漢字の話題3つ(災・徳・争):即物的な中国人(この場合長所)
@1「災」:「災害」の「災」と言う字でも単独で「わざわい」を意味しますが、この漢字は「上の(くの字3本で)「水」を意味し、下は言わずと知れた「火」です。古代中国人は「水」と「火」で災害を代表させていたのですね。
さらに、まさかといえる漢字もあります。上の「くの字3本を横断して一本横線をいれると「水の流れを留めること」になり、これは「ダム」、「災い」を意味するのです。実際、こんな漢字があるのです。
古代中国では水害に悩まされていて、治水は重要な政治課題でした。このとき「禹」(う)という者がダムを造らず、水の流れをそのままにするという方法で治水に成功し、後に、王に推挙されたというのです。(この逸話、『書経』より。)
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@2徳:「『老子道徳経』の「徳」と言う字の旧字は、「徳」より一本画数が多く、旁の「心」の上に、一本棒がありました。
この旧字体、言葉を3つに分解して、「素直な・心で・行く」と読めます。「直」の字の目の部分が寝っころがり、曲尺のような部分が一本棒になることが、この意味の源泉なのですが、新字体では、このような解読は不可能ですね。(棒がないから)この徳、よりビジュアルに書くと、↑の通りです。このうち、右側の字は
さんの「老子を読む・はてなグループ」における投稿に明示してありました。
この「徳」と言う字は「得」と同音、藤堂明保さんの「同音=同起源説」が正しいなら、徳は得に通じ、「道徳」=「素直な心で道行けば、なにか得する」という意味を読み取ることができます。
以上は、私なりの考察です。(辞書的に正しいかどうかは未確認です。自分では面白いと思いますが、是非検討してください。)
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@3「爭」:「戦争の争」と言う字は、即物的です。この字も旧字を省略したものです。
「爭」というのがその旧字。縦の一本棒を「物」とし、上と右から、2人の手が出ていて、物を奪い合うという意味を持ちます。新字の上の「ク」と読める部分は本来手のことだったのです。
この、「物を巡る争い」は、人間が生きて行くについて、よく目にする現象です。これについて老子は「不戦」あるいは「不爭」と言ったことを提唱しているようです。第30、31章にその趣旨が書いてあるようです。ようですというのは、これらの章に「不戦」あるいは「不爭」といった言葉が明言されていませんから。ただ、老子ならそう言うだろうと思います。
今日のひと言:漢字に籠められた意味は、大変に深いものもあり、それを辿ると一種のカタルシスに行き当たることもあります。
なお、今回の字解きは、『学研 漢和大字典』(東堂明保)でも、『現代漢語例解辞典』(林大:小学館)でも、大体支持されている見解でした。
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今日の一品
@ドドメ(クワの実)のオジヤ
クワの実は熟すると赤黒い色になりますが、そうなる前の未熟果を摘んできました。酸味を持つこの時期の実は飢饉のとき食べる物(救荒食)でした。
未熟果
オジヤ
パックご飯を、水を張った鍋に入れ、昆布だし(ヤマサ)を加えて火をつけ、シイタケ、カニカマ、未熟果を入れて加熱し、卵を落とし、カイエンペパーを掛け、すこし加熱して、鍋を火から降ろしました。酸味が生きて美味でした。
(2018.05.19)
@ノリノリ和え
我が家の庭に定着している「おかのり」。アオイ科で、その葉を5分ほど長めに茹でると粘りが出てきて、とろとろの食感を味わえます。「岡の海苔」でおかのり。今回は本家板海苔をふやかせて混ぜ、和えました。海苔と海苔で、のりのり。
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20090604#1244112704
:おかのり・・・超美味しい「岡の海苔」
(2018.05.19)
フキの佃煮。保存食。皮を剥き、切りそろえたフキを草木灰で茹で、ひと晩置いたものを、醤油+昆布だし+砂糖で煮詰め、フキから水分が抜けきり、茹で汁も少なくなったところで、シナモンを振り、火から降ろします。
(2018.05.20)
@牛肉肩ロースの塩麹処理ステーキ
弟との合作。夕方焼く8時間ほど前、ステーキの上部に塩麹を塗り付け、放置したものを焼きます。肉が幾分か柔らかくなったようです。
(2018.05.20)
@ツユクサのお浸し
↑の表記に驚いたひともいると思いますが、ツユクサは食べられます。しかも美味しい。お浸しは通常の野菜と同様に調理できます。サントウサイ(山東菜)ほどの風味。なお、ムラサキツユクサとは違います。
(2018.05.22)
今日の一首
ルイ14世
言ったか否か
「朕は国家なり」と豪語したこの人、ホーリーホックの仲間のハーブ:マロウの食用としての栽培を奨励したとのことで、2つの故事をつなげたのがこの歌です。
(2018.05.19)
今日の四句
朝日来て
怪しく映える
ヒナゲシか
(2018.05.20)
中腹に
雲がたなびく
浅間山
(2018.05.20)
しとやかに
コマツヨイグサ
地を這えり
(2018.05.20)
ウサギ待つ
垣根の下の
トクサかな
トクサ(木賊,砥草)はシダ類の植物で、もっとも目の細かいヤスリとして知られます。ウサギとトクサの組合せは画題として好まれています。
(2018.05.20)