも何でもなく、単なる言葉の遊びでは・・・


その後暫くはこの「弁証法」に無関心だったのですが、私が大学後期、ないし卒業後に関心を持った、「漢字の語源」とか「老子」のなかに、この弁証法と極めて近い発想を見出したのです。老子は「不争」の徳を語りますが、「争」という字は旧字に直すと「爭」で、この字の字解きをすると「2人の手が1つのものを取り合っているさま」となります。一方の人が「テーゼ」であるならもう一方の人が「アンチテーゼ」であり、ここに闘争があります。そして取り合っていた対象が「ジンテーゼ」と言えなくもないでしょう。正・反・合の連環ですね。


あるいは「水」という字は、「三画で」、「父・母・子」という一組を示しますが、これは、争いとは見えなくても、一組の男女がSEXという「一種の争い」を行った結果、子供が生まれるというようにも見えます。(男=テーゼ、女=アンチテーゼ、子供=ジンテーゼ)という具合です。


このように、3という数字は、三つの要素からなる完全な数であり、老子もその旨述べています。「道は「一」を生み出す。「一」から二つ(のもの)が生まれ、二つ(のもの)から三つ(のもの)が生まれ、三つ(のもの)から万物が生まれる。」(老子42章)


以上の「三つ組み的発想」は、世界各地にあると思います。キリスト教の「三位一体」の教義もそうかも。そこいらへんに「弁証法」の面白さがあるのかも知れません。



今日のひと言:「三つ組み」といえば、星座のオリオン座の、ちょうどオリオンのバックルの位置に相当する「三ツ星」は特に有名で、オリオン座を見つける手がかりになる星たちですね。



弁証法はどういう科学か (講談社現代新書)

弁証法はどういう科学か (講談社現代新書)

イラスト西洋哲学史(上) (宝島社文庫)

イラスト西洋哲学史(上) (宝島社文庫)

使える 弁証法

使える 弁証法





今日の料理



ブロッコリー2題・・・・いったん固めにブロッコリーを茹で・・・


  @1:茹でブロッコリーのゆかり和え






赤紫蘇調味料の「ゆかり」をかけました。



  @2:茹でブロッコリーの浅漬け





エバラ浅漬けの素、および少々足りなかったのミツカンポン酢を足して3時間ほど漬けました。


両方とも美味しかったです。




@ラム・キム鍋






弟作。一度空茹でしたラム肉(スライス)にキムチ・コチュジャン・ラー油、七味唐辛子を入れ、少々の醤油とネギを加えて加熱しました。水が多かったのか、沢山辛い調味料をいれた割には、程よい辛さ。

 (2014.11.11)




今日の詩


@猫


その猫、
猫生を超越している。


近づいても決して逃げない
その小さなみすぼらしい体で
存在感を醸し出している
どっしり構えたそのさま。


歯が欠けて舌を出しっぱなしにしていても
その威厳、だれにも手を出させない。


その猫、
猫生を超越している。

 (2014.11.11)



(↑の詩を俳句で)


どっしりと
構える猫や
落ち葉なり

 (2014.11.11)




今日の一句


ローソンの
栄枯盛衰
店閉めり






某地区で、それまで10年以上は営業していたローソン、半年ほど前出店したセブン・イレブンに顧客を奪われたのか、あはれ、閉店していました。

 (2014.11.13)





今日の庭


@8月末から育てていた聖護院ダイコンを間引いて収穫しました。私は、大きな株から抜いていきます。そうすればもっと小さい株が育ちますから。(これは関西流です。)葉は炒めもの、根は味噌汁の具にします。・・・それにしても、蕪に近い大きさの根っこです・・・






 (2014.11.12)