虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『川柳少女』(漫画:五十嵐正邦):何故に川柳?

知人が読んでいた表題のマンガ、なにやら文芸的で面白そうだったので、一冊買って読んでみました。第一巻、ほぼ4コママンガの体裁をとります。講談社発行。このマンガは主人公で、思いをしゃべらず5・7・5の川柳に託して伝える少女(高校生):雪白七々…

宇宙旅行は出来るか?:それは無理。栗原康氏の視点

図書館から、2011年のNHKスペシャル「宇宙飛行士はこうして生まれた〜密着・最終選抜試験」を借りて視聴してみました。 このDVDでは、宇宙飛行士になる入り口が実に狭き門で、厳しい選抜試験を勝ち抜かねばならない、という事実が前面に押し出されていま…

荘子とムルソー(『異邦人』の主人公):時空を超えた「実存主義」

荘子とカミュの作品の共通点を書いてみたいと思います。荘子は古代中国の哲学者(道家)、カミュは20世紀フランスの実存主義哲学者・小説家です。 妻の死問答 荘子の妻が死んだ。恵子が弔問に出かけた。荘子は盆をたたきうたっていた。 (恵子:けいしは荘…

『肉体の悪魔』(ラディゲ):不倫のゆくえ(悪魔とは何か?)

『肉体の悪魔』は、第一次世界大戦中のフランスが舞台の小説で、わずか20歳で腸チフスのため夭折したレイモン・ラディゲのデビュー作で、ベストセラーになった小説です。ラディゲ自身も人妻との恋愛を経験しているので、その経緯をこの小説に叩き込んでい…