虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

「野草を食べる・滋味(JIMI)!!」の記述より その3

iirei2006-09-17

 *「野草を食べる・滋味(JIMI)!!」の記述より その3
   野草特集 その3
(5回に渡る野草特集です。なにぶん大方の人には地味なテーマなので、アップの間隔を短くします。これは4回目。)



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 トウダイグサ灯台草・ノウルシ)・(草本植物・トウダイグサ科)**毒草
                 冬以外 生える
     
 トウダイグサは、かなりの頻度で見られる野草です。トウダイグサ科に属する、身のまわりで最も身近な植物です。トウダイグサは北半球に多く分布し、冬を越して来春に花を咲かせる越年草です。
 クリスマスの頃需要のある「ポインセチア」とか、南米の人々が主食とする「キャッサバ(マニホット)」もトウダイグサ科です。なお、多肉植物のグループにも結構あり、サボテンと非常に良く似た形態をもつもの(オベサなど)があります。トウダイグサ科の植物はたいてい有毒で、傷つけると白い液を出します。これはラテックスといい、毒液で、目に入れたり、飲み込んだりすると危険です。特に、「矢毒キリン」は猛毒です。その名の通り、獣を仕留める矢に塗りつけて使用されます。だから食用になる植物は少ないですが、「キャッサバの根」とかやはりトウダイグサ科の「アカメガシワ」という木の葉は、餅を包むのに使われることもあります。
 灯台草の名の由来は、春の花の形態から来ます。右の写真のように、ちょうど明かりを取る燭台のように見立てられるので、この名がついたようです。なにも、東京大学の「校花」ではありません。茎のてっぺんに5本の支柱が出て、その一本一本に3つの花の束がつき、そのまたひとつひとつに小さなうす緑の花が付きます。――なんとも、幾何学的に美しい花です。
 私は思うのですが、「綺麗な花にはトゲがある」という言葉は、当っているのでは?特に変わった形態をもつ植物については、食用にするのは考え物というものが多いのではないかと。そう思わせるところを、トウダイグサは持っています。冬の苗の状態のころは紛れやすいですが、一本の茎で直立し、葉を互生で出していて、やはり幾何学的でちょっと異彩を放つ点で確認できるでしょう。


**「野草を食べる・滋味(JIMI)!!」は、ともすれば雑草とされて蔑まれ駆除されてしまうが、食用にすると、思いがけなくも美味しい野草を30種ほど取り上げ、特徴と調理法を解説した、私の近著です。2006年7月7日発行。毒草とか無用の草なども取り上げており、適宜「耳よりコーナー」として面白いトピックスも掲載しています。

今日のひと言:身近なところにも毒草はあります。まず挙げられるのがスイセン水仙):ヒガンバナ科。その葉をニラと間違えることがあります。それからスズラン:ユリ科。かなりの猛毒です。そしてキョウチクトウキョウチクトウ科。この木の枝を箸として使って中毒になったという例があります。よく栽培される日々草(ビンカ)もキョウチクトウ科で有毒です。なお、ウコギ、ウド、タラ、朝鮮人参などのウコギ科植物には、毒性の確認されたものはないようです。
野草を食べようという場合、食べてはいけない草・・・毒草をまず覚えなさい、と言われます。


 はてな市民の中から、植物、農業に正面から取り組んでおられる方のブログを2つ紹介します。
   http://d.hatena.ne.jp/santa-rn/ (サンタの旬菜 風景)
http://d.hatena.ne.jp/masam48/ (ネクタイをした百姓)