虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

ゲンノショウコ(現の証拠)の薬としての多様性:素晴らしい「副作用」

ゲンノショウコ(現の証拠)の薬としての多様性:素晴らしい「副作用」


私はここ数年来、朝の頃襲ってくる激しい下痢に悩んでいて、ヨーグルト、ビオフェルミンSなどの乳酸菌とか、消化器科で処方された神経性下痢抑制剤など、いろいろ試してみましたが、どうにも効果が少ない状態が続きました。そこで3年前くらいから、民間薬のゲンノショウコ(パック詰めで数分間、ぐつぐつと煎じて飲むタイプ)を試してみました。効果はいくらか認められ、継続して飲んだ結果、数回トイレには行くけれども、下痢便となることは回避できるようになりました。効果があったのですね。


それに加え、これも数年来悩んでいた踵(かかと)の痛いヒビ割れも収まってきたのです。ちょうど餅がひび割れるようにぱっくりと割れるこの痛みは、経験した人にしか解らないでしょう。入浴後、椅子に乗って踵を家人に向けて、硬くなった部分をカッターで切除してもらい、踵用のヤスリをかけ、ロコベースなどの塗り薬をすり込むという日常茶飯事を続けたのです。それが最近は踵の部分の凹凸が減り、入浴後ガサガサの踵にも、カッターは要らず、ヤスリで表面をこするだけで踵の皮膚が平らにならされるのですね。これは大きな進歩です。肉体的、精神的な負荷も少なくなりました。


このようになったのが、ゲンノショウコの賜物かどうかは、たまたま使用時期が重なるだけのことで、無関係だと言うことも可能だと思います。その辺りを知りたくて、ネット上で調べてみますと、以下のようなサイトに行き当たりました:


ゲンノショウコエキスについて

2013.08.05
ゲンノショウコの地上部から抽出されたエキスです。


タンニンを多く含みゲラニイン精油成分を含んでいます。


消炎効果、収斂効果、鎮静効果があるので、肌をキメ細やかなに整え、肌荒れを防ぐ目的で化粧品に幅広く使われています。


また、怪我をした時に止血し早く治す民間薬として有名です。

http://www.belle-coeur.jp/oem/ingredient_detail.php?id=221


・・・皮膚に直接エキスをつけるということと、煎じ液を飲むということに、効果として同様な仕儀が有り得るか、ということですが、私はそうだ、と思います。人体は「チクワ」のようなものであり、口:胃:腸:肛門(消化器系)は、人体でもっとも早く出来上がるもの、これらの部位は体の表面にあるとも言え、はっきり表にある皮膚と、裏に隠れてある消化器系は、「チクワの部位に例えると、同じものである」と言っても過言ではないでしょう。


その意味でゲンノショウコの効用は、下痢(場合によっては便秘)のお薬であると言うだけでなく、止血剤、皮膚の荒れにも適用できると言うことになるのではないか、と思います。薬は単一の薬効を持つだけのものではなく、副作用はだいたい付いてまわるのですが、たいていの場合、悪い作用であると相場が決まっています。ゲンノショウコの場合、「嬉しい」副作用を持つのではないか、と思います。なお、ゲンノショウコは、漢方薬ではなく、日本独自で処方される薬です。煎じ液をホットで飲めば下痢に効き、クールで飲めば便秘に効くと言われます。



今日のひと言:ゲンノショウコは、田舎では案外ありふれた草で、あちこちに生えます。草は全草薬にできる優れものです。ただ、猛毒のトリカブトなどと葉が似ているため、間違えて飲み食いすると命に関わります。花は全然違うので、花の時期に採取することが推奨されています。




f:id:iirei:20191120052033j:plain

ゲンノショウコ(葉)



f:id:iirei:20191120052138j:plain

ゲンノショウコ(花期)





新ヤマケイポケットガイド5 薬草

新ヤマケイポケットガイド5 薬草

【第3類医薬品】ナカジマ ゲンノショウコ 500g

【第3類医薬品】ナカジマ ゲンノショウコ 500g






今日の一品


チンゲンサイと豚ひき肉の炒め物


f:id:iirei:20191120052224j:plain


3個50円という低価格で入手した(無人販売所)チンゲンサイと豚ひき肉をあわせました。ひき肉はあらかじめ炒めてとっておき、ごま油を敷いたフライパンで戻した干しシイタケを炒め、4分割したチンゲンサイを厚いほうから順次炒め、ニラ、クコの実を加え、さきほどのひき肉も加え、塩とネギオイルで調味。

