虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

福田総理、あんた正気なの?・・・福田ビジョン

福田総理、あんた正気なの?・・・福田ビジョン


 ここ最近のニュースによると、福田康夫内閣総理大臣が「福田ビジョン」というのを打ち出す方針であるとのこと。その内容とは、2050年までに温室効果ガス(CO2など)の排出量を現在より60%から80%削減するというような夢のような公約です。

 実際にその目標が達成できる条件として、2つの場合が想定されます。


1) 原子力発電所に電気エネルギーの供給を多くさせる、つまり原発の大増設
2) 日本国民の人口を半減させる


ただ、1)の場合、原発によって石油などの化石燃料の使用が抑制されると考えるのは誤りで、放射性廃棄物の安全な管理に要する数万年単位の期間、化石燃料がなければその管理はできないのです。室田武・元一橋大学教授によれば、核反応によって得られる電気エネルギーはその後の保管に必要なエネルギーより少ないのです。だから、1)は選択肢には入りえないのです。我々の世代のツケを、子孫の世代にまで永遠に負わせる権利は、我々にはないと思います。


 2)の場合は、十分考えられそうです。現に後期高齢者医療保険によって75歳以上のお年寄りを切り捨てていますし。国家百年の計は「人口減少」にあり、といったところでしょう。破天荒でユニークな視点ですね。私自身、老子の「小国寡民(しょうこくかみん)」を標榜していますから、この方針にも一理あると思えますが、これを為政者のサイドから提示されるのは、ちょっと違うじゃないか、と思います。福田総理は、そこまで非情になれるのでしようか。老子が愛読書であるという福田総理は。


福田総理は、温室効果ガスの国際的な削減競争にイニシアティヴを取りたいようですが、おそらくイギリスなんかは、日本をあざ笑っているでしょう。京都議定書の6%削減割り当て(7%だったかも)さえ守れなかった日本とその政府を。


過去ログ
 http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070902 エタノール車と「小国寡民




今日のひと言:人類の未来は「ないものねだり」をやめて、自分の生活範囲でどのように生活できるかにかかっています。それこそ「小国寡民」の発想です。遠くから物資を運んで使用したい、という贅沢な生き方は「小国寡民」の発想とは相容れないものです。そら、アメリカが穀物を輸送用の油に変えただけでも、世界中、大混乱です。穀物は現地で穀物として食べればよく、燃料に変えて遠くから食糧を持ってくるという発想が誤っているのです。



老子 (中公文庫)

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