虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

「JA全中」潰しはTPPへの参加の布石だ:姑息な安倍内閣

JA全中は正式名称「全国農業協同組合中央会」と言い、全国の農協に指導権を持つ、従来の農政においては中核的な組織です。その力を削ぐ目的の農協法改正を安倍内閣は狙っています。その心は・・・TPPに加入した後で、農業の強化を目指すということですが・・・
そしてJA全中を一般社団法人にし、下部組織は株式会社にすることを可能にする・・・


讀賣新聞の2015.1月27日号の記事を参考にしてこのブログを書いていますが、「農業改革」についての言葉解説を引用すると・・・


安倍内閣が成長戦略に位置づける農業改革の柱。1954年に発足したJA全中は農協法に基づき、地域農協に対して強力な指導・監査権を持っているが、一律的な指導が、地域農協の独自性を妨げているという批判が強い。JA全中は地域農協の経営破綻が相次いだため設けられたが、各農協は現在、おおむね健全経営とされている。


以上は、安倍内閣の「広報誌」・讀賣新聞の論調です。「各農協は現在、おおむね健全経営とされている」という文言、むしろJA全中による規制が効を奏しているとも考えられると思います。それを再び農協の経営破綻を起こすような方向に進ませるのが、安倍晋三の狙いなのかも知れません。当のJA全中のHPを覗いてみると


TPPから地域社会・経済を守ろう


TPPは、例外のない関税撤廃を原則とするとともに、幅広い分野にわたって規制・制度の変更を求められる、極めて自由化度の高い包括的協定です。そのため、関税撤廃による農林水産業への打撃により、地域経済・社会や国の食料自給率に大きな影響が及ぶだけでなく、医療、食の安全・安心などにかかわる仕組み・制度が変更を余儀なくされ、私たちの生活が一変してしまう可能性があります。


こうしたことから、JAグループでは、消費者団体、医療関係団体、農林水産業団体など、様々な団体等と連携し、さらなる国民各層の理解と支持を得るための取り組みを行っています。


TPPとは


TPPは、2国間の自由貿易協定(FTA)などによくある例外項目は原則認めず、全ての品目に対する関税を撤廃することで、より高い水準の自由化を促進するとともに、非関税分野のルールの統一を図ることが狙いです。


更にTPPは全部で24にものぼる分野が交渉の対象となっており、与える影響は農業だけにとどまらず、国民生活に広く及びます。農業以外でも、例えば医療、食の安全、金融、保険、投資、雇用、人の移動、政府調達(公共事業の発注)などへの影響が心配されています。十分な情報開示のないままにTPP交渉に参加した場合、日本の社会システムが根幹から変わってしまう恐れがあります。

http://www.zenchu-ja.or.jp/food/tppより


さて、どっちの言い分が正しいか?私はJA全中だと思います。これまでJA全中がやってきた仕事は、役所に準じて、下部の農協・農民に「規制をかける」ことだったと思います。一方、小泉純一郎竹中平蔵のやってきた「規制緩和」で、どれほど国民に良いことがあったでしょうか?弊害ばかりだと思います。安倍内閣もこの「規制緩和」を農業にも適用したいのだと思います。そうすると、農業の現場も他の産業界と同じ「弱肉強食」の世界になり、零細農家は衰退し、たとえば企業として農業に取り組む、さらには大規模機械化産業が出現するでしょう。アメリカの大規模機械農業に対抗するため。


しかし、この種の農法は、大地からの収奪農法であり、長続きしないものだと思います。いわば、産地ごとにプランテーションのごとく単一作物を栽培するのですから、(もっとも、これまでもそのような作付は奨励されていましたが)大地の疲弊は相当なものになるでしょう。


今日のひと言:故・宇沢弘文氏(経済学者)は「TPPは社会的共通資本を破壊する」と大反対の発言をしておられましたが、こと農業に限っても、TPPの実害は大きいと思えます。一種の役所であったJA全中を追い落とすことで、TPPの受け入れ態勢を作りたい安倍晋三とその内閣。バカを通り越して悪人に見えてきました。


以下は、ブログ友達のSPYBOYさんとの問答です。


iirei:それにしても、安倍はバカですが、JA全中の権限を取り上げることで農業分野に競争原理を導入し、農家同士の貧富の拡大をもくろんでいるようにみえます。


SPYBOY:農協は良くわからないのですが、補助金と規制でがちがちの現状も問題大有りで、競争原理と弱者保護のバランスを取る政策が必要なんでしょう。TPPも原発も反対と言いつつ、補助金欲しさで本気で反対しなかった農協は自業自得だと思っています。

http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20150213     特別な1日(UNA GIORNATA PARTICOLARE)より。

 

同じ農協についても、様々な見方があるものです。



参考過去ログ:http://d.hatena.ne.jp/iirei/20130325#136418228

 :TPPの狂気(+石原慎太郎芥川賞






今日の料理


グリーンカレー風うどん





昼食に、コンビニなどで売っている「いなば食品」の「チキンとタイカレー」を炒めているうどんに掛け、食べました。案外美味しかったです。コブミカンカフェライムリーフ)も入っている本格派です。

 (2015.03.07)



古代米ご飯





かねてから、いわゆる古代米には興味があったのですが、JAで買ってきて、夕飯の米に少量まぜて炊きました。2.5人分のお米(0.5は犬用)に、30粒ほど混ぜたところ、写真では見難いですが、ちょうどお赤飯のような色あいになりました。もっとも、赤飯の由来は、古代米からなのだそうですが・・・

 (2015.03.07)




@キクイモとモヤシのカレー炒め






厚さ2mmくらいにスライスしたキクイモと、緑豆モヤシを炒め、塩・カレー粉で味を整えました。彩りにクコの実、小松菜を少々加えました。


参考過去ログ:

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20150212#1423710556

 (2015.03.07)




@アボカドの卵とじうどん





結構好きなアボカドを使い、丼物を作りました。基本はアボカドと卵を昆布汁で味付けするのですが、ほかにソーセージ、紅法師(水菜)、ネギ少々を小鍋で煮て、茹でたうどんに掛けて、ビビンバのように混ぜて食べました。美味!また作りたくなりました。

 (2015.03.08)






今日の二句


柴犬の
親しく吾を
見つめたり





某所に飼われている犬との、一瞬の出会い。

 (2015.03.07)




啓蟄
土を起こせば
雨蛙


今年の作付のために掘り起し始めた庭の土、大慌てでアマガエルがまろび出てきました。啓蟄(けいちつ)は24節季の一つで、虫などが活動を始める侯のこと。

 (2015.03.08)