 (2019.11.14)



@ソース豆腐


f:id:iirei:20191120052305j:plain


以前、漫画『美味しんぼ』の「恥ずかしい食事」の回で、ご飯にソースをかけたり、醤油とバターをかけて食べたりする話がありましたが、それを参考に、ソースを豆腐にかけて食べてみました。ソースはブルドッグ中濃ソース。フルーティーで美味しかったのです。

 (2019.11.15)



@レバーとアボカドのサラダ


f:id:iirei:20191120052350j:plain


濃厚な2種の食材を合わせました。豚レバーは、近所の美味しいハム・ソーセージ屋さん(フローエンス・ゲグルンツェ:ドイツ語で、陽気な豚の鳴き声)の商品。柔らくて大変美味しいのです。これを一口大に切り、やはり一口大に切ったアボカドとまぜました。レバーの味は濃厚なので調味料は使わず。(注:スモークレバーです。)

 (2019.11.16)



@納豆、チリメンジャコ、おろし大根和え


f:id:iirei:20191120052557j:plain


納豆と、ジャコ大根をクロスオーバーしたもの。独立な2品を「むりやり」一つに合わせた意欲作。案外美味しいです。

 (2019.11.17)






今日の六句


稲の穂を
収穫せずに
打ち捨てり


f:id:iirei:20191120052653j:plain


もしかして、農家の人が高齢化して、耕作放棄した?

 (2019.11.15)



今は稀
干し柿吊るす
景色かな


f:id:iirei:20191120052753j:plain


 (2019.11.15)



天空に
有明の月
白く冴え


f:id:iirei:20191120052844j:plain


有明の月は、満月後、太陽が黄色く輝く中見える白い月のこと。

 (2019.11.16)



サツマイモ
葉がムラサキに
紅葉し


f:id:iirei:20191120052938j:plain


早く掘り出したほうがよい。

 (2019.11.18)



このロール
牛の食糧
ペロリかな


f:id:iirei:20191120053027j:plain


 (2019.11.18)



雨上がり
霧に煙るや
赤城山


f:id:iirei:20191120053115j:plain


 (2019.11.19)

倉多江美の『エスの解放』:恐るべき心理劇(マンガ)

倉多江美の『エスの解放』:恐るべき心理劇(マンガ)


私が東大マンガクラブにいた頃は、少女マンガの全盛期で、少年マンガを読む者は、除け者扱いされる雰囲気がありました。実際、梶原一騎に代表されるスポ根マンガは嘲笑の対象になったものです。私もその例に漏れず、少女マンガを読み漁りました。最も好きな少女マンガ家と言えば、倉多江美(くらた・えみ)さんにトドメをさします。1950年生まれ。


神奈川県鎌倉市に生まれ、幼稚園の頃に大阪へ移る。高校卒業後、河原デザインスクールに1年間通った後、漫画を描き始めた。1974年に『雨の日は魔法』(少女コミック増刊1月号)でデビュー。以後、同誌を中心に短編作品を数多く発表。針金のような独特の描線と、乾いたユーモアが特色で、時には哲学的なテーマも交えた作風は、少女漫画ファンのみならず、幅広い層の人気を集めた。後年は『エスの解放』『静粛に、天才只今勉強中!』などの長編作品も手がけている。


その他の代表作に『ジョジョの詩』『一万十秒物語』など。 日本テレビのドラマ「ちょっとマイウェイ」のオープニングのイラストを担当していた。

(wiki倉多江美)


彼女のマンガの描線は硬質で、モノクロームなマンガであると言えるでしょうか。色彩豊かな他の少女マンガ家とは相当に異質です。なかでも、ホラーを得意とし、『パラノイア』(コミック『五十子さんの日』所載)、『かくの如き・・・!!!』(コミック『ドーバー越えて』所載)などは、精神病を主題とし、両者とも身の毛もよだつ作品です。


そのような作品の一つに表題の『エスの解放』があります。この「エス」とはドイツ語の“es”、つまり無意識、集合無意識など、フロイトユング精神分析の用語を踏まえているのでしょう。(この単語は英語の“it”とほぼ同じ、天候や神などの言及を避けたい超越者を示すのでしょう。)この精神分析の用語をたどるように『エスの解放』は描かれています。



f:id:iirei:20191114051913j:plain

エスの解放』の表紙(アマゾンのカタログから)


