小田真規子の缶詰料理・干物料理
@干しナスの煮びたし
私の近くの畑で昨夏に農家が栽培していたナスに、たくさん収穫しなかったナスが干からびていたのを見て、これは美味しそうだと、ナスを買ってきて2個を縦に切り魚干し網で4,5日 乾かし、改めて吸水させて、煮びたしにしました。そうとう縮んでいたとは言え、その分、味が濃縮されていて美味でした。
(2014.03.31)
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20140404 より
この料理に先立ち、私は、NHKなどで紹介されていたと、弟が言っていたので、缶詰イワシの卵とじを作っていましたが、図書館でこのような、缶詰とか干物の料理の本がないかな、と物色していたところ、小田真規子(おだ・まきこ)さんがそのような料理の本を複数出していることが解り、2冊ほど借りてきました。
一冊目が「すぐにおいしい!缶詰・乾物レシピ」(PHP:2012年初版)で、そのうち27Pのオイルサーディン料理(いかにも簡単に作れそう!!)を挙げておきます。
二冊目が「野菜を干せば、こんなにおいしい!」(日本文芸社:2011年初版)で、66Pの「干し野菜のあっさり筑前煮」を挙げておきたいところですが、写真の著作権の関係で止めておきます。関心のある人は、是非本をお取りください。この本では、野菜を半乾きにする「セミドライ」と、完全に干す「ドライ」を取り上げていて、どちらかといえばセミドライのほうの扱いが大きなようです。
電子レンジでおおむね10分前後加熱し、レンジから出して空冷する前処理をしたものがセミドライで、天日で一日6時間、4、5日かけて乾かすのがドライです。
小田さんは、普通には非常食とか副食とも言われそうな缶詰や乾物(干物)を料理の主役に据えるという哲学を持って、創作料理に励んでいらっしゃるように思います。なかでも今回ブログで挙げた計3品に、その心が反映されていると思います。プラス使いやすいレシピ。
缶詰をそのまま食べて、「うん、まあまあな味だな」と妙に納得するのではなく、もう一味つけ加えるにはどうすれば良いか?という疑問が小田さんには最初にあったのだろうと思います。非常食からメインディッシュに格上げするには、缶詰の材料の魚、肉の食材より高価なものを使わなくてもよいということ、例えばオイルサーディンなら、豆腐と和えるという具合に。そうした過程で、缶詰はグレードアップされるのです。その経緯は乾物も同じことです。
ちなみに、「すぐにおいしい!缶詰・乾物レシピ」で取り上げている食材は「サバ缶、サンマのかば焼き缶、オイルサーディン缶、ツナ缶、コンビーフ缶、焼きとり缶、コーン缶、大豆缶(以上缶詰)、ヒジキ、麩、切干し大根、高野豆腐、かんぴょう、春雨、干ししいたけ(以上乾物)です。
また、「野菜を干せば、こんなにおいしい!」では、入手できそうなほとんどの野菜、キノコ、果物を干して美味しく食べるレシピが目白押しです。ただし、ホウレンソウとか春菊などの青菜類は水分が多く、干すと変色しやすいので使わないほうが良いそうです。(もっとも、以前このブログで挙げたように、小松菜を干して「ヒバ」にするという手もあるようですが)
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20140612#1402568560 :ヒバ
今日のひと言:1つのテーマを発見したら、脇目も振らずにそのテーマに沿ったレシピを考案するというのは、料理研究家に限らず、ほかの分野でテーマを追いかける人にも必要な態度ですね。私は小田真規子さんに感服しました。なお、小田さんの本は、缶詰・乾物料理だけでなく、色々なジャンルにアンテナを張り巡らせているようです。特に、NHK「今日の料理ビギナーズ」でも、アドバイザーをなさっているようです。
NHK「きょうの料理ビギナーズ」ハンドブック フライパン1つで100レシピ (生活実用シリーズ)
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今日の料理
@切干し大根
よく知られた料理ですが、私の場合はクコの実を赤いアクセントとして入れます。切干し大根の乾燥したものとクコの実を鍋にいれて吸水させ、ゴマ油で炒め煮にして、甜菜糖、醤油、昆布だし汁を加えて、最後に湯通しした油揚げを切って加えて一品完成です。
なお、以前挙げた「切干しニンジン」の場合は、もとが赤いので、クコの実は入れません。
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20140524#1400877802
(2014.06.28)
@チャイブ入り卵焼き
ネギの仲間でもっともマイルドな風味を持つハーブのチャイブ。スープに浮かべたりして食べますが、今回は卵焼きに刻んで加えました。美味しいです。なお、卵焼きの焼き方が下手なのは、ご愛嬌です。
他のハーブでは、タンジーとかヘンルーダ(ルー)を加えることがあります。ただこの2つは、毒成分も持つので、控えめに使用します。
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20110326#1301137436
:有毒なハーブとの付き合いかた
今日の一句
荒地にて
赤芽柏の
聳(そび)えけり
赤芽柏(アカメガシワ)は、トウダイグサ科の樹木。毒草の多いこの科の植物においては、珍しく餅をくるむのに用いられてきました。新芽が赤いということ、餅をくるめるという点で、このように呼ばれるのでしょう。私は樹木一本についても、一つの尊い存在だと思いますので、「聳える」という表現を使いました。
(2014.07.01)