虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

正露丸と木クレオソート:案外頼りになる止瀉薬

       フェノール→



下痢をした時、また下痢の予防に効果のある正露丸。私もよくお世話になりますが、その主要成分であるクレオソート、相当強烈な化学物質かと思い調べて見ました。なお、今回ブログは


http://d.hatena.ne.jp/iirei/20170915#1505459334

 :ゲンノショウコ(現の証拠):下痢止めに卓効あり


の姉妹品です。下痢どめに有効であるという意味で。いわゆる止瀉薬ですね。


Wikipediaによる解説(日局クレオソート):

日局クレオソート(にっきょくクレオソート)は、木材の構成成分が熱分解されて生成したフェノール類化合物を主成分とする化学混合物。正式名称は木クレオソート(もくクレオソート; 英語: wood-tar creosote, フランス語: la créosote de bois)。

ブナなどを乾留させる(通常では木炭を作る)際に水蒸気とともに留出する油層(木タール、水を主成分とする上澄み液がいわゆる木酢液)を蒸留して得られる、淡黄色透明で燻製のような臭いのある油状の液体で、代表的には止瀉薬である正露丸の有効成分として用いられている。

なるほど、クレオソートは単一の化合物ではなく、木酢液を原料とするいくつかの物質の混合体であるということですね。さらにその組成は

古くからクレオソートの名称で知られ、日本薬局方の初版から収載されていたが、第十五改正において、製法・成分の異なる石炭由来のクレオソート油と区別されたため、「日本薬局方」の略称「日局」をつけて呼ばれる。第十五改正第一追補より、木クレオソートを正式名称とし、クレオソートは別名となった。

グアイアコール(グアヤコール
クレオソール(creosol、4-メチルグアヤコール
フェノール
p-クレゾール(cresol)
4-エチルグアヤコール
o-クレゾール

正露丸を製造する大幸薬品が分析し1989年に発表した論文「ブナ木クレオソートガスクロマトグラフィー・質量分析法および高速液体クロマトグラフィー法による分析」によれば、木クレオソートは22化合物からなり、そのうち19成分がフェノール類の化合物で、上記6成分で80%を占める。

クレオソート以外の成分との混合比は(wikiより「正露丸」):

大幸薬品社製『正露丸』の例
【主成分】
日局木クレオソート:400mg
日局アセンヤク末:200mg
日局オウバク末:300mg
日局カンゾウ末:150mg
陳皮末:100mg
【添加物】
ケイヒ
CMC-Ca
グリセリン


正露丸の効能は、虫歯の痛みを、患部に噛み入れ、神経を麻痺させて痛みを軽減することにもあるようですが、これはおなじくフェノールを含む今治水(こんじすい)と同様な薬効があるのですね。



今日のひと言:正露丸、発売当時は「征露丸」(ロシアを征服する)という「気合」を込めて名づけられていたと言うのも、案外有名な事実ですね。また、木クレオソートの原料である木酢液には、さまざまな生理活性物質が含まれると、以前読んだことがあります。



【第2類医薬品】正露丸 400粒

【第2類医薬品】正露丸 400粒

外科医、正露丸を斬る

外科医、正露丸を斬る





今日の一品


@オクラのコンソメコチュジャン



弟作。オクラの頭を切り落とし、本体を2つに分けて煮ました。オクラは煮物にしても美味しいですね。

 (2017.09.21)



@蓮根と厚揚げの酢っぱ煮



蓮根、厚揚げ、ショウガ細切れを水、醤油、昆布出汁で煮、最後に梅サワー漬けで味を整えました。酢の風味が心地よい。

 (2017.09.22)



@アボカドのカレー・マヨネーズ和え



弟作。切ったアボカドにカレーパウダーとマヨネーズを混ぜたソースを掛けました。予想外の美味しさ。

 (2017.09.22)



@豚ナンコツの角煮風



弟作。安価な豚ナンコツを角煮風にします。水を外鍋と内鍋両方に張った圧力鍋で10分処置し、タレを入れた保温調理鍋で4時間。タレは以前に使ったものを冷凍保存しておき、成分を加えて(醤油、砂糖、八角など)使用し、その後再び冷凍保存します。角煮に似た風味で掘り出し物の食材です。

 (2017.09.25)





今日の詩


金木犀キンモクセイ)と沈丁花ジンチョウゲ):入れ子の詩


今年も一週間限りの
キンモクセイが香ってきた。
解放的な香りだ。


中国人はこの花を白ワインに漬け
桂花陳酒(ケイカチンシュ)という
甘く香る酒を作ったほどだ。


なにか出会いを予感させる香り、
この香りを讃えて
私は以前、以下のような詩を書いた。


金木犀の香るころ  あなたと出会い
沈丁花の匂うころ  あなたと別れた


私は今なお官能の中


沈丁花も素晴らしい匂いを持つが、
陰に籠ったような匂いであり
花は有毒なので酒に漬けるのは不可だ。

 (2017.09.24)