ある種の植物の新芽ないし新葉が赤い色をしていることがあります。薔薇とか、その名もずばりアカメガシワ(赤芽柏)とか。その理由を追って検索したところ、ぴったりのHPに行き着きました。
日本植物生理学会―みんなのひろば― より。
このページを要するに、植物の春の新芽にはもちろん葉緑素(クロロフィル)が含まれていますが、紫外線に弱いため、赤い色素であるアントシアニンが盾になって、紫外線から葉緑素を保護しているということです。時期になれば赤色は消えて行き、緑の葉になるわけですね。
見事な解説だと思います。アントシアニンはアルミニウム、マグネシウム、鉄などの金属とキレート錯体をつくり色調を変えることもある物質であり、クロロフィルはマグネシウムを含む物質です。(wikipediaより)ただ、もう一声あげれば、楓のある種のものは一年中くすんだ赤い色をしていることがあります。おそらくアントシアニンとクロロフィルが混在しているのでしょうか。これら一年中赤い葉ないし緑ではない葉の植物は「紫外線に特別弱い」ということになるのか、知りたいところです。
また、秋の紅葉のシーズンには、紅葉に大きく寄与するのもアントシアニンの一種の「クリサンテミン」です。クロロフィルは、葉が落葉する際には、植物本体に吸収されるのでしょうか?これも疑問です。
今日のひと言:アカメガシワは、毒草の多い「トウダイグサ科」の植物ですが、薬に用いたり、餅を包むのに利用されたりと、案外活躍しています。また、生垣に使われるベニカナメモチ(紅要黐:バラ科)は、鮮やかな新芽の赤がまぶしい植物です。
Wikipediaでは
ベニカナメモチ(レッドロビン) Photinia×fraseri(P. glabra × P. serrulata→カナメモチとオオカナメモチの雑種):新芽が非常に鮮やかな赤になる。鑑賞価値が高く、生け垣などに利用される。カナメモチとよく似ているが、カナメモチの葉柄には鋸歯の痕跡(茶色の点に見える)が残るが、レッドロビンには無いことで区別できる。
・・・と、されています。
アントシアニンは、ブルーベリー、プルーンなどの果実の色、ムラサキキャベツの色などと、食を通じて生活に深く結びついた色素です。
今日の一句
今はまだ
やがて必ず
山笑ふ
「山笑う」とは、春になり山の木々が新芽を出すときの華やいだ様を言う季語です。とても実感的な言葉です。
(2012.03.27)
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