虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

滝廉太郎・山田耕筰・中山晋平:近代日本音楽の旗手達

滝廉太郎と言えば、「花」「鳩ぽっぽ」「荒城の月」で知られる夭折の作曲家で、1879−1903、23歳で結核で落命した不運の人でした。彼はドイツへの音楽留学中に肺結核の症状が発現し、泣く泣く帰国しました。案外作品は残っておらず、30曲あまりの曲が聴ける程度です。彼が結核だったので、感染を恐れて楽譜を燃やす、といったことも行なわれたらしいですね。日本人に良くある通弊ですが、ある人が難病に罹って芸術活動を続けた場合、その人の病気を超えて、作品自体が「穢れている」と思う人が多いのでしょうね。でもそれは狭い了見です。彼、最期の曲はピアノ曲の「憾」(うらみ)、何を憾みに思ったのでしょう。



まあ、「遺憾」(残念)のこと、この世でし残したことが多くあり、自分の天命がこれ以上の活躍を許してくれなかったことが、何と言っても遺憾なのでしょう。


山田耕筰(やまだ こうさく、Kósçak Yamada)は1886−1965年、79歳の天寿を全うしました。Wikiでは

日本語の抑揚を活かしたメロディーで多くの作品を残した。日本初の管弦楽団を造るなど日本において西洋音楽の普及に努めた。また、ニューヨークのカーネギー・ホールで自作の管弦楽曲を演奏、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団レニングラードフィルハーモニー交響楽団等を指揮するなど国際的にも活動、欧米でも名前を知られた最初の日本人音楽家でもある。軍歌の作曲も多く手がけている。

山田耕筰は、ちょうどロシアのプロコフィエフなどと同時代人で、お互いにプロの作曲家として鎬を削る間柄だったというエピソードもあり、また長く活動も続けられたので、作曲家としては本望だったでしょうね。憾もなかったでしょう。個人的なエピソードも多く、再びwikiでは

1930年12月、「耕作」を「耕筰」に改名すると発表した。戸籍上は長らく「耕作」のままであったが、1956年に再婚したのをきっかけに「耕筰」に改めている。1948年に発表したエッセイ「竹かんむりの由来」(『山田耕筰著作全集 3』岩波書店に所収)によると、「山田耕作」と同姓同名の人物が多く(全国に100人以上いたらしい)、それゆえのトラブルが頻発していたのが、改名の理由の一つである。もう一つは、山田の指揮姿を見た颯田琴次から、後頭部の髪の乱れを指摘され、カツラをつけろと言われた後である。カツラを嫌った山田は丸坊主にしたものの、その姿を気に入っておらず、それで名前の上にカツラをかぶせることを考えた。竹かんむり=ケケ(毛毛)というわけである。「筰」の字は『康煕字典』から見つけたものである。

・・・・と、あります。童謡、歌曲、管弦楽曲全てに渡って才能を発揮したのですね。



中山晋平(なかやま しんぺい:1887−1952) wikiから

日本の作曲家。多くの傑作といわれる童謡・流行歌・新民謡などを残した。作品は多岐にわたり、学校の校歌・社歌等などを含め中山の作品と判明しているだけで1770曲ある。
一部の作品は現在も抒情歌または日本歌曲として歌い継がれている。
長調の曲はほとんどが日本固有のヨナ抜き音階で書かれている。また、童謡には「兎のダンス」や「蛙(かはづ)の夜回り」のようなピョンコ節がかなりある。その作品群は独特の曲調から俗に「晋平ぶし」とよばれ親しまれている。

山田耕筰中山晋平が独立に曲を付けた北原白秋作詞の童謡「砂山」を聴き比べるのも面白いと思います。



山田耕筰


中山晋平



今日のひと言:今回挙げた3人の作曲家は、みな東京音楽学校、いまの東京芸術大学の卒業生です。東京帝国大学と同じように、欧米の進んだ文化・技術を受容するための建学の精神が垣間見えますね。



瀧廉太郎―夭折の響き (岩波新書)

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今日の一品


担担麺(たんたんめん)



職場の近くの学食(一般人にも開放)で食べました。調理作業は標準化されていて、経費は安そう。
値段は360円なり。妥当な値段か。

 (2017.10.04)



ガンモドキエゴマ酢味噌乗せ



以前作ったエゴマ酢味噌を、ガンモドキに乗せ、1分半レンジでチン。面白い味になりました。


http://d.hatena.ne.jp/iirei/20170920#1505907112


 (2017.10.04)



@鶏モモ肉のナンプラー炒め・バジルソース掛け



弟作。肉をオリーブオイルで炒め、ナンプラー、七味唐辛子を加えてしばらく炒め、フライパンから降ろしてバジルソースを掛けました。

 (2017.10.05)



ヒヨコマメの炊き込みご飯



ヒヨコマメは、マメ亜科に属し、世界で愛好されている食物。味が栗(クリ)に似ていて、とても美味しいです。今回は、水に前夜浸したマメを、炊飯時に米に入れました。

 (2017・10.07)





今日の詩(2編)


@軍隊の夢  を見たのさ


トンネルで  道一杯に
広がり走る  装甲車
接触しても  怪我しても
それは各自の  不始末と  言われる始末
道路は軍の  専有物だ  と言いたいのか


隊員に  自転車を  徴用された
返してくれと  宿営に  行ったのだけど
「盗まれた」よと  けんもほろろ
彼ら旧知の  知り合いなのに
気心も  通っていた  はずなのに・・・

 (2017.10.02)





@淋しい祭りのあと


秋も深まり耕作者は
盛りを過ぎた花々を
根こそぎする


そしてそれらは
積み上げられて
腐るのみ


ルドベキア、鶏頭・・・
耕作者はこれら花の種を
採取する気はないのだろうか?


自家採取すればたぶん
来年も種を購入しなくても
美しい花が見られるだろうに・・・

 (2017.10.06)





  
今日の一句


墨流し
水に流るる
月なりき



十五夜の月が水面に落ち、和紙の装飾技法の「墨流し」のように見えました。
墨流し」は、和紙の加工処理の一つで、水面に色とりどりの絵の具を同心円状に浮かべ、ちょっと模様を息などで崩したところへ、紙を浸し、模様を写し取ります。

 (2017.10.04)