ある女子高校生「河端未知子」が校舎の屋上から飛び降り自殺します。本編の主人公:“樫山めい”は、その場に居合わせ、女子高校生の自殺を目撃してしまいます。それから彼女に異変が・・・
悪夢、幻覚などを頻繁に体験するに至ります。特に「シャボン玉の中に赤ちゃんがたくさん浮かんでいる」といった夢を見たと母親に打ち明けますが、母も思い当たることがあるらしく、青くなります。ここいらはまさにミステリーと言える展開で、謎を孕んだまま話は後半に突入します。


樫山のことを気に掛ける同級生の柄谷(男子高校生)は、彼女の恐怖を取り除いてやりたいと親身に接します。だがここで決定的な事実が入ります。「樫山めい」は双子で、妹は“脳がない状態”で生まれてきて、3日後に死んだというのです。ここで樫山は過剰な反応をするのです。いわく「私は妹の脳を取りあげちゃった」。刃物で頭を抉ろうともしたりして、未遂に終わります。


めいが迷いこんだ出口のない迷宮・・・特に彼女は他人の痛み、不幸を自分に引き寄せて、自分の痛みにしてしまうという因果な(ある意味優しい)性格をしているのです。柄谷は、その怜悧な論理で、彼女を“es”から引き離そうとします。さて、その必死の説得は功を奏しますでしょうか?・・・これ以上のネタバレは控えます。(もっとも、粗筋は開示してしまいましたが・・・)



今日のひと言:このマンガの冒頭で、ある女生徒「河端未知子」が自殺したと書きましたが、この女生徒がなぜ自殺をしたのかについては語られません。実は、「物語の冒頭で男子生徒が自殺して、その謎を巡って話が進行するのは、特に同性愛がしばしば取り上げられる少女マンガの常套手段」ですが、倉多江美はその常道に従いません。ラブコメを描いた作品でも、一味違うものを描きます。『ぼさつ日記』では、男1人と女2人の「ラブコメ」が描かれますが、これは優男で頼りない男が、人間の女とも思えない2人に「脅かされる日常」が提示されています。




エスの解放 (花とゆめCOMICS 149)

エスの解放 (花とゆめCOMICS 149)

倉多江美傑作集〈2〉ぼさつ日記 (フラワーコミックス)

倉多江美傑作集〈2〉ぼさつ日記 (フラワーコミックス)




今日の一品


@シイタケうどん


f:id:iirei:20191114052003j:plain


昼食。生シイタケを少々陽に当てて、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを増やしてうどんの具にしました。陽に当てるのは、少しの時間でも良いらしいです。(ビタミンDの前駆物質「エルゴステリン」が、シイタケ、マイタケなどに多く含まれ、陽に当てるとビタミンDに変化するのです。)

 (2019.11.09)



@ふろふき大根



f:id:iirei:20191114052103j:plain


有名な料理ですが、初めて作ってみました。まず、大根を3cm厚さくらいに輪切りにし、皮を剥き、十字に隠し包丁を入れ、ラップにくるんで冷凍。翌日解凍し、水に醤油、昆布だし、オイスターソース、ナンプラーを入れて煮汁とし、保温調理鍋で30分、保温セット後2時間くらいで取り出し、ユズを散らしました。(冷凍するのは、煮汁が浸み込むのを促進するため。)

 (2019.11.09)



@ウコン酒の漬け込み


f:id:iirei:20191114052200j:plain


ほぼ毎年、ターメリック(ウコン)を栽培しては葉だけをアルコール漬け(リキュール)にしてきましたが、今年は根のほうを漬けてみました。飲み頃になるのは半年後ですが、すでに液が黄色くなってきています。

 (2019.11.10)



コールスローセリフォンスプラウト


f:id:iirei:20191114052437j:plain


キャベツのサラダに、セリフォン(中国からし菜)のスプラウト(もやし)を加え、辛さを満喫しました。

 (2019.11.11)






今日の四句


散歩道
いつもの景色
懐かしく


f:id:iirei:20191114052558j:plain


 一種のデジャビュ感でしょうか。

 (2019.11.09)



赤いバラ
季節外れの
豪放さ


f:id:iirei:20191114052708j:plain


 (2019.11.09)



ツタの葉の
壁に食い込む
寒さかな


f:id:iirei:20191114052759j:plain


 (2019.11.10)



冬の日に
ピンク咲かせる
サボテン花



f:id:iirei:20191114052900j:plain


マニアはサボテンではなくカクタスと呼びます。これは棘がなく、ウロコに覆われたような特殊なカクタス。花は一日花です。

 (2019.11.10)