虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

ハーブ:グッド・キング・ヘンリー(野菜としてのハーブ)

    ハーブ特集(ひさびさに、そう、2年振りくらいの)
 グッド・キング・ヘンリー(Good King Henry)→


        その性質、栽培法、調理法
1) アカザ科宿根草。高さ60−100cm。ホウレンソウが多年草になったと思えばいい。ただし食味はごわごわしていて、ホウレンソウには劣る。だからヨーロッパでは19世紀にホウレンソウにとって替わられた。ちなみにバッド・キング・ヘンリーとは有毒な水銀(Hg)のことで、それと区別するためにこの名が付いたらしい。すなわち、健康上良いものと理解されていたらしい。

2) タネは比較的小さく、ポリポットに蒔き浅く土をかぶせて乾燥に注意しながら発芽を待つ。本葉が3,4枚になったら深めの鉢に植えるか地植えする。畑を持っている場合は直播してもいいだろう。日当りのいい場所を好むが、少々日陰でも大丈夫。用土は養分に富み水はけのいい砂のまざったものを好む。増やすには採種するか秋に株分けする。


3) 葉と花穂が食用に出来る。アカザ科植物の特長として、尿路結石の原因物質であるシュウ酸を含むので、茹でたあと20−30分ほど晒してから味付けする。オヒタシならカツオブシで醤油と合え、穂はバター炒めにするとよい。なお、種子を挽いて粉食に使うこともできる。アカザ科の植物の利用例としてはホウレンソウが一般的だが、秋田のトンブリ(ホウキグサの種を特殊加工したもの)とか、アンデスの究極穀物キヌアなどを参考にしてほしい。アカザ科の植物には有用なものが多い。もちろん、この科の由来になったアカザ(赤座)も、シュウ酸を抜いて食用にできるし、この科のビート(ビーツ)も、葉を食べるもの(夏ホウレンソウ・フダンソウ)、砂糖を食用にできるものなど(甜菜:てんさい)、いろいろな用途に利用することができる。特にビートは、植物中、もっとも光合成能力が高く、ジャガイモをも凌駕する。救荒食としての価値もあるだろう。以下参照。
http://www.pref.fukushima.jp/tabako-shiken/story/story_43.html


4) アカザ科はアカザ目の一種で、ヤマゴボウ科、オシロイバナ科、スベリヒユ科ナデシコ科、ツルムラサキ科ヒユ科などなど、この目に属する植物は多い。食べる際に、シュウ酸を抜かなければならない点も共通である。



ハーブを取り上げた過去ログ
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051215 ナスタチウム
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051227  セージ
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20060110  タイム





今日のひと言:グッド・キング・ヘンリーは、一度育ててみたくて、いろいろな種屋から入手しましたが、どれも芽が出ず、最後に「ラムズ・イヤー・シーズ」で購入した種がみごとに発芽して、先方に嬉しかったという件を伝えたところ、淡々として、しかも自信に満ちた返事が返ってきました。ハーブの種なら、ここから入手するといいですよ。

URL:
http://www.lambsear.jpn.org/

E-mail
lambs.ear@dream.com



ハーブ大全

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