虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

植物の新芽が赤い色をしていることがあるのは何故か?


アカメガシワ


 ある種の植物の新芽ないし新葉が赤い色をしていることがあります。薔薇とか、その名もずばりアカメガシワ(赤芽柏)とか。その理由を追って検索したところ、ぴったりのHPに行き着きました。

http://www.jspp.org/cgi-bin/17hiroba/question_search.cgi?stage=temp_search_ques_detail&an_id=1247&category=mokuji

日本植物生理学会―みんなのひろば―  より。


このページを要するに、植物の春の新芽にはもちろん葉緑素クロロフィル)が含まれていますが、紫外線に弱いため、赤い色素であるアントシアニンが盾になって、紫外線から葉緑素を保護しているということです。時期になれば赤色は消えて行き、緑の葉になるわけですね。


見事な解説だと思います。アントシアニンはアルミニウム、マグネシウム、鉄などの金属とキレート錯体をつくり色調を変えることもある物質であり、クロロフィルマグネシウムを含む物質です。(wikipediaより)ただ、もう一声あげれば、楓のある種のものは一年中くすんだ赤い色をしていることがあります。おそらくアントシアニンクロロフィルが混在しているのでしょうか。これら一年中赤い葉ないし緑ではない葉の植物は「紫外線に特別弱い」ということになるのか、知りたいところです。


また、秋の紅葉のシーズンには、紅葉に大きく寄与するのもアントシアニンの一種の「クリサンテミン」です。クロロフィルは、葉が落葉する際には、植物本体に吸収されるのでしょうか?これも疑問です。



今日のひと言:アカメガシワは、毒草の多い「トウダイグサ科」の植物ですが、薬に用いたり、餅を包むのに利用されたりと、案外活躍しています。また、生垣に使われるベニカナメモチ(紅要黐:バラ科)は、鮮やかな新芽の赤がまぶしい植物です。
Wikipediaでは

ベニカナメモチレッドロビン) Photinia×fraseri(P. glabra × P. serrulata→カナメモチとオオカナメモチの雑種):新芽が非常に鮮やかな赤になる。鑑賞価値が高く、生け垣などに利用される。カナメモチとよく似ているが、カナメモチの葉柄には鋸歯の痕跡(茶色の点に見える)が残るが、レッドロビンには無いことで区別できる。
・・・と、されています。

 ↑ベニカナメモチ


アントシアニンは、ブルーベリープルーンなどの果実の色、ムラサキキャベツの色などと、食を通じて生活に深く結びついた色素です。




今日の一句



今はまだ
やがて必ず
山笑ふ

山笑う」とは、春になり山の木々が新芽を出すときの華やいだ様を言う季語です。とても実感的な言葉です。

   (2012.03.27)

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